神奈川県水産技術センター メルマガ162

掲載日:2014年2月21日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.162 2006-9-22
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□研究員コラム
○台風(T0612)の教訓 (相模湾試験場 石戸谷 博範)
○バラクーダ出現! (栽培技術部 工藤 孝浩)
〇神奈川県の漁協(漁業の現場)紹介35 (企画経営部普及指導担当 鎌滝裕文)
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○台風(T0612)の教訓 
                             (相模湾試験場 石戸谷 博範)  

 台風12号(2006年)は8月27日(日曜日)に日付変更線より東でハリケーンとして発生し、9月7日(木曜日)カムチャッツカ半島付近で低気圧になるまでの10日18時間を北西太平洋上を強い勢力で半円を描くように進行しました(気象庁台風経路図参照)。最低気圧は920Hpa、最大風速は55m/sで、本州に最も接近した9月5日(火曜日)でも、気圧965Hpa、風速34m/sを維持しました。

 本州からは500Km以上離れて通過したため、強風は伴いませんでしたが、大きなうねりを発生させ、(独)防災科学技術研究所平塚実験場の観測では、9月4日(月曜日)21時頃、波高3.44m、周期13.8秒を記録し、9月5日(火曜日)午前中は一旦やや穏やかに成りましたが、同日午後、再びうねりが高くなり15時頃には波高3.88m、周期15.0秒に達しました。

 このうねりは、三浦半島周辺では比較的穏やかに推移しましたが、西湘地区では大きな影響を及ぼし、定置網では垣網の固定具の損傷、海岸ゴミの入網、防波堤では手摺の脱落、船揚場では石や海藻の打ち上げが見られ、各浜では総出の後始末が行われました。

 足柄下郡湯河原町福浦では、漁港の防波堤を大波(写真 福浦定置撮影)が乗り越えましたが、漁船等に被害はありませんでした。

 台風が沖合を通過し、房総半島沿岸で強い北風が吹いた場合には、台風通過の翌日に相模湾で急潮が発生します。台風12号では、それを心配していましたが、幸いにも強風は吹かず、大急潮は発生しませんでした。しかし、遥か遠くを通過した台風でも、勢力が強い場合には、大きなうねりが発生し、水深10-20mと言った比較的浅い所に設置されている垣網などでは、激しい動揺による錨綱の切断や移動が発生しました。

 急潮では定置網本体、うねり等波浪では垣網の抵抗や動揺を削減する網撤去対策が重要であることを痛感いたしました。

 写真 台風12号の経路と様子 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p758016.html


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○バラクーダ出現!
  (栽培技術部 工藤 孝浩) 
            

 去る8月23日、当センターでは「夏休みこどもワクワク海体験」の一環として、「かながわの海と生物の教室」を開催しました。

 参加28名(うち小学生14名)を4つの班に分け、午前中に城ヶ島大橋下の通称「白秋碑前の磯」で生物の採集をしてセンターに持ち帰り、午後からは図鑑を使って名前調べをします。

 毎年同じ時期・場所で生物採集をするのですから、まさに定点観察です。今年はどんな生き物がみられるかと、私はこのイベントを楽しみにしています。

 採集を終えると、参加者は調査船「江の島丸」の見学に向かいます。その間に採集物が弱らないよう、私は数人のスタッフとともにバケツをリヤカーに乗せ、一足先にセンターに戻りました。

 水換え作業を手分けして行っていると、他のスタッフが「変な魚が採れている!」と声を上げました。

 見ると、見まごう事なきオニカマスの稚魚でした。

 オニカマスは、南洋でバラクーダ(人食い魚)としてサメ以上に恐れられているどう猛な大型魚です。稚魚はマングローブ帯などの沿岸域にすみ、まれに黒潮に運ばれて関東沿岸に現れることがあります。

