神奈川県水産技術センター メルマガ118

掲載日:2014年3月11日

-- Fish-mag >゜)))< ------------------------
/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.118 2005-11-18
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□□研究員コラム
・お父さん、ありがとう!     (栽培技術部 工藤孝浩)
・漁師の目             (企画経営部 清水顕太郎)
----------------------------------------------------------------
○お父さん、ありがとう!
                   (栽培技術部 工藤孝浩)

 アマモ場の再生事業では、これまでに子供を対象としたイベントを何度も行ってきましたが、今の小学校は色々とあるようで、先生が休日の校外活動に児童を連れ出すのは難しいのだそうです。そこで、多くの場合はお母さんが子供につきそって来ます。


 10月23日(日曜)に当所の陸上水槽で苗を育てるための苗床つくりと苗床への種まきのイベントを行いましたが、いつもとは雰囲気が違いました。お父さんが大勢来てくれたのです。


  苗床作りで最も気を遣うのは、気泡の排除です。砂中の気泡は発芽率を著しく低下させるため、苗床づくりは常に海水を含んだ砂を扱う重労働です。今年は、購入した川砂を1ヶ月前から30袋の土嚢に詰めて海中に沈めておきました。それをスタッフが潜って引き揚げると、お父さんたちが集まってきました。


  土嚢の海水を切らさないよう一旦水槽に収容し、土嚢から砂を取り出し、腐葉土をふるいにかけて砂とブレンドし、ブラスチックのコンテナに詰め、海水中でコンテナを激しく振とうさせて気泡を追い出します。この一連の力仕事にお父さん全員が取り掛かってくれたのです。


 父親が汗して造った苗床に、子供たちが指で穴を開けて種子を数粒ずつ入れて埋めます。1つの苗床にまく種子は300粒、小さな種子を扱うのは子供の小さな手がいいのです。父子の共同作業によって、昼には40個の苗床全てが完成しました。


 今回はドライブがてら城ヶ島にやって来たらしい家族が多かったので、無理やり運転手に駆り出されたお父さんもいらっしゃったはず。それでも、男手が必要な作業を見過ごすことなく、腕まくりで頑張ってくれました。その姿は、きっと子供やお母さんの目に頼もしく映った事でしょう。


「明日パソコン打てるかな」と腕をさすりながら家路につくお父さんの後ろ姿に思わず最敬礼です。「ありがとうございました。こりずにまた来て下さいね」。


写真 苗床つくり風景
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p782060.html
-----------------------------------------------------------------
○漁師の目       
                     (企画経営部 清水顕太郎)

 仕事柄、漁業者(漁師さん)といろいろと関わり合いになりますが、そこで驚かされるのが「漁業者の目の良さ」です。視力だけではない「なにか」があるんです。


 いくつか例をあげてみますと、昨年か一昨年の秋口のことでした。台風が接近しつつある中、出漁していた漁船がぼちぼち時化を避けて港に戻り始めていました。そのとき私は三浦市宮川町の宮川大橋から、知り合いの漁業者と一緒に時化はじめた海を見ていました。そこで、その漁業者がかなり遠くをさして「あの辺りを漁船がこっちに向かって走っている」と言うのです。曇天であまり見通しもきかず、風も強まっており、そこかしこで白波が立っています。言われた辺りを目をこらしてよく見ても波は見えても漁船なんか見えません。


 なぜそんなことがわかるのか?と尋ねたところ、「船そのものではなく、船が作る波を見ている」とのことでした。なるほど・・と思い改めて見たところ、周囲と波の立ち方が違うのが私にもやっとわかりましたが、種明かしをしてもらえなかったら、その漁船がかなり近づくまでわからなかったことでしょう。


 以上は私みたいな凡人でも種明かしをしてもらって何とか見えた・・というお話でしたが、次は全くわからなかったお話です。


 先日、相模湾に来遊するメジ(メジマグロ:マグロの幼魚)の調査のお手伝いで横須賀市長井の漁業者の船に乗り込んだ時のことです。調査は曳き縄という漁具(釣具)でメジを釣り上げ、標識をつけて再び海に放すというものでした。


 曳き縄には潜航板というものが取り付けられ、その先に疑似餌がついています。これを適当なスピードで走らせた漁船で曳航するのですが、潜航板は水の抵抗で潜るとともに激しく動き、疑似餌を魅惑的に躍らせます。この疑似餌に魚(メジやカツオ・シイラなど)が食いつくと潜航板が反転して浮上し、魚がかかったことがわかるのですが、かかった魚が小さかったりすると潜航板が浮かんでこないことがあります。その漁業者はそんな状態がわかるのです。「魚がかかっているからあげて-」と言われて漁具を引きあげてみると、なるほど小さなシイラがかかっている・・ということがたびたびありました。


 何でそんなことがわかるのか?と尋ねたところ、「(海面上に出ている)釣り糸の動きが違う」とのことでした。なるほど・・と、目を凝らして釣り糸を見張りましたが、私や主任の調査員はその違いが全くわからず、顔を見合わせて「????」という状態でした。


 拙い文章で申し訳ありませんが、雰囲気だけでもおわかり頂けましたでしょうか?とにかく、同じ景色を見ているとはとても思えない・・という経験が結構あります。「漁師の目」には視力だけではない「なにか」があるとしか思えません。修行を積んで何とか「漁師の目」に近づきたいもんだなぁと思います。


-----------------------------------------------------------------
[編集後記]

毎週のようにお知らせしておりますが,いよいよ明日19(土曜)および明後日20(日曜)に横浜市のみなとみらい地区で第25回全国豊かな海づくり大会が開催されます。当日は盛りだくさんのイベントが予定されていますが,20日の13:30からは同地区にあるぷかり桟橋で竣工したばかりの本センターの漁業調査指導船江の島丸(105t)の一般公開が行われる予定です。皆様のお越しをお待ちしております。

-----------------------------------------------------------------
■水総研メールマガジン(毎週金曜日発行)
■配信の変更、解除は、こちらから↓
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/mailmag/

発行:神奈川県水産技術センター 広報部会
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

-----------------------------------------------------------------

メルマガTOPへ

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター です。