神奈川県水産技術センター メルマガ192

掲載日:2014年2月4日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.192 2007-04-20
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□研究員コラム

○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その5】  (資源環境部 山田 佳昭)

○城ヶ島の入江で見たアマモ  (企画経営部 長谷川 保)

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○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その5】

 前回は、クヌーセンにより塩素量から塩分を求める手法が確立されたところまでお話しました。

 分析的に求められた塩素量から計算することで塩分を算出できるようになったのですが、塩分を使わずに塩素量のまま表記されることがありました。

 1970年代までの論文や報告には、時間的な変化(年間を通してどう移り変わるか、など)や空間的な分布(海面から深くなるにつれてどう変わるか、天気図のように水平的にどのように広がっているか、など)を表す場合にも塩素量で書かれているものが見られます。

 「海洋観測指針」という手引きがあるのですが、これに「海洋観測常用表」という附録が付いていました。塩素量から塩分や密度を求める早見表が載っています。現在のようにパソコンで表計算ソフトでも用いれば簡単に計算できたのでしょうが、往時は専らこれのお世話になりました。いまも手元においてあります。

 メートル⇔潯(ヒロ)やキロメートル⇔浬(カイリ)の換算、緯度経度の1度の長さなど、ちょっと調べるのにも便利なものです。しかし関係ない(?)人には粗末に扱われ、捨てられていたものを回収した覚えもあります。「俺は水産だから海は関係ない」、という人は今でもいます。

 ともあれ、塩分と塩素量の関係は、1960年代になって<塩分(‰)=塩素量(‰)×1.80655>と修正されたりはしましたが、引き続き用いられてきました。

 それでも、塩素量を分析的に求めるのは、前回の終わりに述べましたように、いろいろ厄介ですので、他の方法も検討されました。

 塩素量から塩分や密度が計算できるのなら、比重(以前ご紹介した浮き秤で測る)や屈折率(塩分が高いほど大きい)でも可能だろう、ということなのですが、精度の上で限界があるようで、簡便法として用いられるにとどまりました。今でも海水魚を水槽で飼育したりする際には使われています。

 そうこうするうち、いっそのこと電気で測ってしまえ、といった考えが出てきます(なおも続く)。

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○城ヶ島の入江で見たアマモ

 水産技術センター(本所)は、三浦市三崎町の城ヶ島にあり、この島の東側に小さな入江(奥行き、幅ともに約40m程度)があります。(水産技術センターからは歩いて6分程)少し前になりますが3月の中頃、天気が良いので昼休みにこの小さな入江に行ってみました。

 入江の口元には防波堤がありますが、その防波堤の沖側の海を見ると水深5-6m程ですが、底(砂地)までよく見え、海底に点在する岩には、ホンダワラのような大型海藻が見えます。そして、海の色は透明ガラスのように透き通った淡い緑色をして輝いており、久々にきれいな海を見ることができました。

 前置きが長くなりましたが、防波堤の内側にある入り江をよく見ると、アマモがたくさん茂っていました。ただし、外海に通じる防波堤のないところから入り江の浅場に向かい放射状に砂地が見え、その砂地の見える周辺にアマモが生えていました。当然、防波堤のないところが最も深く、岸に近づくに従い浅くなっています。

 水産技術センターのアマモに関する調査では、アマモが繁茂する条件は、「光の届く量」つまり海の透明度や繁茂する場所の水深、並びに「波の強さ」などが大きく影響していることが分かっています。

 この入江のアマモの分布を見ると、「防波堤がない場所は波が強く、水深が深い所(光が届きにくい所)」であり、その場所にはアマモが見られず、「防波堤から岸に向かい、水深が浅くなり光が届きやすい浅場で、波が弱まる周辺」でアマモが多く繁茂していました。我田引水かもしれませんが、水産技術センターのこれまでの調査結果を、この小さな入江が端的に表現しているように感じました。

 皆さんも海に出る機会があれば、このような目で小さな入江を観察されるのもおもしろいかもしれません。

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