神奈川県水産技術センター メルマガ210

掲載日:2014年2月3日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.210 2007-08-24

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.210 2007-08-24 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□研究員コラム

○できそうで、できない。  (企画経営部  鎌滝 裕文)

○-ダンゴウオの話- (企画経営部  臼井 一茂)

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○できそうで、できない。

 へんな題名ですが、実は今、シクラメンの夏超えに挑戦していて、今のところ3連敗中です。ということは3年連続でシクラメンを駄目にしているということです。今までは本を読んでマニュアルどおり、葉を落として、暗いところで仮眠させるような夏場の越し方をやっていたのですが、いつも秋になっても芽が出ず、失敗していました。できそうな感じはするのですが、何故かできません。

 現在、4年目の挑戦をしていますが、葉を残しての夏超えに初めて挑戦していて、今のところ順調にいっています。生き物を飼う時は、「その生き物の立場に立ってよく考えてみろ」とよく親に言われたものですが、本を読んでもなかなかうまくいきません。でも、実践している中で、あることがきっかけで簡単にできてしまったということも聞いたりします。

 実は意外なところに大きなヒントがありました。仕事で漁業の現場を回っていますが、難なく夏を何度も越えているシクラメンを発見したのです。それは横浜市内のとある現場なのですが、夏場は気づいたときにだけ水をやるのだそうで、あとは「ほったらかし」というような育て方でした。夏場は外に置いていて、日陰っぽいところにありますが、昼間は太陽があたっているようなところです。

 雨が降れば濡れるし、正直、これでは無理だろうという気がしますが、冬には深紅の立派なシクラメンが咲いています。

 このシクラメン、半年くらいは、荒っぽく外で育てられてはいますが、ひとつだけよい点もあります。それは海に非常に近いところで育てられているということです。夏場といえどもやはり海に近いところはそれなりの涼しさがあります。夏場でも千葉県の銚子は気温が低めということが多いことをご存知な方も多いと思います。これと似たような感じなのかなと思います。

 これらのヒントをもとに風通しのよい場所、適度な水分、適度な明るさなどの条件をよく選んで、4年目は取り組んでいます。実は、今、仕事で取り組んでいるナマコの種苗生産もこれと似たようなところがあって、稚ナマコができそうで、できません。実はほったらかしの粗放飼育で、稚ナマコを誕生させている経緯があります。どこかにヒントがあるはずですが、シクラメン同様私にとってはかなりの曲者です。

 何らかのきっかけがあればすぐにでも何とかなるのではないかと感じていて、こちらも早くなんとかしないといけないなぁと思っています。

シクラメンの夏場の様子と稚ナマコはここからどうぞ → 

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○-ダンゴウオの話-

 先日、研究所の近くにある水族館、油壺マリンパークの飼育員の方から連絡をいただきました。変わった魚がとか、病気がとかいろいろな電話があるのですが、今回の内容は、「とてもかわいくてユーモラスな魚が産卵しましたよ」とのことでした。園内には、サメや熱帯魚、そして水温の低い海に住む魚たちが飼育展示されて、そのバックヤードでは出番を控えたアイドルたちが、今か今かと待ちかまえています。

 飼育員の方の案内で、深層水を汲み上げて飼育しているバックヤードに行き、大きな水槽が乱立する中、「これですよ」って手のひらがさっと透明なプラスチックの小さな水槽に向けられました。優しくエアれーションされているその水槽には、さらに小さな水槽が入っており、そこにはヤマモモのような、木イチゴのような透明感のあるオレンジ色で、小さなツブが寄り合わさったものが入ってました。よくよく見ると、その中には小さな小さな黒い点があって、その下にはなんと1ミリほどの稚魚が、何尾もピタッと壁に張り付いて、身動きせずにいました。

「これはダンゴウオの子供です。昨日からふ化し始めたんですよ。」との、説明がほしいところに、程よい観察時間をあけてくれての解説、「うむっ」。

 しかし、あまりにも小さすぎで、団子といわれれば団子の形なんだろうなと思っていた瞬間、さらに解説が入り、「その小さなケースの入った水槽の底にいる丸っこい魚がダンゴウオの親です。」とのこと。自分の顔より小さな水槽に対し、ゆっくりと目線を下に向けると、いました、2、3センチの丸っこい物体が、ちゃんと底にいました。しかも、身動きしている様子がないのに、すっと数センチ動いては止まり、止まっているかと思えば、すっと数センチ進む。しかも、動き始めには直進だけでなく、直角、反転をその動きに取りまぜながらなのです。その様子はまるで“一人ダルマさんが転んだ”状態。

 さらによく見ると、焦げ茶やら、黄色やら、赤色やら何色ものダンゴウオが見えました。で、よくよく観察すると、なんとおっきな唇。オバキューの様にユーモラスでコミカル、さらに「ウムムムムッ」でした。

 このダンゴウオ、冬のこの時期に相模湾の沿岸でもよく見られる、寒冷な海の住人なのだそうです。その仲間には、フウセンウオ、イボダンゴ、ヒゲダンゴ、コンペイトウなど、茶菓子か駄菓子かのユニークな名前ばかりでした。その中で一種だけ知っていたのはホテイウオでした。最近では北海道産のものが魚屋に並ぶことがあり、みそ汁や鍋でいただいたことがあります。そういえば、キャビアに似た製品が作られる、ランプフィッシュもその仲間だったかも。

 ダンゴウオは、成長しても3-4センチ程、寿命は約1年だそうです。卵は水深20メートル以下の浅瀬で、貝殻や岩の割れ目などに産みつけられ、オスがそれをふ化まで守り、命のバトンを渡していくそうです。

 ダイバーからは、「海のポケモン」とも呼ばれているこのダンゴウオ、その生態はいまだ謎に包まれているそうですが、この相模湾でいつまでもコミカルな彼らが産卵にこられる海を残し続けたいですね。

 そうそう、油壺マリンパークで展示もされたそうです。見る楽しみが増えましたね。

ダンゴウオの写真はこちらから

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