神奈川県水産技術センター メルマガ139

掲載日:2014年2月27日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.139 2006-4-14

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.139 2006-4-14
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□□研究員コラム

  • ・アワビ資源回復計画  (栽培技術部 照井方舟)
  • ・海況情報とインターネット  (資源環境部 樋田史郎)
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○アワビ資源回復計画

                    (栽培技術部 照井方舟)

 「資源回復計画」ってご存知ですか?漁業者が獲っている魚介類の中には、資源が大幅に減少してしまったものがあります。「資源回復計画」とは、このような魚介類について、漁獲の規制や種苗の放流など資源量を回復させるための方策を示したもので、漁業関係者や公共団体などが一体となって策定するものです。

  我が県では「神奈川県三浦半島地区アワビ資源回復計画」を策定しました。では、なぜ神奈川県では「アワビ」なんでしょう?

 かつて神奈川県のアワビ漁獲量は年間100トンを超えていましたが、減少を続け、この10年は、年間10から20トンの間で推移しています。

  アワビは栽培対象種として稚貝放流が行われており、現在水揚げされているアワビの9割以上は放流貝が海で大きく育ったものです。放流アワビの水揚金額は、稚貝を放流するのにかかった経費の6倍程度あり、放流事業としては成功していると言えます。しかし、このままでいいのでしょうか。天然の海にはもっと大きな生産力があると思っています。

  アワビは11-12月頃に産卵します。雌と雄が別々に卵と精子を水中に放出し、それが混じり合って受精します。雌と雄の距離が離れていると受精の成功率が低くなります。そこで親貝の密度を増やし、雌と雄の距離を近づけ、受精の成功率を高めようと考えました。それを実現するために、漁業者自らが禁漁区を定め、そこに種苗放流を行い、親貝場を造成することとしました。これが神奈川県における「アワビ資源回復計画」です。

  3月に計画を策定し、公表したところ、多数の漁協から参加の申し出がありました。この計画では、禁漁区に稚貝を放流し、それが親となって子供を産み、それが禁漁区の外で大きくなって漁獲されるのを待つといった非常に気の長い計画です。5年では目に見えた効果は現れません。10年位で水揚げアップといった目に見える効果が出てくるものと期待しています。

  水産技術センターでは、放流適地の選定や水揚状況、放流貝の混獲率等を調べると共に、潜水調査などによって、親貝や稚貝の生息状況、浮遊幼生(0.3mm程度)の出現状況、また、外敵生物や餌となる海藻類の繁茂状況等を調べ、事業の見直しや継続を判断する材料に生かしていきます。

  漁業者の方々が漁場を減らすことになる禁漁区を自ら設ける上、自分たちで種苗を購入して放流する。漁業者の皆様がそれだけ頑張っている訳だから、この計画を失敗させる訳にはいきません。水産技術センターとしてもできる限りの協力をしていきたいと思っています。

※資源回復計画
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/tyosei/awabi_keikaku.html
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○海況情報とインターネット

                    (資源環境部 樋田史郎)

 いつも海況情報をご利用いただきありがとうございます。

  海況情報は、第一に「今」の観測値を利用していただいています。そして、より詳しく海況情報を利用する場合、例えば今日の三崎は、例年と比べてどうか、数日来どのように変化しているか、他の場所と比べてどうか、といったことが注目されます。

  これらの比較については、従来の方法として、利用者が資料をたくさん揃えて研究するという解決方法がありますが、大変です。いろいろな種類の資料(海況図や観測値等)を過去のものからコンピュータに溜めておくと、手軽にいろいろな切り口から閲覧できるようになり、そのような比較検討が便利になります。これをインターネットで提供することで、多くの利用者に手軽に詳しく海況資料を閲覧してもらえるようになります。例えば、「一都三県漁海況速報」で伊豆諸島の水温分布を眺め、同じ日の「東京湾口海況図」で三浦半島の水温分布を詳しく見る、あるいは、1ヶ月分の海況図をまとめて眺めて海況変化を知るといった使い方がインターネットを利用することで可能となりました。現在の海況情報は、このようにインターネットの利点を活用して提供しています。

  さて、インターネットで海況情報はどのように利用されているか?海況情報提供の取り組みは有効だったか?気になるところです。そこで、利用状況を詳しく調べました。例えば・・・ 当所のホームページの中では「一都三県漁海況速報」が最も多く利用されていました。そして、それに引っ張られる形で、当所のトップページの利用が増えてきました(現在では県の農林水産系機関のトップになっています)。曜日と時間で利用状況を調べると、海況図は月曜から金曜の12時-13時の1時間、つまり職場や学校の昼休にたくさんの利用が集中していました。リンク元を調べると、釣関係のホームページのリンクからの来訪が大多数を占めていました。このように、多くの県民の皆様にも広く利用されていることが詳しく分かりました。ところで、本来の水産業の利用は圧倒的な県民の皆様の利用にかくれてしまいそうですが、例えば一般の方が利用するとは思えない平日の未明に海況データが多く利用されている等、漁業者にも日々活用されている実態をつかむことができ、一安心しました。

 ※一都三県漁海況速報・1ヶ月分表示

 ※ホームページの利用状況の研究報告 (pdf,3MB)

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[編集後記]

  春は恋の季節、魚たちの産卵もこの時期に多くなります。
 本センターの種苗生産部門も生産作業に追われる日々が続いております。

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