神奈川県水産総合研究所 メルマガ076

掲載日:2014年3月14日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.076 2005-1-14
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□□研究員コラム
・ファイティングマダイ(栽培技術部 一色 竜也)
・「サバッコ釣り」のその後(資源環境部 岡部 久)
□「かながわ 海・さかな塾」のお知らせ
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○ファイティングマダイ
 マダイの稚魚を使って実験を行うために、300リットルの水槽に20尾ほど飼
うことにした。

 しばらく飼って観察してみると、稚魚に個性があることに気がついた。

 いつも水面まで来て餌を食べる奴、水槽の底で餌をとる奴、盛んに泳ぎまわっ
ている奴。

 その中で大変目立つ魚がいた。辺り構わず喧嘩を仕掛ける奴である。(写真1
 餌を欲して浮かんできた水槽の中のマダイ)

 こいつに喧嘩を仕掛けられると他の魚は一目散に逃げた。逃げる前に避ける
奴もいた。
 でも中には、この魚に戦いを挑む奴もいた。

 その闘い方は、お互いに口と口で激しく何度もかみ合いぶつかり合っていた。

 口の大きさはお互い相手の頭をかみ切るほど大きくないので、そのうちピタ
リと申し合わせたように止めてしまった。

 興味深いので、暫くこの魚の動静に注目してみた。他の魚とは見分けが付く
ので見間違うことはない。

 その特徴とは体側に薄っすらと横縞模様が出ているのである。(写真2 体
側に薄っすらと横縞が出ているマダイ ちなみに魚の横縞とは、頭を上にして
横方向の縞模様を言う。縦なら縦縞なのだ。)

 そういえば、コイツに戦いを挑んだ個体にも同じような横縞模様がみられて
いた。また、横縞がみられる魚が他にもいた。

 それは群の中でひときわ小さな個体だ。群の中でとにかく目立たぬよう、他
の魚を避けているようにも見えた。一番強気の魚と一番弱気の魚が同じ縞模様
を呈していることは興味深い。

 この縞模様、ストレスが与えられると出てくることが知られている。さらに
ストレスが強いと体色だけでなく特徴ある行動をとる。

 例えば、水槽から別の水槽に稚魚を移す等は稚魚に大変強いストレスを与え
ることになる。移された直後の稚魚は水槽の縁に横たわって動かなくなる。

 これを横臥行動と呼び、しばらくすると何事もなかったように泳ぎだし、横
縞模様も消えてしまう。

 横たわってしまうからといって、決して稚魚の状態が悪い訳ではない。むし
ろ元気な状態の稚魚にみられるそうだ。おそらく天然界で外敵を避けるために
稚魚が獲得した忌避行動なのだろう。

 闘争本能むき出しのファイティングマダイは、他の魚に対してなわばりを主
張してストレス感じていたのかもしれない。

 一方弱気なマダイは他の稚魚に対しストレスを感じていたと考えられる。こ
の魚、他の水槽に1尾で飼うと横縞模様が無くなった。

 海に放流したとき、ファイティングマダイが生き残るか、気弱な奴が生き残
るか興味深いところである。(写真3 放流を待つマダイ種苗)

マダイの写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p783424.html
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○「サバッコ釣り」のその後
 今年の7月にこの場でご紹介したサバッコですが、その後どうなったのか、
顛末をお話しします。

 あの時釣れたのは全部で36尾、12-16cmの稚魚でマサバが2尾混ざっていま
した。

 このサバッコを使って耳石という頭の中にある石に刻まれる輪紋が、1日1
本であるかどうかを確かめるための飼育実験を行いました。

 ある時点の輪紋にマークするための薬品処理をはじめたとき、事件が起こり
ました。
 サバッコを収容した500リットルの円形水槽に薬品を投入し終えた瞬間、水
槽の近くにあった飼育施設の非常用電源のエンジンが回りだしました。

 「ドスドスドス、ドンドンドンドンドン・・・・」とけたたましい音と振動
が起こり、思わず耳をふさぎたくなるような状況になりました。
 ふと水槽を見ると、「コンコンコン、バシャバシャ」という音がします。魚
が狂奔してしまったのです。あっという間の出来事でした。

 エンジン音がやみ、所定の処理時間が過ぎて薬品を抜いてみると、36尾いた
サバッコが4尾になっていました。

 目の上の骨が盛り上がるように折れています。ショックによる激突死でした。

 後で聞くと、あのエンジン音は非常用電源の点検で、ほんの1分の運転時間
でしたが、なんとタイミングの悪いことか。知っていたら実験は延期していま
す。かわいそうなことをしました。

 生き残った貴重な4匹のうち1匹はマサバ、3匹はゴマサバでしたが、両種の
稚魚期では耳石に形成される輪紋は1日1本であると考えられるデータをとるこ
とができました。
 死んだ魚も解剖し耳石の観察用に保存しました。

 耳石輪紋の計数によって何月何日に生まれたのかを知ることは、減ってしまっ
たマサバの資源管理を考える上でも大変重要です。

 この新しい発見を、耳石の処理から観察までの方法を教えてくださったマダ
ガスカル農畜水産省の森岡さんとともに、9月に琉球大学理学部キャンパスで
開催された日本魚類学会でポスター発表しました。     

サバッコ釣り(バックナンバーVOL.051)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583028.html
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[イベント情報]
水総研主催公開講座「かながわ 海・さかな塾」のお知らせです。
どなたでもご参加いただけますが、事前のお申し込みをお願いいたします。
日時:2005年2月26日(土曜)13:00-15:30
場所:三崎魚市場(三浦市三崎5-245-7)7F会議室
内容:
「さかな(魚介類)の生物学」
「地元のさかなの色々」
「ヘルシーで旨い「さかな」を食べる」等
○申し込み方法
 行事名、住所、氏名、電話番号を明記の上、2月23日(水曜)までにはがきか電
子メールで下記までお申し込みください。予定人員は50名、参加費は無料です。
神奈川県水産総合研究所公開講座受付
お申し込みはこちらのアドレスへ
suiken.1730@pref.kanagawa.jp

詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/sakanajuku/
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[イベント情報2]
「海の幸と人との共生」シンポジウムを開催します
日時:平成17年1月29日(土曜)13:30-17:20
場所:パシフィコ横浜アネックスホール

お申し込み方法他詳細はこちらをご覧ください。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/umidukuri/koubo_info.htm
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[ご意見募集]
どんなことでも結構です。ぜひ、いろいろなご意見をお寄せください。

○「かながわの魚」の制定について
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/20050106kanagawanosakana.htm
○「かながわ水産業活性化指針(仮称)素案」について
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/sisin/index.htm
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[編集後記]
 イベント情報でご紹介しております、「かながわ 海・さかな塾」は、一般
の方を対象とした公開講座です。受講いただいた方には、修了証もお渡しする
予定です。
 今後、年2回のペースで開講する予定となっております。
 ぜひ、多くの方にご参加いただければと考えております。
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