神奈川県水産技術センター メルマガ124

掲載日:2014年3月10日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.124 2005-12-30
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□□研究員コラム
・タナゴ・ドブガイ・ヨシノボリの微妙な関係
                 (内水面試験場 勝呂尚之)
・調査あれこれ3
               (内水面試験場 山本裕康)
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○タナゴ・ドブガイ・ヨシノボリの微妙な関係
  (内水面試験場 勝呂尚之)

 ミヤコタナゴ(写真1)と言う魚、昔は関東地方に広く生息していました。しかし、生息地減少のため、国指定の天然記念物に指定されました。本県でも相模川・鶴見川などにいましたが、現在は完全に自然水域から姿を消しています。その原因は、川の水の汚れとか、川のコンクリ-ト化等、さまざまですが、最大の要因は、淡水産の二枚貝がいなくなったことです。


本種はドブガイやマツカサガイなどの二枚貝に卵を産みます。貝の殻ではありませんよ。長い管(産卵管という)を使って、生きた貝の鰓の中に産卵します。ふ化した赤ちゃんタナゴは、目も口もなく、まるでウジ虫のようですが、貝の中で1月ほど生育し、泳げるようになると自力で貝から出てきます。


タナゴにとって貝は絶対必要な自然のゆりかごなのです。他方、貝にも魚が必要です。ドブガイの仲間は、赤ちゃんの時に魚に寄生します。自分の子供たち(グロキジュウム幼生)を鰓内でふ化させ、付近を通る魚たち、主にヨシノボリ類にくっつけます(写真2)。1週間くらい寄生した後、魚から離れ、親と同じように川底で生活します。


現在、内水面試験場ではミヤコタナゴの保護・復元に取り組んでいます。既に人工的に増やす技術は確立し、大量生産が可能となりました。最近は、失われた生息地を復元するため、試験場の水辺ビオトープや横浜市内のため池で放流試験を実施しています。


タナゴ・ドブガイ・ヨシノボリが微妙な関係を保つ環境を復元するわけですからたいへんです。しかし、各試験池とも毎年、多数の稚魚が浮上するなど研究成果があがっています。皆さんが自然水域でミヤコタナゴに会える日もそう遠くないことでしょう。


ミヤコタナゴを自然水域に復元すること・・・・それはまさに「神のわざ」、河川の生態系を復元することなのです。


写真1 ミヤコタナゴ雄
写真2 ヨシノボリの鰭に寄生したドブガイの幼生
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p781682.html
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○調査あれこれ3
  (内水面試験場 山本裕康)

 メルマガ読者の皆様は、カマキリという魚はご存知でしょうか?アユカケともいわれるカジカの仲間です。(神奈川県では絶滅危惧種に指定され、当場でも保護に努めています。)なぜこのような質問をしたかというと、勤続3年目の1999年秋に、この魚とある調査について私の認識が変わる出来事があったからです。


 毎年、行っているアユ資源量調査の中にアユの産卵場調査と降下量調査というものがあります。産卵場調査は地味な、降下量調査は、寒くて眠い調査というのが、それまでの認識でした。


 簡単に調査の内容を説明しますと、産卵場調査とは言葉通りにアユが産卵した場所、時期などを把握するため、川底の砂利をタモ網ですくい取って産着卵を確認していくものです。降下量調査のほうは、川から海へ下る仔アユの量を把握するため、河口から少し上流の地点で夕方から朝にかけた夜間にプランクトンネットを一定時間間隔で設置・回収して仔アユを採捕する調査です。この説明で私の認識が少しは想像できますでしょうか?時季も晩秋から冬ともなると冷え込みが厳しくかなり堪えるのですよ。


 話をアユカケに戻しますが、アユカケの調査もこの時季ではなく、夏の夜間に箱めがねとライトを使用して川の瀬を横一列になって、下流から上流に向けて確認していく人海戦術をとっていたのですが、1尾のアユカケを見つけるのも難しかったです。そのような経験上の認識が、この年に変わったのです。


 この年の相模川では漁業組合員の方から、釣りや投網でたまにアユカケらしき魚が捕れるという情報を得てはいたのですが、アユカケ調査ではそれほどでもない結果でした。そのような中、降下量調査の休憩時間に気まぐれで、何か魚がいないかなーと、箱めがねとライトで探索を開始してまもなく、1尾目のアユカケを発見、捕獲に成功しました。立て続けに4、5尾のアユカケを捕獲。魚捕りが好きな私としては、寒くて眠いことさえ忘れるほどの事件でした。


 この年の捕獲数は50数尾に達し新聞記事にもなりました。昼間に行う産卵場調査時にも、石に隠れていたアユカケを砂利と一緒にすくいあげ、「アユカケが捕れた!」の第一声は同行した職員に実物を見せるまで信用されませんでした。この時の捕獲地点は、今までに捕獲記録のない上流地点でもあり、自慢の出来事です。(補足ですが、本来のアユ資源量調査も手抜きはせず、しっかりとやっています。)


当場H.Pのカマキリ(アユカケ)のページ
http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/fishfile/kamakiri.html
写真1 産卵場調査で混獲されたアユカケ
写真2 産卵場調査風景
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p781685.html
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[最近のホームページ更新情報(12月30日)]
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[編集後記]

 平成17年の最終号をお届けいたしました。一年間ご愛読ありがとうございました。

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そして来年の海と川の安全と豊漁を祈願!</P>
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