神奈川県水産技術センター メルマガ155

掲載日:2014年2月25日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.155 2006-8-4

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.155 2006-8-4
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□研究員コラム
○回収率50%を願って「サザエ」      (栽培技術部 沼田 武)
○メルマガの発行  (資源環境部 高田 啓一郎)
〇神奈川県の漁業現場の紹介1 柴漁港周辺(横浜市金沢区)の歴史探訪
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○回収率50%を願って「サザエ」
                              (栽培技術部 沼田 武)

 相模の海には多種多様な魚介類が生息し、これら海の恵みによって多彩な漁業が営まれているとともに、多くの人たちが四季を通じて遊漁を楽しんでいる。

 三浦半島から相模湾にかけての沿岸岩礁域に生息するサザエは、磯根漁業の重要種であり素潜りや“みずき”、刺網により周年漁獲されているが、資源変動の激しい魚種であるため漁獲量は数年おきに増減を繰り返している。本県では、昭和39、40年に600トンもの漁獲があったが、近年は100-400トン台で推移しており、大量発生(卓越年級群)した翌々年から2-3年間は豊漁となるが、採りつくした後しばらくは不漁となっている。

 漁業者は、以前から漁獲を少しでも安定させたいと天然種苗の放流を行ってきたが、健全な種苗を大量かつ安定的に確保することが困難になってきたころから、「人工種苗の供給を」との要望が強くなってきた。

 これを受けて当センターでは、昭和63年から種苗生産技術の開発に着手し、安定量産が可能になった平成5年から種苗生産を事業化して、15ミリ種苗20万個の配布を開始した。その後、成長が良い、生き残りが高いなどと好評であるため増産するとともに種苗のサイズを引き上げて、毎年25-30mm種苗70万個以上を配布するに至っている。

 このサイズの種苗の回収率は30-40%であり、当初の経済効果(費用対効果指数)は3以上であったが、バブル崩壊後は魚価安のために漁業者の実入りはあまり芳しいものではなくなってきた。

 このままでは育てている当方としても甚だ面白くないので、さらに生産方法を工夫して30mm以上まで育成した種苗を配布するようにし始めた。「回収率よ、50%を超えろ!」と願って。


サザエ種苗量産技術開発の概要
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582844.html
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○メルマガの発行             
                                (資源環境部 高田 啓一郎)

 水産技術センターメールマガジン(メルマガ)をご愛読いただき有り難うございます。

 今回は、皆さんが読まれているメルマガをどのように発行しているのか簡単にご紹介します。

 原稿は、一部のセクションを除いた殆どの所員がローテーションにより執筆しています。投稿内容は、研究の紹介、海や魚のこと、現場の速報、研究員が日ごろ思っていることなどで特に制限はなく、執筆者の裁量に任されています。

 ローテーションを組んで執筆しますので、必ず年に数回は順番が廻ってきます。所員には、作文の得手・不得手、また、それぞれが研究している内容も、魚や貝のように書きやすいものだけでなく地味で中々書きにくいものもあるため、所員の中にはメルマガの原稿を書き溜めている羨ましい人がいる一方、私のように執筆の順番が廻ってくる度にウンウン唸る人も出てきます。

 発行業務は、当所の横断的グループである広報部会が当番制で行っています。当番となった広報部会員は、投稿された原稿をメール配信ソフトに登載するとともに、当所ホームページへの掲載作業を行います。広報部会員全員がITに通じている訳ではないので、これらの作業に慣れるまで大変な部員もいました。また、当番には、原稿提出の催促、配信登録の更新、メルマガへの質問対応などの作業もあり、当番期間中は気が休まりません。

 平成15年7月に始めたメルマガですが、配信を希望される方が年々増え、現在700名になっています。これからも、当所からの情報発信の大きな柱の一つとしてメルマガを活用していきたいと考えていますので、今後ともご愛読よろしくお願いいたします。


