神奈川県水産技術センター メルマガ202

掲載日:2014年2月4日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.202 2007-06-29

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.202 2007-06-29
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□研究員コラム

○相模丸顕彰碑について(所長 今井利為)

○あなご学うんちく(5)(資源環境部 清水 詢道)

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○相模丸顕彰碑について

 城ヶ島の水産技術センターの門を入って右側の場所に”相模丸顕彰碑”が東方に向かって建っています。

 この碑は、昭和16年第二次世界大戦が開戦されるや、いち早く海軍に徴用され、本邦東方海上の哨戒にあたっていて昭和18年6月18日、アメリカの潜水艦に撃沈された第二代相模丸を顕彰したものです。

梅雨の晴れ間で太陽が燦々とそそいでいた平成19年6月18日に、老夫婦がこの碑に御参りに来られました。第二相模丸の船長であった岡田船長の次男の方で、花束を碑前に捧げ、お祈りをされていました。

  この花束の外、もう一束がありましたが、どなたが捧げられたか確認していません。殉職された乗組員のご家族が64年経った今日も冥福を祈る姿はとても印象的で、平和の大切さを感じた次第です。

第二相模丸は、昭和5年に建造された135トンの遠洋漁業指導船で、岡田船長以下21名が乗り組み、鰹釣漁業試験では臨時漁夫23名が加わり漁獲試験を行っていました。鮪釣漁業試験では北海道方面の室蘭、浦河、釧路の漁場の外、色丹島から択捉島方面に行って好漁獲を揚げ、民間船に指針を示すことで業界発展に多大な貢献をしました。

相模丸は、戦後、三代目から六代目まで建造されましたが、200海里の制定に伴い、平成6年に神奈川県として遠洋漁業の漁獲調査から撤退しました。

三崎の鮪船が全国の漁船に先駆けて大西洋、インド洋に進出し、遠洋漁業の基地としての三崎港の礎を築くことができたのも、進取の気概があった沢山の方々の勇気、知恵、工夫、苦労、犠牲があったからだと思います。

相模丸の写真はこちらから

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○ あなご学うんちく(5)

 さて、いよいよマアナゴの生態学に話題は移ります。マアナゴの生態は謎だらけ!その中でも最大の謎は産卵に関する部分です。マアナゴの産卵場について最初に記載された論文は1959年に水産大学校の高井さんが書いたもので、そこには、北緯25°以北の、深海が沿岸に接近した黒潮本流あるいはその支流水域と思われる、とあります。

 この説の欠点は物的証拠がないことですが、長い間定説となっていました。最近でも、東シナ海の大陸棚の縁辺部が有力、と考えている人もいます。これは漁獲状況を分析した上の結論で、物的証拠(たとえば成熟した親を採集したとか、生まれたての仔魚を採集したとか)がないとしても有力な説です。しかも、高井さんの考えとほぼ同じです。生まれたての仔魚の採集に成功した九州大学の望岡さんは、駿河湾周辺海域も産卵場の可能性があると述べています。

 ウナギの産卵場を特定した東京大学海洋研究所の塚本さんたちのグル-プは、遺伝学的な研究から、日本のマアナゴ資源は基本的には単一の集団として存在するけれど、いくつかの地域集団に分かれていて、その地域ごとに再生産している、と考えています。このことは、地域ごとに産卵場が存在する可能性を示しています。

 

 いずれにしても、産卵場を明らかにするための物的証拠がとても乏しい状態なのです。また、マアナゴは一生に一回産卵すると考えられてきましたが、愛知県渥美半島にある (株)いらご研究所の宇藤さんは一生に複数回産卵する可能性があることを明らかにしました。

 だとすると、産卵が終わった状態のマアナゴが次の産卵のために待機しているわけで、普通そのような状態の魚は活発に餌を食べるでしょうから、場所と時期さえ間違えなければ、物的証拠を手に入れることができるのでは、と考えてしまいます。

 

 是非やってみたい、でもどこで調査すればいいの?そこが大問題ですよね。

 産卵期については、沿岸にやってきた仔魚から知ることができます。このコラムでも何度か紹介されていますが、脳の中にある耳石を取り出して、そこにあるリング(日周輪)を数えれば、その数が孵化してからの日数を表すので、逆算すれば産まれた日がわかるわけです。

これまでに、東京湾に入り口で採集した仔魚の耳石を観察した結果から、産卵期は秋から冬と考えられました。でも、どこで?問題はもとにもどってしまいます。

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