神奈川県水産技術センター メルマガ213

掲載日:2014年2月3日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.213 2007-09-14

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.213 2007-09-14 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□研究員コラム

○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その6】  (資源環境部 山田 佳昭)

○沿岸域の多様な生態系に根ざした沿岸漁業の存続(その1) (栽培技術部  一色 竜也)

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○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その6】

 正確に、そして簡単に塩分を測定する方法が模索されましたが、そうこうするうち、いっそのこと電気で測ってしまえ、といった考えが出てきます。

 電気が流れる、というのはどういう現象でしょうか。

 昔、物理の授業で習ったことを思い出しますと、電子のような電荷を帯びた粒子が移動することだったと思います。電気をよく通す金属などには原子核に捉まっていない自由電子というものが多数あって電流と逆の方向へ移動している......でしたっけ?

 水は本来ほとんど電気を通しません。純粋な、何も溶けていない水の場合、水の分子H2O(数字が下付きにならずすみませんです)は、水素イオンH+ (記号が上付きにならずすみません)と水酸化イオンOH-にほんの僅かしか電離しません。電荷を帯びた粒子が少ないから電気は流れにくいです。

 話がそれますが、分析試験に使う水は蒸留や脱イオンして不純物を取り除いたものを用います。この水を作る機械が実験室には必ずありますが、この機械には水の電気抵抗値が表示されます。電気抵抗値が高い → 電気が流れにくい → 不純物が少ない、といった目安になります。

 水という物質は、他にもちょっと変わった性質を数々持った面白いものなのですが、さらに話が脱線しますので、別の機会にいたしましょう。

 自然界では、何も溶けていない水、というものは、まあおよそ存在しないでしょう。雨にも空気中のさまざまな物質が溶け込んでいます。 溶け込んでいる物質の量によって電気の流れ方が違ってくる、このことが電気によって塩分を測定する上での基礎になります(やっぱり続く)。 

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○沿岸域の多様な生態系に根ざした沿岸漁業の存続(その1)

 以前「水産物のジャストインタイム生産は可能か?」で論じたとおり、日々の漁獲量が不安定であることから、漁業生産にジャストインタイムは困難であることを述べました。

 遠洋漁業や沖合漁業などの漁船漁業は漁場や漁期を人間側が合わせ、さらに鮮度の低下しやすい水産物を高度な冷凍技術によって保つことが可能になり、ある程度不安定な生産を解消するような方向へと進んできましたが、必要な時に必要な分だけという条件を充たすに至っていません。さらに、これらの漁業は対象魚種をある程度固定せざるを得ない構造も持っています。

 特に漁業が大規模になればなるほど、他の魚種への転換は極めて難しいのです。三崎の遠洋まぐろ延縄漁業は、その多くがメバチを主体に操業を行ってきましたが、同種への依存度が7-8割と高く、資源の減少や魚価の低迷で漁業の存続が困難な状況に追い込まれています。

 以前にメバチ以外の他の魚種、例えばキハダやカジキ等の混獲魚類を加工等で付加価値を高め、メバチの依存度を少しでも減らせないか検討されたことがありますが、他の魚種の魚価をそれまでの2倍に引き上げても採算が取れない結果となり、事実上不可能であることが分かりました。

 遠洋まぐろ延縄漁業がメバチを主対象種とする理由は、魚価と漁獲量のバランスが他の魚種に比べて極めて良く、また漁具や漁船装備もそれに特化してきたため、他魚種への転換は殆ど不可能といえるのです。

 一方、沿岸漁業は限られた海域内にその活動が縛られているため、漁場や漁期の選択で漁獲の不安定度を埋められる幅は小さいです。こうしたリスクを多種多様な魚種を柔軟性に利用することで埋め合わせてきたといえます。

 あるときはワカメ、昆布、天草といった海藻類、あるときはサザエやアワビといった礒根資源、鯖や鰹といった回遊魚が来ればそれを漁獲するなど、多種多様な漁撈技術を巧みに組み合わせて、その時々をうまく営んできたのです。しかし、それぞれの沿岸資源は変動が激しく、計画的に営漁することは困難で、出たとこ勝負の部分が多分にあるといえます。

 昨今、需要サイドからは少量多品目かつ安定供給を要求が強くなっております。この要求に対し沿岸漁業の生産が少量多品目であるという部分は合致しますが、それぞれの安定供給はとても適えられないと思われます。(つづく) 

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