神奈川県水産技術センター メルマガ222

掲載日:2014年2月3日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.222 2007-11-16

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.222 2007-11-16
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□研究員コラム

○漁獲量を安定化するためには  (所長  今井 利為)

○サバカン  (企画経営部  清水 顕太郎)

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○漁獲量を安定化するためには  

 平成3年ごろマダイ、キンメダイ、ヒラメの資源培養管理推進事業の会議が名古屋であった時のこと。会議に先立ち時間が少しあったので、有名な資源管理学者で亡くなられた長谷川 彰先生と名古屋城の天守閣に上り、名古屋市内を観覧しながら話したことを思い出しました。

 長谷川先生 いわく、「資源管理は漁業者の欲を如何に抑えるかにかかっていて、漁獲が減少している時にはなかなか漁獲規制は難しいもので、資源管理を成功させるためには、普段からその資源を大事に使う心がけを醸成しておくことが大切ですよ。」と言われたことが印象に残っています。

 また、「資源管理は、極端な不漁の後に禁漁を行うことや卓越年級群と呼ばれる大量発生があったときに、その管理を速やかに実践する体制を作ることが必要です。」とも言われました。

 

 太平洋で獲れるマサバ群は、1978年に147万トンと最高の水揚げを示しましたが、その後、2002年には5万1千トンとピーク時のわずか3.5%となりました。イワシ、サバ、サンマなどの多獲性魚には長期的な変動があることが知られていて、豊漁と不漁を何十年かの間隔で繰り返しています。

 しかし、せっかく何十年ぶりかに発生した大事なマサバ資源を、その再生産が成功しないうちに獲ってしまう「大型まき網漁業による弱齢魚の漁獲」は、マサバ資源の持続的な復活の芽を摘み取ってしまう行為との印象を持っています。

 

 大型まき網漁業は効率的な漁業で、近代的な経営を行う漁業として大臣許可に基づいて行われています。また、水産加工業者の原材料を供給する役割を担っていて、水産業全体の維持には欠かせない存在と言われています。

 しかし、伝統漁法であるさばたもすくい網漁業や釣り漁業、定置網漁業は、まき網と比較して非効率な漁業ですが、資源を大切に利用するためには、中長期的にみると生物の再生産を上手に利用する漁法として優れているのではないでしょうか。

 資源管理の方法として、ノルウェーで採用されているITQ(個別割当制度)と日本で採用しているオリンピック方式のTAC(漁獲可能許容量制度)を比較すると、ITQの方が個別経営体レベルでは弱齢魚を漁獲すれば経営的に不利になることから良い方法と言えます。

 そして、大型魚になってから再生産に必要な親魚量を残して漁獲割当をする制度も併用することにより経営が安定し、漁獲量を安定させることができるのではないでしょうか。 

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○サバカン

 私は時々サバカン(さばの缶詰)を酒のつまみにします。そこそこおいしいと思いますし、手軽に食べられます。DHAやEPAといった成分の摂取も期待できますし、なんといっても1個100円程度でお安いですからね。

 さて、サバカンといえば「1個(約)100円」という印象があるのですが、先日、近所のスーパーで1個358円(!)というサバカンを見つけました。何でもそのサバカンは三陸のブランドさばである「金華さば」を使ったものだということでした。「ちょっと高いな」とは思ったのですが、「これは食べ比べしなければ!」と水煮と味噌味を「金華さば」のサバカンと普通の1個約100円のものをそれぞれ買って食べてみました。

 金華さばのサバカンは100円ものと比べて原料のサバが大きいものが使われており、油ののりも良いようでした。水煮の方は調味料があまり使われていないためか、私には原料の良さ以上の違いはわからず、「これなら、100円の方でも良いかな」と思いましたが、味噌味のものは格段に違いましたね。

 100円のものも悪くはないのですが、より良い調味料を使用しているためか「金華さば」の方が1枚も2枚も上だな・・・という感想でした。値段を考えなければ、絶対に「金華さば」の方を選びますが、「サバカン=1個100円」の私としては1個約360円の「金華さば」を選ぶのはちょっと考えてしまうなぁ・・といったところでした。

 ところで、当センターの食品加工担当の臼井さんよれば、サバカンの製造法が変わってきたということです。以前は、中身を詰めたのち、味噌味とか醤油味とかの調味料を入れて封をした缶詰を加熱することで、加工とともに殺菌し、なるべく風味を残すようにしていたそうですが、現在では、風味は多少犠牲にしても「早く確実に加熱・殺菌ができればよい」ということで高温・短時間の加工をするところもあるそうです。

 また、醤油味とか味噌味のサバカンでは、調味料の価格も厳しく抑えられているとのことでした。しかも、そのような努力にもかかわらず、採算割れしている企業がほとんどなのだそうです。

 価格破壊が叫ばれて久しいですが、「1個100円」のイメージがある商品としては製法の変化も調味料の吟味も致し方ないところなのでしょう。好きなもの・おいしいものを食べるためには「サバカン=1個100円」というところから改めなければいけないのかもしれませんね。

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□ お知らせ

〈広報部会より〉 11月23日(金曜日)は祝日のためメルマガはお休みします。次回は、11月30日(金曜日)の発行となります。

○ 参加者募集!

 

アマモの苗床作り種まきイベント 平成19年11月17日(土曜日)

 アマモ場再生活動に参加したことのある方もない方も、お気軽にご参加ください。今回は、来年の5月頃に東京湾に植え付けるアマモの苗を作るために、城ヶ島の水産技術センターにおいて苗床作りと種まきを行います。

 詳しくは、水産技術センターHPで「アマモ場再生への取り組み」から「今後のイベントスケジュール!」をご覧ください。

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