神奈川県水産技術センター メルマガ214
神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.214 2007-09-21
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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン VOL.214 2007-09-21
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□研究員コラム
○「豊かな海づくりイベントのお知らせ」 (企画経営部長 長谷川 保)
○アナゴの雄と雌 (資源環境部 田島 良博)
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○「豊かな海づくりイベントのお知らせ」
今回は、県で行う催し「かながわの豊かな海づくり」をご紹介いたします(水産技術センターの職員も参画)。
このイベントは、平成19年9月30日(日曜日)の午前7時から午前12時までの間、横須賀市平成町にある「横須賀魚市場」及び「新安浦港」で開催いたします。
新安浦港では「ヒラメの稚魚の放流」を午前9時から行い、放流に参加された方には、タコ(茹でたもの)の試食を用意しています。放流の受付は放流場所で午前8時30分から行い、先着500名とさせていただきます。
このほか、近くの「横須賀魚市場」では、栽培漁業、東京湾の漁業、水産資源の回復に関する取組のパネル展示や東京湾で獲れる魚を展示しており、東京内湾の水産資源の回復などについて、皆様にも感心を持っていただければと考えています。
(参考 次のURLは開催の概要と会場案内図)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/shigenkanri/070824/070824event.html
なお、この「かながわの豊かな海づくり」は、「横須賀魚市場」で開催される「よこすかさかな祭り」と同時開催となります。 皆様のご来場をお待ちしております。
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○アナゴの雄と雌
前回、マアナゴの資源調査のために、生物測定調査を行っていることをお話しました。そのときはアナゴを「開く」お話でしたが、今回はマアナゴの雄と雌についてのお話です。
マアナゴの雄と雌は、外見では区別がつきませんので、おなかの中の生殖腺を見て判別します。40cm以上の大きさであれば、はっきり違いがわかるので迷いませんが、 30cm以下の小さなものですと、中には「雄?雌?・・・?」と悩むものもあります。
さて、マアナゴの雄と雌、どっちが多いと思いますか?
実は大きさによって違うようです。「ようです」というのは、まだ調べている途中なので、結論が出たわけではありません。以前から大きなものは雌ばかりという報告があり、私もまだ50cmを超える雄は見たことがありません。
調べてみると、小さいものは雄が多く、大きいものは雌ばかりになります。そして中くらいのものは雄と雌が1対1くらいです。いささか抽象的な表現ですが、何cm くらいがそれぞれの境目になるのか、今それを調べるため、毎月マアナゴの測定をしているわけです。
では、なぜそんなことを調べる必要があるのでしょうか?
それは面白いからです。いえ、笑えるという意味ではなくて、研究している立場で面白いというのは、それがマアナゴという生き物の特徴のひとつであり、生態を知る重要な鍵になるからです。小さいうちはみんな雄なのか、雄と雌では成長が違うのか、雄は短命なのかそれともどこかに行ってしまうのかなど、疑問は次々と湧いてきます。
さまざまなデータと組み合わせることで、これらの謎に1歩ずつ迫れると思うと、1回あたり3時間以上かかる測定も、それほど苦にはなりません。
将来にわたってマアナゴの資源を利用するためには、生態を知り、資源の状況を判断して、適切な資源管理をして行く必要があります。まだまだ道のりは長いと思いますが、少しずつでも謎に迫っていければと思いつつ、アナゴと向き合っています。
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