神奈川県水産総合研究所 メルマガ066

掲載日:2014年3月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.066 2004-10-29

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.066 2004-10-29
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□□研究員コラム
・身近な磯の生物-マツバガイ(企画経営部 田島 良博)
・江戸時代に相模の国と神奈川で遊漁を楽しんだ人がいた
                    (栽培技術部 今井利為)
■プレ大会はまどり乗船見学会の参加者募集
■イベント情報
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○身近な磯の生物-マツバガイ
 皆さん、マツバガイという貝をご存知でしょうか?

 別名ウシノツメとも呼ばれる笠貝の仲間で、本州以南の磯ではごく普通に見
られる貝です。

 マツバガイの名前の由来は、殻の表面にある放射状の赤い筋が松の葉のよう
に見えるからのようですが、固体によっては同心円状の波模様が目立つものも
います。

 このマツバガイは、日本本土の笠貝類としてはもっとも大きくなり、いくつ
かの図鑑で調べてみると殻の長径は6-7.5cmと記載されています。

 魚屋さんでは見かけませんが、味噌汁や吸い物などにして食べる地方もあり
ます。

 ところで、なぜこの貝をご紹介したかと言いますと、水産総合研究所裏の護
岸には巨大なマツバガイが生息しているからです。

 図鑑の記載では7cm位とありますが、三浦半島周辺の磯で見かけるものは3
-5cm程度のものが普通で、6cmを超えるものには滅多に会えません。

 ところが、当所裏の護岸では6cmを超えるものが数多く見られ、中には7cm
以上のものもいます。

 なぜこれほど大きなマツバガイが多数生息しているのかというと、簡単にい
えば誰も採らないからでしょうね。

 肉食性の巻貝などが天敵になりますが、これらの生息状況は周辺の磯とあま
り変わりませんから。

 貝の仲間は、我々人と違い長く生きればそれだけ大きくなりますが、大きく
なるほど成長する割合は小さくなります。

 つまり、2cmから3cmに成長するのと、6cmから7cmに成長するのでは、後
者のほうが遥かに長い時間がかかります。

 マツバガイの寿命については、残念ながら調べきれませんでしたが、当所裏
のものたちは大きさから見ると比較的長生きしているようです。

 7cmのマツバガイは一体何年生きているのでしょうね?

 こんなことも人の影響を受けない自然の姿の一面と言うことができるのでは
ないでしょうか。
                     (企画経営部 田島良博)
マツバガイの写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582999.html
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○江戸時代に相模の国と神奈川で遊漁を楽しんだ人がいた
 天保の世に三河屋改め黒田五柳という江戸の商人がいました。

 この人が1842年ごろ著した「釣客伝」には序文の冒頭、「それ釣人を馬鹿と
し、夫を見るを大破家とする」としていて釣りを嗜まない私は大破家の類とな
りますが、相模湾と東京湾で様々な釣りを楽しんだ詳細な記録が残されていま
すので、ごく一部を紹介します。

 この「釣客伝」上には(1)釣りの要点は時候、場所、勘、手回し、根気、
(2)箱根から小田原沖にかけてのまぐろ、かつお、その他の釣り、(3)大
磯や南湖の浜での釣り、(4)江の島付近のあじ、さば釣り、(5)金沢沖の
たこ釣り、(6)神奈川での根釣り、生麦での手釣り、(7)沖でのきす釣り、
(8)沖でのはぜ釣りなど、が書かれています。

 特に驚くことは、この黒田五柳は江戸から小田原まで行き、まぐろ、かつお、
しいらを漁師の船に乗って釣っていることです。

 また、沖合で釣っている船まで買出しに来る「押送船」に船中で相場を決め
て売買をしていることです。

 かつおを土地の人は「江戸魚」と呼んでいたと書かれており、「目に青葉、
山不如帰、初鰹」の名句や江戸っ子が女房を質に入れてもこの初鰹を食べたと
の話のように、相模湾から江戸に運び、高値で取引したことが「押送船」とい
う流通を支えていたようです。

 また、大磯や南湖(茅ヶ崎)において陸釣りでわかなご、くろだいを釣って
いるが、これも、地元の魚買人が近くに居合わせて、釣れた魚を買い取ったと
の記述があります。

 話は、横浜の金沢八景に飛びますが、この土地には海水魚の釣り堀があって
「東屋、千代本、二軒旅亭の泉水に、真鯛、鱸(スズキ)、黒鯛、鯖、小才
(ショウサイフグ)、其外小魚の類。茶屋の池故、何魚にても釣れるなり。去
りながら、値も貴ければ心して釣べし」との記述があるのには、再度、びっく
り。

 現在でも海産魚の釣り堀は、四国、三重県などで行われていますが、金沢八
景に今でも残る「千代本」で料亭の泉水として釣り堀があったとは、海業は江
戸ですでに始まっていたのです。

 大都市江戸を抱えた相模湾、東京湾の漁業と遊漁の姿が、時代を超えて現代
の漁業と遊漁に重なる部分があり、「釣客伝」を一読することをお勧めします。

 参考文献:長辻象平;江戸の釣り 水辺に開いた趣味文化;平凡社新書
      黒田五柳;釣客伝;日本農書全集 59;農文協 
                       (栽培技術部 今井利為)
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[プレ大会はまどり乗船見学会の参加者募集]
11/13(土曜)横浜市海事広報艇「はまどり」にて、横浜港乗船見学会が行われ
ます。11時-、14時-の2回、1回1時間程度の乗船です。
事前申し込み制なので、お早めに。期日は本日、10/29までです

詳細は、第25回全国豊かな海づくり大会ホ-ムペ-ジへ
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/umidukuri/top.htm
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[イベント情報]
●ベイサイドマリーナアマモ場再生イベント:11月6日(土曜)受付9:30-
http://www.amamo.org/
●小田原さかなまつり:10月31日(日曜)
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/suisan/event/event2.html
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[最近のホームページ更新情報(10月20-27日)]
・市場を歩く!その壱を掲載しました。新コ-ナ-です。
・漁況情報・浜の話題No04-18(平成16年10月19日号)を掲載しました。
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[編集後記]
 釣客伝には、「船宿(ふなやど)」という言葉も登場します。この本を読む
までは、釣船を専門にする業者は、昭和初期頃横浜市金沢周辺で登場してきた
と思っていたのですが、さらに遡るのですね。
 現在、多くの方が楽しまれている釣りですが、いろいろ調べるとその奥深さ
に驚かされます。
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

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