神奈川県水産技術センター メルマガ194

掲載日:2014年2月4日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.194 2007-05-04
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□研究員コラム

○たまねぎのぶつ切りのようなイカ(究極のイカ?) (企画経営部  中村 良成)

○アナゴの測定 (資源環境部 田島良博)

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○たまねぎのぶつ切りのようなイカ(究極のイカ?)

 記録的な暖冬のツケを取り戻すように肌寒い日が多い春ですが、新緑のまぶしい季節が近づき、三崎魚市場には早くも麦イカ(スルメイカの若い個体)が水揚げされるようになりました。活魚の水槽には美味しそうな大きなヤリイカ、ケンサキイカも泳いでいます。(そんな魚市場の光景は適宜当所のHPの「市場を歩く-中村編」で御紹介していますので御笑覧くだされば幸いです。)

 さて、もう20年近く前のお話になりますが、三浦半島のある魚市場で解禁日のアワビ・サザエの市場調査を行ったときのことです。この日は周年禁漁区としている漁場が解禁され、潜水部会の漁業者が総出でアワビやサザエを漁獲します。年に一度しか漁業者が入らない漁場ということで、水産試験場(当時はこう呼ばれていました)としてもアワビ・サザエの成長率や生残率を調査するのに絶好のデータとなるため、担当者は朝から市場に張り付き、アワビやサザエを片っ端から測定していきます。

 アワビの種(メガイ・マダカ・クロ)を同定し、殻の頂上部をちょっと磨いて放流物か天然物か確認し、重さと大きさを測ります。アワビを傷つけずに剥がす人・殻を磨く人、測定する人、記帳する人、流れ作業とはいえ、いつまでも蓋のないアワビを水の外に出しておくわけには行きませんから眼の回るような忙しさです。

 さて、ちょうどお昼の一段落が近づいた頃、潜水部会の会長さんが「一緒に昼としようや」と一枚の皿を持ってやってきました。皿には黄白色で数センチの直方体が山盛りになっていました。「何だろう?」山芋か大根にしては黄色身が強く、少し遠目からは生の玉ねぎのざく切りにしか見えませんでした。「変なものを食べるんだなあ、私は遠慮しておこう、自分の弁当だけでいいや」と思いながらアワビを測定し終わると、部会長さんを囲んでの昼ご飯となりました。

 改めてお皿を見ると、それは取れたばかりのスルメイカとヤリイカのぶつ切り。飴色に輝くその切身は一つ一つが反り返るほどのキトキトの活の良さでした。

 いや、うまかったですねえ!本当はイカの旨みは死んでから1-2日たってからが最大となり、取れたては歯ごたえを楽しむだけのはずのですが、かむたびにほのかに甘い旨みが染み出してきて、自分で用意した弁当はおかずを食べるまでもありませんでした。心地よい潮風の吹く市場、一仕事の後という雰囲気を割り引いてもイカはとにかく絶品でした。

 「あのときの時のイカはうまかったねえ」会議などでその時のメンバーが集まると20年近くたった今でも必ずこの話題に花が咲きます。もう何十回と無く話しているというのに・・・・

 しかし、それからしばらくはイカというイカが生臭く感じてしまい、「何を食べてもおいしい」という元の鈍感な味覚に戻るのに一ヶ月近くかかってしまいました。何であれ頂点を極めるとその力を維持するのは難しいものですね。まずは財力が足りません(笑)。

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○アナゴの測定

現在私はマアナゴの資源調査を担当しています。資源調査の基本のひとつに、漁獲物の精密測定というものがあります。これは、漁獲された魚の体長や体重、性別や生殖腺の状態、年齢などを調べて、何歳の魚がどれくらい獲れているか、産卵時期はいつかなどを詳しく調べるためのものです。

 ところで、皆さんはマアナゴを鮮魚店やスーパーで生の状態で購入することはありますか?恐らくあまりないと思います。そもそも、あまり売っていないですよね。たまに開いたアナゴをパック詰めにしたものが売られていますが、丸のままというのは見たことがありません。丸ごとじゃ持て余しますよね。

 神奈川県内でも、漁獲されたマアナゴの一部は、パック詰めなど開いた状態で出荷されています。現在のところ、活魚出荷が主体ですので、漁獲動向を把握する上では、出荷された重量を調査すればよいのですが、今後「開きアナゴ」の出荷が多くなれば、パックなどの出荷量も調査する必要が出てきます。しかし、開いたアナゴ、元はどのくらいの大きさで何グラムくらいあったのでしょう?これは、1パックの重量や開いたものを1個ずつ計ってもわかりませんよね。

 丸ごとの体長や体重を測った個体を開いた状態にして、その重量データを取っておけば、あとはパック詰めの中身の規格がある程度把握できるだけで、出荷されたパック数から漁獲量が推定できます。

 前置きが長くなりましたが、そうです、精密測定の一環として、アナゴを開き、可食部の重量のデータを取ることに挑戦したのです。しかし、平たい魚をさばくことは多いので、比較的慣れていますが、「長物」となると話は別です。通常なら1時間から1時間半程度で終わると思われる測定に、3時間近くかかりました。今回は、平均歩留まりが65%くらいでしたが、出来上がった「開きアナゴ」を見ると、「もう少し練習しましょう!」という感じでした。

 今回は50尾のデータが取れましたが、統計的に処理するためには、もっと多くのデータが必要になります。何より、歩留まりをもう少し上げないと、実際に出荷されている製品を換算するためのデータとしては精度が落ちてしまいます。平均歩留まり70%を目標に、アナゴ開きの練習は続きます・・・70%で換算しちゃってもいいのかな?

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