神奈川県水産技術センター メルマガ175

掲載日:2014年2月13日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.175 2006-12-22

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.175 2006-12-22
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□研究員コラム
○これがアワビ?    (資源環境部 高田 啓一郎)
○迷惑なプレゼント!  (栽培技術部 長谷川 理)
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○これがアワビ?  (資源環境部 高田 啓一郎)

 水産技術センターの案内をしていると、「城ヶ島の周りの海でもアワビやイセエビが獲れるのですか」と見学者の方に聞かれるときがあります。

 アワビは潜水や覗突き(箱メガネで海中を覗きカギの付いた長い竿で魚介類を獲る漁法)で漁獲され、城ヶ島ではもちろんのこと、磯根がある県下各地の漁業協同組合で水揚げされています。

 このようなことから、アワビは栽培漁業対象種として、漁業者・県・沿海市町などが出資して設立された(財)神奈川県栽培漁業協会が種苗生産しています。栽培漁業協会が生産した稚貝は漁業者が購入して地先の海に放流し、自然の生産力によって成長、数年後に漁獲されるようになります。

 種苗生産とは、親アワビが産卵した卵を孵化させ、水槽で約1年間飼育して殻の大きさが2cmほどの稚貝になるまで育てることですが、栽培漁業協会が設立されるまでは県が行っており、私もこの仕事に携わっていました。

 種苗生産の仕事では、生き物の不思議さに驚かされることがいくつかありましたが、その一つを紹介します。下の写真をクリックしてみて下さい。これをアワビの殻だと思い浮かべる方はいないでしょう。

 アワビは孵化してから1週間ほど浮遊生活しますが、写真は、浮遊生活後期のヴェリジャー幼生と呼ばれる時期の殻で幼殻と言われています。大きさは0.2-0.3ミリほどです。幼生はこの殻から身体を出して泳いでおり、写真には写っていませんが、アワビも巻貝の仲間ですのでサザエなどと同様に蓋も備えていて、刺激を与えると蓋を閉じて殻の中に引っ込んでしまいます。

 ヴェリジャー幼生は、生存に適した場所に着底すると遊泳器官を自らはずし、幼殻の縁辺部から周口殻という幼殻とは異なる殻を形成して私たちが普段眼にするアワビに成長していきます。

 生まれたばかりの生き物の中には、親と似ても似つかないような姿・形をしたものが多くいますが、アワビもその部類のようで、幼殻を背負って泳ぐ幼生を初めて見たときは驚きました。


写真はこちらから
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582808.html
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○迷惑なプレゼント!   (栽培技術部 長谷川 理)

 私の研究課題はヒラメの優良育品を開発ですが、毎年、何かのトラブルが発生し、いくつかの試験課題が計画どおり進みません。特に、飼育中に発生する予想外の疾病には、例年、悩まされています。今年は、大きな疾病や水の止水事故等も無く順調にきていると思っていたのですが、11月の中旬ごろから、死亡魚が観察され始めました。現在もこの死亡は、ポツポツと続いています。

 さて、この原因ですがスクーチカという寄生虫によるものです。外見は涙のような様相を呈しています。憎っくき敵ですが、その動きにはどことなく愛嬌があります。しかし、寄生虫から喧嘩を売られているような気もします。

 この病気の特徴は、体表が赤くはれ上がったり、鰭が欠損するなど、斃死魚の外見はとても無残な状態になります。特に疾病の初期症状として、鼻先が赤くなることがあります。現在、この疾病の治療方法は無く、早期に発見し、罹病魚を取り除くことが、この疾病を蔓延させないための対策です。

 もうすぐクリスマスですが、赤鼻のヒラメは歓迎できません。


写真はこちらから
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p582809.html
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