神奈川県水産技術センター メルマガ201

掲載日:2014年2月4日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.201 2007-06-22

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.201 2007-06-22
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□研究員コラム

○たこ (栽培技術部 照井 方舟)

○トラフグの放流 (栽培技術部 武富 正和)

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○たこ

 たこ、タコ、蛸、鮹、章魚、鱆…

 以前にご紹介しましたアワビ資源回復計画では、アワビ種苗を放流しています。

(漁業者の方が禁漁区を設定、そこにアワビ種苗を放流し、親貝密度を上げ、将来的にアワビ資源の増大を図るという壮大な計画)

 放流後の小さなアワビの天敵は、ヒトデ、カニ、タコ、魚など多数いますが、今年はタコが多くて困っています。

 タコは年によって資源の変動が大きく、数年に一度大発生することがあります。漁師さん達は、この大発生のことを「湧く」と言っていますが、今年はちょうど当たり年だったようです。

 放流後の追跡調査で潜ると、あちこちでタコが目に付きます。タコは獲物を巣穴に持ち帰って食べるらしく、巣穴の周りには貝殻やカニ殻が散らばっています。放流アワビの殻が大量に散らばっているとがっかりです。その奥にタコの黄色く光る目が見え「ご馳走さまっ!」って言っているようで、余計腹が立ちます。

写真1 タコの巣(貝殻が散らばっている)   写真2 放流アワビ(殻が緑色)に手をかけるタコ

 漁師さんたちにも「アワビ放流場所では、重点的にタコを獲ってください。」とお願いしてますが、「アワビ食ってるようなヤツぁ、餌がイワシの蛸壺じゃ獲れねぇよ。」なんて言われます。タコは他にもイセエビを食べます。アワビにイセエビ、なんて贅沢な奴なんでしょう。

 タコは、昔から日本ではユーモラスな可愛いキャラクターとして人気があります。一方、西洋では悪魔として嫌われています。私の中では今までは前者として大好きでしたが、今は大嫌いになりました。憎っくき「タコめ!」です。(タコ漁業者の方、ごめんなさい。)

 最近、私はタコの消費に努めています。回転寿司でもタコを食べるようにしています。(もっとも私が行くような安い店では、輸入物のタコでしょうけど…)

 タコの消費が伸び、タコの価格が上がり、タコの漁獲が増える事を期待しています。

 なお、本県沿岸の大部分の海域では、共同漁業権の内容に「たこ漁業」が入っており、漁業者でない方がタコを採ることはできませんので、念のため。

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○トラフグの放流

 6月19日、横須賀の猿島周辺でトラフグ種苗を放流しました。 このトラフグは、(独)水産総合研究センター南伊豆栽培漁業センターが今年の4月始めに採卵し、6月まで同センターの水槽で育てた全長約4cmの種苗約5万尾で、神奈川県水産技術センターが東京湾での成長や移動の状況を調査するため譲り受けたものです。

 当日の午後1時、伊豆の石廊崎からトラフグを運んできた活魚車2台が横須賀の平成港に到着すると、岸壁に横付けされていた横須賀市東部漁協所属の第3柴信丸、第2清丸の2隻の漁船にトラフグ種苗を積み込み、船で数分の場所に放流しました。

 海面に放流されると、大方のトラフグは直ぐに底を目指してすいすいと泳いでいきました。しかし、水面には、海水と空気を吸い込んで腹を膨らませ、白いお腹を浮かせたトラフグが数匹残されました。

丁度、丸い風船を膨らませて手を離すと、くるくる空を回って飛んでいくように、トラフグは呑み込んだ海水を吐き出しながら水面をぐるぐる回り沈んでいきました。中にはそのまま浮いているフグもいて、見かねた漁師さんがタモの端で白いお腹をさわると、思い出したように回り始め、海底に向かって泳ぎ始めました。

 これまで、マダイ、ヒラメ、カレイなど随分いろんな魚を放流してきましたが、こんなとぼけたシーンに出会ったのは初めてです。

 通常、弱った魚などが水面にいると、どこからともなく海鳥がやってきて、これらの魚を捕っていくのですが、相手が猛毒を持ったフグと知ってか、この日は1羽のカモメもやって来ませんでした。

 今回放流したトラフグは、1年後には30cm前後にまで成長しますが、今年の秋口には、丁度、投げ釣りの外道として有名なクサフグと同じ様な大きさになります。もし、体側に大きな黒い斑点のあるフグを釣り上げるようなことがあったら、是非、海に戻してあげてください。きっと、水面でくるくる回り、皆さんにお礼の挨拶をしてくれることでしょう。

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