神奈川県水産技術センター メルマガ203

掲載日:2014年2月4日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.203 2007-07-06
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□研究員コラム

○ベンケイ(企画経営部  清水 顕太郎)

○子安の運河へのアマモ移植(栽培技術部  工藤 孝浩)

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○ベンケイ

当水産技術センターがある、三浦市三崎周辺では現在メトイカが釣れています。水産技術センターへの通勤は城ヶ島大橋を渡るのですが、城ヶ島の東側に遊漁船が集まってメトイカを釣っているのが大橋の上から見えます。毎日結構な隻数の船が集まって釣っていますので、「私の釣る分は残しておいてね-」などと勝手なことを考えてしまうくらい、皆さんがんばっています。

 「メトイカ」とは、ケンサキイカの三崎での呼び名です。釣り雑誌などでは「マルイカ」と呼ばれることが多いようです。当センターのホ-ムページに「市場を歩く」というコンテンツがあります。その筆者の一人である中村さんによれば、ケンサキイカの幼体を「メトイカ」、成体を「マルイカ」と呼ぶそうですが、私の周りの人たちはどのサイズのものももっぱら「メトイカ」と呼んでいます。

 メトイカを釣っていると、「ムギイカ」と呼ばれるスルメイカの幼体も釣れてきます。ムギイカはいくぶん長さの割に細いかな・・と感じるものの、皆さんおなじみのスルメイカの体型をしています。ちなみに、諸説あるようですが、一説には「ムギイカ」とは麦の穂が出る時期に獲れるため、ムギイカと呼ばれるのだそうです。

 一方、メトイカは同じ長さのムギイカより胴が太く、ムギイカと比べると丸く見えます。もちろん、コウイカやカミナリイカほどではありませんが、ムギイカと比べると「丸いな・・」という印象です。このため「マルイカ」とも呼ばれるのでしょうね。

 さて、このメトイカですが、特に大型のものを「ベンケイ」と呼ぶそうです。(「メトイカ」の名前の由来もよくわからないのですが)『なぜ、「ベンケイ」と呼ぶの?』とメトイカ釣りに連れて行ってくれる知人に聞いてみたのですが、「昔っからベンケイで、由来など知らない」とのことでした。本メルマガの読者の皆様の中で、もし、「メトイカ」や「ベンケイ」の由来をご存じの方がいらっしゃいましたら、お教え願えませんでしょうか?

「市場を歩く」のメトイカの記事

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○子安の運河へのアマモ移植

 横浜駅からわずか5kmほどしか離れていない首都高速の陰の運河沿いに、少年時代の1970年代にタイムスリップしたかの様な不思議な空間があります。多数の桟橋が無秩序にせり出し、漁船とプレジャーボートが入り混じって係留され、古びた作業小屋や物置きが猥雑に立ち並んでいます。

 そこは、江戸時代から栄えた由緒ある漁村、子安です。周辺が京浜工業地帯として大々的に埋め立てられ、地先の漁場を失った後も、底びき網で東京湾の沖合一帯を席巻し、シャコ、アナゴやカレイなどを水揚げしていた勇壮な漁師の町です。

 しかし、1971年に横浜市以北の漁業権が全面放棄させられると、子安の漁師たちの多くは転業政策に従って陸に上がりました。子安にほど近い地で生まれ育ち、水産行政に身を置く私は、歴史の流れの中で忘れ去られてしまったかのような子安がふびんでなりませんでした。

 今なお、多くのアナゴやスズキなどが活魚で水揚げされ、若い漁師もいるのにと。

 昨年度、アマモ場再生を東京湾に広く展開しようとする事業が始まりました。アマモ場再生に取り組む自治体やNPOなどに、県がアマモの種苗や再生技術などを無償で支援するものです。そこに、山下公園の海底清掃を26年間続けてきた「海をつくる会」が、「子安にアマモを移植したい」と名乗り出てきました。同会事務局長の坂本昭夫さんも、子安の近くで生まれ育ち、地元の海の再生に並々ならぬ情熱を燃やしています。

 前例のない運河へのアマモ移植をめぐり、許認可の手続きは3ヶ月を要しましたが、坂本さんの粘り強い交渉と調整の結果、当センターと子安の漁協(横浜東漁業協同組合)が共催して7月1日9時にアマモ移植イベントが開催されました。参加者は漁業者11名を含む50余名。まず、運河に累々と沈んでいるゴミを片付けなければなりません。

 海をつくる会や我々水産関係者が膝まで潜り込む最前線にウエットスーツや胴長靴で立ちこみ、硫化水素臭を放つゴミを次々と引き揚げます。自転車、椅子、流し台、傘や鉄パイプ。横浜市大の女子学生たちは、ヘドロによる服や身体の汚れをいとわずに額に汗してゴミをリレーします。最後にゴミを受け取る漁業者たちは、何だかとても嬉しそうです。

1時間の作業で4トンものゴミを引き揚げました。まだまだ取り残しはあったのですが、参加者の体力は限界と判断し休憩をとりました。

 干潮の11時からは移植の開始です。前日に金沢区の野島海岸から採取したアマモ400株に、200個の粘土と100本の竹串を装着して、田植えのように1株ずつ植えつけます。移植した区画は、21m×3mの63平方メートルでした。

 子安の海の再生のために駆けつけ、無償で汗を流す多くの市民の姿に、私と同級生の組合長はいたく感激し、全員分のシウマイ弁当と冷たい飲み物を用意してくれました。皆は漁師の心意気に感謝し、心の交流が生まれました。

 実は、複数の漁師から「アマモを植えるならもっといい場所がある」との話をいただき、イベント開始前に漁船で案内してもらいました。地元漁師から声が上がるこうした展開こそ、まさに我々が望んでいたものでした。この日は、アマモ場再生が新たな一歩を踏み出した記念すべき日となるでしょう。 

写真はこちらから

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