神奈川県水産総合研究所 メルマガ058

掲載日:2014年3月18日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.058 2004-09-03
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□□研究員コラム
・播いて獲る・こっそり盗られる「アワビ」(栽培技術部 沼田 武)
・一都三県漁海況速報の作り方(海洋情報部 樋田 史郎)
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○播いて獲る・こっそり盗られる「アワビ」
 相模の海には1300種余りの沢山な魚介類が生息し、これら海の恵みによって
多彩な漁業が営まれているとともに、多くの人たちが四季を通じて遊漁を楽し
まれています。

 三浦半島から相模湾にかけての沿岸岩礁域は、カジメ、アラメ、ワカメ、テ
ングサなど数多くの海藻類が繁茂し、これらを餌にするアワビやサザエ、トコ
ブシが豊富に棲息する磯根漁業の優良な漁場でした。

 いまでも、東京湾口部の観音崎や久里浜周辺にカジメ群落は残存しています
が、全県的には植生群落は狭小化しつつあり、貝類の漁獲量も減ってきていま
すが、特にアワビはその傾向が顕著になっています。

 このため、漁業者は、アワビ資源の回復・増大を図るため、小型貝を採捕し
ない、10月から12月の産卵時期には禁漁にするなどの資源保護対策のほか、人
工生産されたクロ、メガイ、マダカのアワビ種苗を購入し、各地の地先に放流
するようになりました。

 放流した種苗は、2-3年後には漁獲制限サイズの11cmを超えて、みづき
や潜りなどの漁法により漁獲されるようになります。

 平成14年では総漁獲量18トンのうち8割以上を放流貝が占めていますので、
漁業者は身銭を切ってでも播いて獲る「アワビ栽培漁業」を生活の支えにして
います。

 「磯のアワビの片思い」の心情のごとく漁業者は天然アワビの復活を願って
いますが、放流貝が獲れるのとは裏腹に天然貝はますます激減しており、その
原因究明に当研究所でも努力している所です。

 さらに、追い打ちを掛けるように漁業者の生活を脅かす事象として、各地で
の密漁の横行が上げられます。全国の漁獲量に匹敵するのではと言われる密漁
は、大切に見守ってきた漁業者にとって泣くにも泣けない由々しき犯罪行為で
す。

 このため、最近は各地の警察署が磯荒らしの防止に力を入れていますので、
知ってか知らずかは兎も角に、アワビやサザエを盗っていると現場での事情聴
取や連行、取り調べとなり、最悪は新聞の社会面を賑わすようになります。

 アワビは、サザエとともに本県沿岸の磯根漁業を支える重要な資源であり、
漁業者は少しでも資源を増やしていこうと多大な努力をしていますので、検挙
や送検などの憂き目に遭わぬよう、皆様にはくれぐれもご自重されますように。
                         (栽培技術部 沼田)
アワビの写真と密漁防止のチラシ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p784649.html

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○一都三県漁海況速報の作り方
 「一都三県漁海況速報」をいつもご利用下さいましてありがとうございます。

 おかげさまで、主要な検索サイトで「一都三県」あるいは「海況図」と入れ
るだけで、本速報が出るようにまでなりました。

 お知り合いのかたにご紹介いただける際は、「検索サイトで一都三県」と言っ
ていただくだけですみます。

 さて、「一都三県漁海況速報」そのものについては、メルマガの4号で紹介
がありましたが、今回は実際にどのように作っているかご紹介します。

【誰が作っているか】
 (その名の通り)一都三県の水産研究機関の海況担当研究職員が共同で作って
います。
 共同で収集したデータを一堂に集めたうえで、実際に頭を悩ませ図を作るのは、
その中の当番の都県の担当者になります。
 当番は基本的に2ヶ月間続きます。

【データの収集】
 前日10時から当日10時までの入手可能なデータを各都県で集めます。

 データは、地先定点、ブイ、調査船、漁船、フェリー等による水温(一部は
潮流)観測結果、人工衛星画像、伊豆諸島各島の潮位等、様々です。協力機関
からFAXで送っていただいたり、漁業無線で連絡をいただいたり、収集方法も
様々です。

【データの集計】
 13時半ごろまでに、専用の速報処理システムで、各都県が相互に送信します。

 全都県の手元に同じデータが自動的に届けられます。
 このシステムは、データ入力、メールによるデータ交換、作図の機能をもつ
データベースを核にしたシステムです。

【当番の作業】
 全都県のデータが集ってから、図に水温、流速ベクトルをプロットします。
 プロットは、大抵5分メッシュで平均します(12分の1度のマス目毎に平均)。

 そして、一番のヤマ、プロット図に鉛筆で等温線を描き入れていきます。

 原稿ができあがったら、各都県にFAXで送って意見を求めます。特に修正意
見等がなければ、製図ペンで清書します。

 研究員自らが清書する場合もありますが、通常は非常勤職員(神奈川はバイ
ト)のベテラン女性が職人芸で描きます。そして、清書した図を各都県にFAXで
流して完成です。

【完成図の後処理】
 ここから先は、各都県の個別対応になります。
 まずは、各都県の漁協等にFAXで配信します(各都県も同じ作業)。

 神奈川の場合は、このほかに「ハローファクス」への登録、スキャナで取り
込んでインターネット公開用の一連の処理を行ないます。以上、一通り終える
と、ほどなく17時です。

【等温線を描く苦労】
 上記の作業の中で最も悩ましい作業は等温線の作図です。

 この作業での一番の問題は、データの不足です。

 気象は全国を網羅したたくさんの自動観測網のデータを使いますが、海況図
で使う海のデータはごくわずかしか手に入りません。

 最高の条件であっても、入手できるデータは図中の海域をくまなく網羅でき
るものではありません。

 つまり、この海況図は、現実の観測結果のみの単なる取り纏めではなく、デー
タの無い場所の様子を推察する「現況の予測」なのです。

 実際に水温データ得られた場所は、図中に「・」を付けており、それ以外は
現況予測です。

                     (海洋情報部 樋田史郎)
※この記事の図解
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p784665.html
※関連記事 メルマガ 4号
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583143.html
※一都三県漁海況速報
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/Kaikyozu/1to3ken.asp
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[イベント情報]
●「海岸クリーンアップ・リレー放流」が開催されます!
海づくり大会の関連行事の、マダイ稚魚放流や海岸清掃等のイベントです。
平成16年9月11日(土曜)午前9時半受付開始(1時間30分程度)
三浦海岸マクドナルド前(荒天の場合9月23日に延期)
 ・軍手、帽子、タオルなどをお持ちください。
 ・動きやすく、マダイ稚魚放流時にはひざ近くまで海水に入れる服装で
ご参加ください。
 詳細は、豊かな海づくり大会ホ-ムペ-ジへ
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/umidukuri/top.htm
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[最近のホームページ更新情報(8月25-31日)]
県水産職員著作物の紹介を更新しました。
漁況情報・浜の話題No04-14(平成16年8月23日号)を掲載しました。
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[編集後記]
 一都三県漁海況速報は、アクセス数から判断しても人気No1のコ-ナ-で、
非常に多くの方にご利用いただいています。記事にもあるとおり様々な条件で
自動化できない事情もあり、各県の担当者の苦心の作ということをご理解いた
だければと思います。
 また、日々のデ-タを表示するスクリプトも全て職員の手作りです。そのため
至らないところもあると思います。
 御意見等お寄せ頂ければ幸いです。
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