神奈川県水産技術センター メルマガ180

掲載日:2014年2月7日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.180 2007-1-26
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□研究員コラム

○むせつせっかいそう  (栽培技術部 照井 方舟)


○二十数年振りの三崎サバ豊漁に寄せて   (栽培技術部 武富 正和)

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○むせつせっかいそう  (栽培技術部 照井 方舟)

 むせつせっかいそう…?、耳で聞いて何だか判ります?漢字で書くと「無節石灰藻」。まだ何だか判りませんね。磯でよく見かける、岩の表面にピンク色に張り付いている、薄くて硬い膜のようなものです。

       無節石灰藻の写真→ http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p753981.html

 「なぁんだ、あれかっ!」です。「サンゴモ」とも言いますが、珊瑚の仲間ではなく、海藻の一種です。

 この毒にも薬にもなりそうもない無節石灰藻が、アワビの赤ちゃんに大きく関わっている事が判ってきました。アワビの赤ちゃんが泳ぐってことは、何度かこのメルマガでも紹介しています。

       VOL.019 ○あわびとさざえは親戚どうし?       VOL.175 ○これがアワビ?

 このアワビの赤ちゃんが泳ぐのをやめ、貝として着底生活を始めるキッカケをこの無節石灰藻が与えているらしいのです。当センターでも無節石灰藻がアワビの着底に与える影響を調査しています。

 着底間際のアワビの赤ちゃんが泳いでいるビーカーに、無節石灰藻が生えたプレートを入れるとすぐに着底します。しかし何も入れないとさらに1週間位泳ぎ続け、やがて力尽きて死んでしまいます。

       無節石灰藻上に着底したアワビ幼生の写真→ http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p753982.html

 自然界には、注目されず、無用と思われがちなものがたくさんありますが、実は人間が思いもよらない所で深く結びついているものと思います。自然界に無用なものなんてありません。無用と思うのは、人間のエゴだと思います。自然に深く感謝し、素直な気持ちで自然と向き合う。研究者にとって一番大事な姿勢だと思います。

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〇二十数年振りの三崎サバ豊漁に寄せて (栽培技術部 武富 正和)

 筆者が、神奈川県に就職し、水産課漁船保安係に配属された昭和50年頃、県では、漁業生産の拡大に寄与するいろいろな施策を行っていました。そのうちの一つに、三崎のサバ釣り漁船にアンプ、スピーカー、カセットテープ・プレ-ヤー、カセットテープ:一式を設置する補助事業があり、筆者は、この設備の完成検査に何回か三崎の港に足を運びました。

 このセット、何に使ったか分かりますか?「三崎の漁師には歌の上手い方が多いので、この頃から、海上で歌の練習をしていたのだろう。」って? いやいや、実は、このテープにはロシア語のフレーズが録音されていました。

 当時、三崎の漁船がサバ釣りをする漁場には何と、ソ連から大型の船団が来て、サバを大量に獲っていたのです。そこで、日本の漁民の漁場から出て行くよう抗議の言葉をロシア語で流していたのです。そう、ソ連からわざわざ船団を組んで獲りに来るくらいサバが沢山いたんです。

 また、サバ釣りについてこんな話を三崎の人から聞いたことがあります。

  「その当時はサバが沢山いて、サバの上を歩いて渡れる程であった。」

  「あまり沢山の魚が釣れるので、三崎には乗り子が不足し、坊さんまで乗り込んでサバを釣った。」(これが本当の‘生臭坊主’)

  「あまり一晩に魚が獲れすぎて積み込みすぎ、船が沈没してしまった。」

 いずれにしろ、当時のサバの多さ、サバ漁が三崎の経済に重要な役割を果たしていたことが伝わってくる話です。

 ま、ここまでサバの資源が回復しなくても、我々の調査研究や漁業者の努力、そして、皆さんの「海をきれいにしていこう。」という行動で、毎年冬には、脂の乗った美味しい‘三崎のサバ’が安く手に入るようにしたいものです。

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[編集後記]

 城ヶ島では「城ヶ島水仙まつり」が開かれています。昼休みに県立城ヶ島公園へ行ったところ、八重水仙が沢山咲いていました。

 冬にもかかわらず、陽だまりの水仙はとても暖かそうでした。

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