神奈川県水産技術センター メルマガ172

掲載日:2014年2月13日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.172 2006-12-1

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.172 2006-12-1
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□研究員コラム
○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その3】     (資源環境部 山田 佳昭)
○面白い魚を食べてみました(マツカサウオ)        (企画経営部 臼井 一茂)
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○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その3】
                    (資源環境部 山田 佳昭)

塩分の測定方法の続きです。

“塩分”が異なっても、主要な成分の順番や濃度の比はほぼ一定であることも前々回お話ししました。

「濃度の比が一定であるならどれか1つを量ればいいんでしょ!」 そのとおりです。そして、どうせ量るのなら多く含まれる成分を対象とするほうが、量りやすいですし誤差も少なくなります。 そこで、海水中に最も多く含まれる塩素が量られるようになりました。

海水1kgに含まれる塩素の量をグラムであらわしたものを「塩素量」とよび、Clと表示し、単位は‰です。ただし、これには塩素そのものの他に臭素やヨウ素を塩素で置き換えた分が入っています。理由は後述します。‰は千分率で、「パーミル」とよびます。%(パーセント、百分率)はおなじみですが、全体を100とした表示方法ですね。全体を1000とするのが千分率です。塩素量は、海水1000グラム中のグラムですから、千分率のほうが表しやすいわけです。

塩素量の測定には、銀滴定とよばれる方法が用いられます。一定量の海水を取り、指示薬としてクロム酸カリウムやウラニンを加え、一定濃度の硝酸銀溶液を滴下していきます。硝酸銀溶液に含まれる銀イオンが海水中の塩素イオンと結合して塩化銀ができますが、これは水に溶けないので白く沈澱します。塩素イオンが全て塩化銀になると、余りの銀イオンは指示薬と反応して赤やピンク色を示します。この直前までに滴下した硝酸銀溶液の使用量から硝酸銀濃度を求め、さらに硝酸銀量を算出していくと、反応した塩素の量を求めることができます。

この測定法は、クロム酸カリウムを用いる場合はモール法、ウラニンの場合はファヤンス法ともよばれ、沈澱滴定の一種です。学生時代は「銀滴」などとよんでいたように記憶しています。現在も食品中の塩分測定などで使われています。ただしこの方法ですと、塩素だけではなく同じハロゲン族の臭素やヨウ素も銀イオンと反応してしまいます。ですので、塩素量には、臭素やヨウ素を塩素で置き換えた分が入っていることになるのです。

さて、海水中の塩素量を正確に測定できるようにし、塩分との関係を明らかにしたのは、デンマークの物理学者クヌーセン(M.H.C.Knudsen)でした。(まだ続く)


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○面白い魚を食べてみました(マツカサウオ)
                   (企画経営部 臼井 一茂)

  日本で見つかっている海水魚は、約4,000種ほどですが、この相模湾にはその1/3の1,300種類が確認されているのだそうです。実際に市場で並ぶ魚を見ていますと、黒潮等によって来遊する回遊魚が量的にも多く、根魚といわれる魚種は少ないのです。その中で、食用とされて市場で扱われるのは約300種類程なんです。

  ところで、普段、私たちが食用としてお店で見かける魚は、さほど多くの種類はありませんね。アジやサバ、イワシの大衆魚の御三家のほか、イカやサケ、マグロなど、皆さんが思いつく種類はいくつほどでしょうか。30種類も思い浮かべられたら、多い方だと思います。   実際には、イワシといっても、七つ星とも呼ばれ、最近は高級魚化しているマイワシや、めざしなどに加工されシコイワシとかヒコイワシなどと呼ばれるカタクチイワシ、それから目の大きなウルメイワシの3種類がいます。ちなみにしらすとは、イワシの稚魚なんですよ。

  さて、先日、三崎でイベントがあり、タッチングプールのお手伝いをしてきました。水槽にはカワハギやイシダイなどが入っていましたが、そのなかで、12、13cm程で体全体を硬い甲羅のようなウロコで包まれた、黄色く、しかも胸びれや背びれが尖った骨状になっている魚がゆっくりと泳いでいました。 このさかな、「マツカサウオ」といい、相模湾で獲れるそうですが、鮮魚として流通することはなく、水族館などで見かける程度です。

  タッチングプールでは、子供達に追いかけ回され、イベント終了の頃には、ぐったりを通り越して、ピクピクと動くだけになり、さすがに放流しても泳いでいけないだろうとのことだったので、せっかくのチャンスです。いただいてきました。

  図鑑などでは、意外にも美味などと記載されていたので、硬いウロコを切って内臓を取り除き、セオリー通り塩焼きにしてみました。 焼き上がりは、形の違うハコフグのようで六角形のウロコがボロボロと剥がれ、張りのある白身を食べてみると、弾力のある身で、匂いや味にはクセはなく、たしかに美味しいものではありました。

  でも、これを食べるのは、これっきりでいいかなと思いました。この魚がたくさん獲れるようになったり、他の食べ物が無いときは別として、普通に食品としての一般利用はしませんからね。もともとあまり獲れないわけですから、記憶の片隅でいいわけですよね。

  水産の利用加工では、いろいろな魚で、魚体の大きさや季節による成分の変化を把握し、鮮度保持や加工の特性を調べます。それは、いついかなる時でも、獲れた魚をおいしく食べられる工夫が素早くできるように準備しているのです。その参考になるかな、いい勉強をさせて頂きました。


マツカサウオの写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582815.html
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