神奈川県水産技術センター メルマガ143

掲載日:2014年2月26日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.143 2006-5-12

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.143 2006-5-12
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□□研究員コラム
・相模湾でのクラゲの出現状況と漁業への影響 (相模湾試験場 木下 淳司)
・「世界初」のアユ研究 (内水面試験場 原 日出夫)
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○相模湾でのクラゲの出現状況と漁業への影響
                    (相模湾試験場 木下 淳司)

  クラゲの大発生といえばエチゼンクラゲがその代名詞です。ところが東京湾や瀬戸内海等の内湾域では,クラゲの大発生が50年近く続いています。これは我が国沿岸が富栄養化した時期と一致します。発生するクラゲの種類は,ミズクラゲ,アカクラゲ,ユウレイクラゲ,ビゼンクラゲ,クシクラゲ類等です。

  相模湾でも定置網等へクラゲが大量に入網する場合が見られます。そこで私たちはクラゲの発生状況と漁業への影響を把握するため,定置網漁業者を主な対象としたアンケート調査を行いました。その結果ミズクラゲの大発生が,少なくとも過去20年間,湾内全域で起きていました。アカクラゲの大発生は湾東部から報告がありました。アンドンクラゲは湾西部で増加しているとの回答がありました。カブトクラゲを主体とするクシクラゲ類も定置網に多数入網する場合が見られました。

  クラゲによる被害は,網締めに時間がかかり魚が弱る,魚がクラゲに押し潰される,魚艙内にクラゲが多数混入して氷が効かず鮮度が落ちる,選別に要する時間が長くなり鮮度が落ちる等,「魚が傷む」と「操業の邪魔になる」が複合したものでした。クラゲが多い季節は春から夏でした。これは定置網漁の最盛期と重なるため経済的損失が大きいと考えられました。そのうえクラゲが大量に網に入った状態で速い潮流が発生すると,網の流水抵抗が高まり,網の全損等の大きな被害が発生する危険が高まると考えられました。

  今後の研究課題として,クラゲの定置網への入網機構の解明と防除対策,選別技術の開発,発生量と時期の予測等が考えられます。

  クラゲの生態について詳しく知りたい方は「安田徹編,海のUFOクラゲ -発生・生態・対策-,恒星社厚生閣」を,私たちの調査結果は「日本プランクトン学会報 第52巻 第1号(2005), p. 20-27」をご覧ください。


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○「世界初」のアユ研究
                    (内水面試験場 原 日出夫)

  自動車や電化製品などのCMで「世界初の○○」とか「世界最高水準の××」というフレーズを耳にします。このとき私は「きっと,その製品は素晴らしいのだろう。」とか,「その会社には世界的に優秀な研究者がいるのだろう。」と思います。このフレーズは多くの研究者が憧れる言葉です。

  話は変わって,6月1日は多くの河川でアユ釣りが解禁します。たくさんの釣り人が立ち並び,若アユが銀輪を躍らせ次々と針に掛かる様子は風物詩となっているのはご承知のとおりです。アユという魚の世界的な分布をみると,日本の他,朝鮮半島からベトナム国境近くまでの中国大陸沿岸部とされております。最近,中国や韓国でもアユの養殖が始まったと聞きますが,アユの研究はやはり日本が中心と思います。このことからお分かりのように,例えば,「初めてアユの○○を解明!」とか,「初めてアユの××病の治療法を開発!」となると,そのほとんどが「世界初」と同じ意味を持ちます。あたりまえといえばそれまでですが,「今,自分が取り組んでいるこの研究は世界唯一のものだ。」「研究成果が出た場合,世界初となる。」そう考えるとモチベーションがググッと上がります。ただ,ネガティブに考えると世界的にはマイナーな研究とも言えますが・・・。平成16年漁業養殖業生産統計によると我が国のアユの漁獲量及び養殖生産量は合計で1万4千トン超えており,日本ではとても重要な魚種です。私はポジティブに考え,世界初の研究成果を目指して研究に取り組みます。


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[編集後記]

  新緑の季節,木々の緑が息吹,目に潤いを与えてくれます。
 デスクワークが多い方は、たまには近くの書類から目を離し,身近にある木々の緑を眺めてはいかがでしょうか。
 そんな時に感じるほっとした気持ちは,目にも心にもよいのではないでしょうか?

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