神奈川県水産技術センター メルマガ168

掲載日:2014年2月13日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.168 2006-11-3
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□□研究員コラム
〇よもやま話 4
                    (企画経営部 村上 哲士)
〇城ヶ島の裸もぐりについて
                    (企画経営部 池田 文雄)
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○よもやま話 4
                    (企画経営部 村上 哲士)

 さて、前回では水産試験場(現水産技術センター)に転勤になり、仕事内容もがらりと変わって、またまた格好悪い話で終わり、そろそろ別の話にしようかと思ったのですが、この職場には意外と長く居させてもらいまして、仕事内容が種苗生産という一種職人芸的な事も関係しているのかも知れませんが、貝類担当として11年間勤務し、最も話題が多いところでもあり、もう少しお付き合いください。

 初年度は訳もわからずサザエの種苗生産に取組んだのですが、案の定、大敗を喫したのは前回のとおりです。しかし、2年目はそれなりなハードルは残っていたものの、前年に散々苦労したかいもあり、順風満帆とはいきませんでしたが、前の年のように採卵を11月頃まですることも無く(通常サザエの産卵期は夏です)、生産数量も前年の倍以上となり、担当者としてはホッとした次第です。私が転勤する頃にはサザエは60万個以上を生産できるようになりましたし、現在ではその数は70万個以上を安定的に生産しています。

 種苗生産の仕事を担当して感じた事は、生物そのものについての理解が必要な事、餌は何が好きか、一日や年間を通しての行動パターン等、調べだしたらきりが無い(それはそれで楽しいのですが)。また、趣味のように少数で飼育するのとは勝手が違います。数十万のオーダーで生産するには計画的かつ効率良く飼育管理を行う必要があり、生産準備から途中の飼育管理、漁協への出荷まで一連の行程を魚類生産と調整を図り(海水や水槽の使用等について)つつ、電気代などの経費をいかに節減するかに頭を悩ませました。

 また、種苗生産を行ううえで重要な海水や空気を供給するための施設の維持管理では、揚水ポンプ、ブロワー(水槽内で気泡を出す機械)やろ過器など初めて見る機械を教わりながら扱いました。停電時には機械はストップしますので、ブロワーを動かすためのエンジン始動 (真っ暗な中、懐中電灯で照らしながら手動でエンジンをかけるのは結構大変ですし、危ない!) 、台風の時などは波・風に備える準備等々、今までに経験した事の無いことばかりでした。今では、非常用発電機が設置されましたので、停電の時にブロワーを手動で動かさずに済むそうです。最も、最近は停電自体がほとんどないようです。また、機械類は使用しているうちに寿命がきます。それらの修理や更新の計画、当然お金がかかりますから、予算との調整等々で面倒なことでしたが、それをしないと維持管理になりません。完全な裏方仕事ですね。

 しかし、一番大変だったのはチームワークでしょうか。この仕事は一人では出来ません。当時は生産関係だけで十数名いまして、一応担当は貝類、魚類と別れていましたが、忙しい時はお互いに手伝う形です。今もそれは同じですが、人数は減っています(年齢構成は当時プラス十数年か・・・)。最初は、師匠もいましたので、まァ指示どおり動いていれば良かったですし、基本的には貝類主体で魚類はたまに手伝い、後は本来好きでした生き物を扱ったり観察したりですから、楽しいものでした(実は結構大変だったのですが)。

 状況に劇的な変化が訪れたのは、動くはずは無い(こちらの都合の良い思い込み)師匠が転勤になってからです。当時の生産現場で研究員は私が二番目(年齢的にも)でしたので、当然ながら現場の取りまとめ役は私に回ってきました。今までは乳母日傘でやれたのが、飼育している生物の状態把握はもちろんなのですが、施設のお守りに始まり、日々の仕事 (作業の質や量を勘案して各人への割振り等々)から年間のスケジュールの組立て(従来はせいぜい貝類関係だけだったのが魚類との調整も!) から他部署との連絡調整など、たった2年間でしたが改めて上に立つ人の大変さを思い知らされました。

 人には向き不向きは間違いなくあるでしょうし、それでも状況が許さない時には仕方ないのでしょうが、取りまとめ役としては少々役不足だったかなと思っています。それでも大過なくやれたのは、一緒に働いていた方々のお陰だと思います。もう退職された方、まだ現役の方、ありがとうございました。

 今回は今までに無く格好の良いところが出たと思ったら、情けない話も混ざってしまいましたが、今までと比べれば良いほうですかね。

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○城ヶ島の裸もぐりについて
                     (企画経営部 池田 文雄)

 三浦市の南端に城ヶ島がありますが、今回はこの城ヶ島の裸もぐりについてご紹介いたします。

 城ヶ島の裸もぐりは、城ヶ島漁労習俗調査によれば明治の頃、5月1日(海はまだ冷たいです)になると諸磯の地先へでかけたようです。諸磯とは入会いになっていたので入漁料は払うことはなかったと記録されています。城ヶ島における裸もぐりの解禁日は、明治の頃は6月1日から9月28日まででした。時期によりシャツ1枚を身につけて潜ることはありますが、字のごとくほとんどが裸でもぐります。

 裸もぐりで採るものは、地先の磯根資源(アワビ、サザエ、トコブシ、ウニ、テングサ等)で、採るものによって使用する道具(写真1)のコゾも異なります。また、現在の解禁期間は6月1日から9月20日までと以前とは少し短くなっております。

 城ヶ島の裸もぐりが他の地区と異なるところは、船上で体を休めるために「ヒドコ」というもの写真2(家庭の囲炉裏[イロリ]のようなもの)を船の中央に設置し、周りを板や藁で編んだむしろ等で囲いその中でたき火(マキは松を使用する、他のマキは使用しないなぜならばパチパチして火が飛び船に移る可能性があるからです。松は火が飛ばないから潜っていても心配ない)をすることで体を暖めて、もぐるということを数回繰り返しアワビ、サザエ、テングサ等を獲っています。たまには、採ったアワビ、サザエを焼いて食べることもあるそうです。

 潜って採った漁獲物を入れるものをスカリといいます。そのスカリ(写真3)は網で作った袋ですがこれをタルに結びつけます。タルが潜っている間流されないように数mの縄でタルと体を結びつけるか又は体の代りに道具(アワビ、サザエ等を採る道具)に縄を結びつけます。そのタルは「マゲダル」(写真1)といいます。これは潜っている時にタルの上で体を休めたり、漁獲物を保管したりするための重要な道具です。

 また、潜って作業を続けている時間は人により異なりますが約1時間以内で、船にあがり漁獲物をスカリから取り出し船のカメに移し1回目の作業が終ります。この作業の繰り返しを1日3回から4回ぐらい行った後と、港に帰って漁獲物を漁協に水揚げします。テングサの場合には船揚場の周辺の広場で干し、裸もぐりの1日の作業が終わります。なお、テングサの場合は乾燥後、決められた集荷日に集められます。

● 写真は下記からどうぞ!

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p755557.html
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