神奈川県水産総合研究所 メルマガ079

掲載日:2014年3月14日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.079 2005-2-4
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□□研究員コラム
・最後の海苔養殖試験(企画経営部 高間 浩)
・種苗生産を支える名脇役(7)(山田 敦)
□「かながわ 海・さかな塾」のお知らせ
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○最後の海苔養殖試験
 近頃、新聞紙上で「復活アサクサノリ」、2005年度から「中国からのノリ輸
入解禁」など海苔に関する話題が載っていました。

 昭和46年に県に就職した私も海苔養殖試験に従事したことがあります。

 当時の勤務先は神奈川県水産試験場金沢分場というところで、現在の八景島
の対岸にあたる横浜市金沢区柴町に分場はありました。

 金沢分場では海洋観測、海苔養殖試験、東京湾の魚介類資源調査、公害調査
などの仕事を実施していましたが、なんと翌年には機構改革で廃場となり、城
ヶ島の水産試験場に移ることになりました。

 私は海苔養殖試験の道具一切を城ヶ島の試験場に送り、分場が保有していた
調査船に乗って(輸送がてら)城ヶ島に赴任しました。

 当時は、波が比較的荒くノリひびが立てられない地域で浮き流し施設による
海苔養殖技術を開発することを目的に試験を実施していました。

 入りたての私は養殖技能員の職員さんに手取り足取りされながら(本当は足
手まといか?)冬場の寒い時期に海苔づくりに励みましたが、城ヶ島では冬の
波浪が激しく、海苔がちぎれ丸葉になり、少しも良い海苔はできませんでした。
(最高単価で一帖70-100円位でした)

 外海域の海苔養殖試験は、鎌倉(材木座)、逗子、金田湾、上宮田での普及
を果たし、昭和49年には終了しました。それ以後、海苔養殖試験は行われなく
なりましたので、私が最後の海苔養殖試験担当者ということになります。

 こうした外海域での海苔養殖も、昭和57年に金田湾、昭和59年に逗子、平成
元年に上宮田、平成9年に鎌倉地区が廃業し、今では見ることができません。

 現在の県内海苔養殖は、もともと実施されていた内湾性海域の横浜市柴・金
沢、横須賀市走水・大津、長井町地区で年間約2千万枚の生産をあげています。

(注)浮き流し養殖:
 海水表面にひびを浮かべて無干出でノリを養殖する方法で、本格的な普及は
1969年頃からである。
 その施設はノリ網用の枠を張り、これを海底に錨で固定し、ノリ網に浮子を
つけて海面に浮遊させる。
 無干出とはいっても収穫期だけであり、育苗期は定期的な干出を与える。
 支柱養殖では出来ない深所や風波の荒い沖合い域で行なわれている。海面か
らノリ網が出ないことから「ベタ養殖」とも言われることも多い。一般にノリ
の色調は黒く、製品も確りしているが、支柱養殖で採れたノリに較べて硬い。

昭和46年当時の金沢分場の写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p783399.html
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○種苗生産を支える名脇役(7)
 今まで飼育施設を紹介してきましたが、今回はその飼育環境を良好に保つた
めに使用する機材について少し紹介します。

 生物を飼育する場合、その生物の飼育環境の最適化を図ることが重要となり
ます。例えば熱帯魚を飼われたことがある方は、わかると思いますが水温を25
℃以上にするためにヒーターや制御機器等を、数多くの魚を飼育したい場合は
酸素濃度を安定的に高くするためにエアーポンプを準備します。

 同様にヒラメの種苗生産を行う場合にも、ヒラメ仔稚魚に適した環境(温度・
酸素など)を整えることが重要です。特に仔魚期では藻類や初期餌料を供給し
つつ、飼育槽内の環境を管理する必要があります。