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〇神奈川県の漁業現場の紹介1 

 今回は、漁協紹介をお休みいたしまして、普及指導員である私が現場で感じたことなどについて紹介させていただきたいと思います。初めての試みなので、至らないこともあるかと思いますが、メールなどでご指摘、ご意見をいただければ幸いです。1回目は柴漁港(横浜市金沢区)周辺の歴史探訪です。

 普及指導員と言えば現場(市場、漁港、船上など)での対応が非常に多く、漁師さんとのコミュニケーションをとることが欠かせません。それでも難しいことが結構あります。まず、地域の名称の呼び名です。横浜市金沢区に柴(しば)という漁港があります。漁業者や市場関係者は小柴(こしば)と呼んでいます。何で柴ではなくて小柴と呼ぶのかと思います。これは探ってみる必要がありますね。

 次に漁村の漁師さんの名前です。柴の漁師さんの名前は、小山さん、森田さん、宍倉さん、窪田さん、斉田さんという苗字が非常に多いです。同じような苗字が多いと漁師さんの間では、船名、屋号、名前(苗字ではない)などで呼び合ってお互いのコミュニケーションをとります。苗字ではなくいきなり名前で言ってきたりするので、私自身、船名と名前がなかなかわからず会話についていけないときもありました。何故だと思う前にもっと勉強する必要がありますね。

 さて、いろいろ疑問が出てきたところで、ちょっと柴周辺の歴史的なことを探っていきましょう。先輩職員から金沢の歴史案内(家田洋文著 1991)という文献の写しを借りています。非常に勉強になるので、今まで何かあるたびに読み直しており借りっ放しです。この文献によれば天保の時代(1830-44)より柴村は通称小柴村と呼ばれています。この通称小柴というのは越場(こしば)で文字は後でつけたものか?とされています。長浜は長い浜の大漁村でその内に柴村落があり、大津波で流失の際、柴村落の一部の人が現在の住所へ移住して小柴と言ったのであろうともされています。また津波が起きたときに東山の大木の上から何人とも分からない大坊主が「こちらへ来い、こちらがよい、越場(こしば)の地である」と叫んだ。そこで一部の人たちは現在の土地へ移住してから小柴となったともいわれています。一部の人とは斉田家、小山家、森田家、宍倉家、窪田家の十八軒とも八軒とも言われています。

 この文献を読んでふたつのことが解決できたような気がしました。漁村に関することは、歴史的背景が結構関係しているものです。漁村における歴史的な事実は大変重要な資料とも言えます。漁村のことを事前にいろいろ知っておかないとある言葉が不思議に思えたり、漁村でいきなり会話が成立しなかったりと、ちょっとしたミステリーな世界に引き込まれてしまう可能性があります。それがこの仕事の楽しさのひとつでもあるのですが・・。

 柴漁港周辺は、海の公園、八景島など新しい観光名所という感じがしますが、歴史もあるところです。ちょっと漁村の裏道へ入って歴史探訪するのも楽しいものです。是非一度挑戦してみてください。

 柴支所周辺の写真などを掲載しました。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582845.html

柴漁港へは、京浜急行金沢八景駅から金沢シーサイドラインに乗り換えて、海の公園柴口駅で下車徒歩5分、JR根岸線新杉田駅から金沢シーサイドラインに乗り換えて海の公園柴口下車徒歩5分です。

                      (取材:企画経営部普及指導担当 鎌滝)

 (次回も漁業現場の紹介(普及指導員の現場百景)というイメージで写真ばかりを紹介していこうと考えています。漁業者や私達がいつも見ている風景ですが、普通の方はなかなか見ることの出来ない風景などを集めてみました。ご期待ください。)

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[編集後記]

8月2日に小泉首相が当センターを訪問されました。ヒラメやアワビ、アナゴ筒漁具等をご覧になりながら、栽培漁業や資源管理に関する所長の説明に熱心に耳を傾けられていました。普段は静かな城ヶ島もこの日ばかりはにぎやかでした。

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