神奈川県水産技術センター メルマガ144

掲載日:2014年2月26日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.144 2005-5-19
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□□研究員コラム
・アユの選別作業 (内水面試験場 相川英明)
・『トランス状態(?)で・・・・』 (内水面試験場 相澤 康)
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○アユの選別作業
                    (内水面試験場 相川英明)

 前回はシラスの時期の大小差について触れましたが、今回は稚魚期以降のアユの選別作業について書かせていただきます。

  稚魚期以降でも池の中で大小差が次第に生じてきますが、シラスの時期と異なり、共喰いで尾数が減ることはありません。しかし、アユの魚病研究、とびはね能力、なわばりを持つ能力などアユの性質等に関する研究の実験魚として用いるためには、アユの大きさを揃える必要があり、選別作業を行います。

 選別作業はアユを池から取り上げ、底面がスリットになった木箱にアユを入れ、スリットを通過するものを小、通過しないものを大と分けていきます。

  アユの場合、スリットの幅が3mmでは大は0.6g/尾(平均体重、以下同様)、小は0.3g/尾に分かれます。同様に4mmでは大は1.4g/尾、小0.6g/尾へと、5mmでは大は2.5g/尾、小1.5g/尾へと分かれ、スリットの幅の差がわずか1mmでも、選別後のアユのサイズは大きく異なります。

 そのため、ある群を大と小に分けようとしても、池で泳いでいるアユの大きさを正確に判断しないと、片方の群が極端に多くなってしまいます。

  また、池からアユを取り上げる時に、まず先に逃げ足の遅い小型のアユから掬えますので、選別作業の前半は小の割合が大きく、後半は大の割合が大きくなります。作業の途中では、どのくらいの比率で大と小に分かれるかはっきりせず、結局、最後の取り上げた時点でないと分かりません。

  シラス時期の選別では、アユがデリケートなため神経を使いますが、それ以降の飼育過程の選別でも取り上げたアユが予想どおりの数量の群に分かれ、あらかじめ準備しておいた池にうまく収まるかどうかという点で難しいところがあります。


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○『トランス状態(?)で・・・・』
                    (内水面試験場 相澤 康)

 トランス状態とは何でしょう?調べてみると「催眠などの場合にみられる、常態とは異なった精神状態。宗教的儀礼の忘我・恍惚の状態にもいう。」とか「忘我とは、物事に心を奪われて自分を忘れること。夢中になること」、なんて事が書いてあります。心理学の難しいタームでしょうから、正確なところは皆様も調べてみて下さい。

  にわか勉強で話を進めるとして、とりあえず、ここでは、夢中になった末に時間の感覚もなくなってしまう、こんな体験談をしましょう。試験場で仕事をしていると、このような感覚に捕らわれることがあります。例えば、分析の作業で。

  アユが川にどれだけ生息できるのかを調べるのに、最近では、餌となる付着藻類の量と藻類の成長速度から考える方法が用いられています。これらを調べるには、強熱減量分析を行います。藻類サンプルをろ紙で濾して乾燥させ、そのろ紙を焼いて軽くなった分を有機物の重さとして、藻類の量などを評価する、平たくいうとこんな感じの分析なのです。

  目の前に大量のサンプル瓶があります。ろ紙の重さを計って、ろ過器でサンプルを濾して・・・・・と、一連の分析作業を行ってきます。最初は手間取っていたものが、徐々に段取りがよくなって、淀みなく作業ができるようになる。そして、そのうちに機械的に作業を進めるようになってきます。夜の人気のない実験室では時計が時を刻む音、ガラス器具のカチャカチャ鳴る音、恒温器のブーンという唸るような音が冴えて、ますますトランス状態(?)に誘います。作業のスピードは速くなって、サンプル瓶がドンドン空になっていく。「よしよし、いい感じで処理できている。」とニンマリ。満足感に浸れる時間です。しかし、ここで注意しなくては!時間の感覚がなくなっていることをお忘れなく。気が付くと深夜間近、終電もなくなる時間となってしまいます。まだ、実験室でお泊りはないですが、分析中は何回も終電のお世話になってしまいました。

  皆様もこのような体験、感覚をお持ちになったことはあるかと思います。いかがですか?ところで、トランス状態については、松岡圭祐著の「催眠―Hypnosis」の中の描写が面白ですね。そういえば、スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督作品でジャック・ニコルソンの怪演が印象的な映画「シャイニング」の主人公はMr.トランスだったなぁ-。

・・・もしかして、この原稿もトランス状態(?)で書いていたりして・・・・・ -----------------------------------------------------------------
[編集後記]

  5月25日に本センター(城ヶ島)で業績発表大会を開催いたします。
 我々の日頃の研究成果を広く知っていただくために開催するものです。
 ご興味のある方は是非いらしていただければ幸いです。
 詳細は以下をご覧ください。
 http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/Gyoseki-pr/H17/

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