 やっぱり今年もお宝発見です。多くの目で一生懸命に生き物を探し回ったのですから、その多くが子供だからといっても侮れません。

 私にとって、三浦半島で初めて出会った貴重なオニカマスの稚魚です。午後の名前調べが終わったら標本にさせて頂きましょう。しかし、私は午後から出張があり、魚に詳しい研究員に稚魚の確保を頼んで出かけました。

 翌日、私は思いきり落胆しました。稚魚がバケツ内で行方不明になったと言うのです。おそらく、同居していたカニに食われてしまったのでしょう。

 しかし、その日のうちにセンター裏の岸壁で、別のオニカマスの稚魚が発見されていました。研究員が長柄のタモ網で採集を試みるも、網目から抜けてしまったそうです。

 その数日後、アマモの調査でセンターの裏に潜ったところ、やっぱり稚魚はいました。しかも6尾も!うち2尾を採集し、念願の三浦半島産標本を得ることができたのです。

 実は、稚魚との遭遇は今回が初めてでしたが、全長1mを超える成魚にはセンターの裏で遭遇したことがあるのです。

 時は1988年6月のスノーケリング中で、ひどく潮が濁って視界が効かない中、いきなり至近距離で鉢合わせしました。あの時は本当に肝を潰しました。

 私が初めてオニカマスの稚魚を採集したのは、何と横浜市内です。1999年8月の金沢漁港内でした。その月には隣接する海の公園で、私の知り合いが稚魚の水中撮影にも成功しています。

 これから10月までは、南の海からのお宝に出会うチャンスが最も高まります。さあ、海辺に出かけましょう。

 写真 オニカマスの稚魚 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p758021.html

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〇神奈川県の漁業現場の紹介35 

 今回は、横須賀市東部漁業協同組合北下浦(きたしたうら)支所を紹介いたします。

 北下浦支所は、横須賀市長沢というところにあります。私の受け持つ担当区としては最南端に位置する漁協です。京浜急行の駅にも京急長沢駅がありますが、駅からそれほど遠くないところに漁協事務所があります。旧道沿いに事務所はありますが、この近辺の町並みはちょっと東京の下町っぽい感じがします。また、近くには長岡半太郎記念館、若山牧水資料館などがあり、綺麗に整備された野比海岸(のびかいがん)がやはり目を引きます。

 北下浦支所には立派な漁港があります。ただし、この漁港はまだ完成していません。台風などで大きな波が来ると漁港にいる漁船は避難しないといけません。海岸線にある漁港の宿命ともいえるかもしれませんね。天気が晴れていても、風が強いと漁に出られない漁業にはそんな厳しい自然を相手にしている商売です。

 漁師さんは野比海岸から北下浦漁港周辺、津久井までと広範囲にわたっています。どちらからといえば小さい漁船で漁を行っている漁師さんの方が多いです。この地区の主な漁業は刺網、一本つり、ワカメ養殖などのほか釣り船もあります。

 北下浦漁港の目の前には国道134号線が通っており、三浦半島ドライブなどでは、この漁港を簡単に目にすることができます。

横須賀市東部漁業協同組合北下浦支所
住所 〒239-0842横須賀市長沢1-3-15
電話 046-848-0046
行き方 京急線京急長沢駅より徒歩10分程度

 北下浦漁港周辺などの写真はこちらからhttp://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p758022.html

                      (取材:企画経営部普及指導担当 鎌滝)

 (次回は、普及指導員現場百景のその2です。実はその道の専門家にも聞いているのですが、未だによくわかっていなくて困っていることがあります。次回、どのようなことか写真でご紹介しますので、もし、見たことある、知っているという方がいましたらメールなどでご連絡をお待ちしております。)

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[編集後記]

 今年もさんまが豊漁でお店には安値で並ぶようになりました。旬の食材が味わえるのは水産物のよいところですね。

 神奈川県でも旬の水産物がたくさん水揚げされています。

 詳しくは当センターのホームページをご覧ください。

http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/Sakana/Calender/
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