 最初に温度、酸素濃度、pHを測る基本的な計測器について簡単にですが紹
介します。

 温度は、飼育生物の生理的作用に直接影響するので適水温を大きく外すと成
長・生残に関して明確に差が出てきます。

 使用しているのは長期の劣化が少なく精度の高い白金測温抵抗体型の温度計
です。これは温度変化に伴い抵抗値が変化する性質を利用したものです。

 酸素濃度も、生物にとって重要なものですが、特に仔魚期では酸素濃度のバ
ランスを取る作業がポイントとなります。

 使用している計測機器は、隔膜を透過した酸素が電極で反応を起こし、それ
による電流の値を測定する隔膜電極法を利用したものです。

 pHは、飼育水中の水素イオン濃度を現しますが、海水ではいろいろなイオ
ンが溶けているため値の変動は比較的小さいのです。

 しかし有機物が分解するときに発生するNH4+はpHとの関係で有毒なNH3に
変わるため監視する必要があります。(編注)

 使用している計測器は、ガラスの薄膜の内・外側にpHの異なる溶液があると、
薄膜部分にpHの差に比例して電力が生じるので、この電位差を計測するガラス
電極法を利用したものです。

 このように飼育環境維持のためにいろいろな計測器を使用しますが、迅速に
対応するためにはさらに携帯性、防水性も要求されます。
                       (栽培技術部 山田 敦)
(編注)NH4+:アンモニウム、NH3:アンモニア。
pHが8以上で、NH4+→NH3に変化。NH3の方が毒性がさらに強い。

いろいろな計測器
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p783409.html
種苗生産を支える名脇役:バックナンバー一覧
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/mailmag/seisan_index.asp
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[イベント情報]
水総研主催公開講座「かながわ 海・さかな塾」のお知らせです。
どなたでもご参加いただけますが、事前のお申し込みをお願いいたします。
日時:2005年2月26日(土曜)13:00-15:30
場所:三崎魚市場(三浦市三崎5-245-7)7F会議室
内容:
「さかな(魚介類)の生物学」
「地元のさかなの色々」
「ヘルシーで旨い「さかな」を食べる」等
○申し込み方法
 行事名、住所、氏名、電話番号を明記の上、2月23日(水曜)までにはがきか電
子メールで下記までお申し込みください。予定人員は50名、参加費は無料です。
神奈川県水産総合研究所公開講座受付
お申し込みはこちらのアドレスへ
suiken.1730@pref.kanagawa.jp

詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/sakanajuku/
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[イベント情報2]
海苔フェスタ2005in走水
平成17年2月6日(日曜)「海苔の日」午前10時より午後1時まで
横須賀市走水2-698-4 横須賀市東部漁業協同組合 走水大津支所
1)海苔サンプルの無料配布
2)「海苔すき」体験教室(無料)
3)昔の海苔作りパネル展示
4)新海苔、新ワカメ販売 等

http://www.hashirimizu-ohtu.com/

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[イベント情報3]
全国豊かな海づくり大会三浦地域大会シンポジウム
「海のめぐみ・魚食文化の創造」が開催されます。
日時:平成17年2月26日(土曜)13:00-15:00
場所:三浦市「うらり」市民ホール(入場無料)

詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/umidukuri/schedule.htm
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[ご意見募集]
どんなことでも結構です。ぜひ、いろいろなご意見をお寄せください。
(2月7日までです。ご意見がある方はお早めに。)
○「かながわの魚」の制定について
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/20050106kanagawanosakana.htm
○「かながわ水産業活性化指針(仮称)素案」について
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/sisin/index.htm
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[最近のホームページ更新情報(1月26日-2日4日)]
市場を歩く!その二十一から二十七を掲載しました。
内容→横須賀市東部漁協、小田原魚市場、佐島漁港、横浜市漁協、長井漁港、
小田原市場、横須賀市大楠漁協及び番外版(ヒラメ・ホシガレイ種苗生産
が始まりました)
漁況情報・浜の話題No05-01(平成17年1月26日号)

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[編集後記]
 No.77の記事「有効利用?ゲテモノ食い?」にたくさんのコメントをいただき
ました。写真のインパクトのおかげでしょうか(特にイソギンチャク)
 いただいたコメントは、すべて記事を書いた者に目を通してもらっておりま
す。また送信者の情報を削除した上で、所内で閲覧させていただいております。
感想、ご意見等よろしくお願いします。

No.77の記事 
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582974.html

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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

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