神奈川県水産技術センター メルマガ229

掲載日:2014年2月3日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.229 2008-01-18

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.229 2008-01-18
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□研究員コラム

○続・相模湾西岸のアカナマコ  (相模湾試験場  木下 淳司)

○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その7】 (資源環境部  山田 佳昭)

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○続・相模湾西岸のアカナマコ

 メルマガ163号にて「相模湾西岸のアカナマコ」と題し、アカナマコ(標準和名マナマコ)の生態を解明し資源の持続的利用に役立てる取り組みを始めたことを書きました。

 今回の話は2007年1月から現在まで行っている調査で分かったことについてです。なお調査地点は相模湾西岸で一般的な岩礁域で、カジメが濃密に繁茂し、かつマナマコの漁獲が少ない場所です。

 マナマコの平均密度(5m以深)は活動期と考えられる1-4月において、1平方メートルあたり0.3-0.9個体でした。マナマコは3m以浅ではほとんど見られませんでした。5月以降出現密度が減少し、7月には全ての個体が転石や岩礁下に隠れており、夏眠期に入ったと推測されました。

 マナマコが夏眠を終え、岩礁の上に出現し始める時期は11-12月でした。重量は300g以上450g以下の個体が最も多いという結果でした。1月と7月はより重量の小さい個体の割合が高い傾向が見られ、1月は活動期に入って間もないこと,7月は休眠期に入っていたためと推測されました。生殖腺熟度指数の月変化から、相模湾西岸では3月が産卵期と考えられました。

 以上のことから相模湾西岸に分布するマナマコは,11-12月から活動期に入り,3月に成熟,産卵した後,7月までに夏眠期に入ると考えられました。活動期の水温帯は概ね13-20度の範囲でした。なお体長7-10cm,重量20-30g程度の小型個体は水深3-10mの転石下でよく観察されました。

 相模湾西岸は小型個体の生息場所が多いため,種苗放流の適地と言えるでしょう。最後にマナマコは浮遊期間が2週間と長いため、相模湾西岸だけに留まらない、より広域的な資源管理が必要であるかも知れません。従って浮遊幼生の来遊・着底機構の解明が今後の重要な課題と考えられます。 

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○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その7】

 水は溶けている物質が多いほど電気が流れやすい、と述べましたが、電荷を帯びやすい物質が多いほど、としたほうが正確ですね。

 食塩水と砂糖水を作り、電池と豆電球と電線で繋いだ実験をしたことがありますか?食塩水では電球が光りましたが、砂糖水では光らなかったのでは?

 食塩水の中では塩化ナトリウムが電離して、塩化物イオンとナトリウムイオンという電荷を帯びやすいものができていますが、砂糖水では電気を帯びにくい砂糖分子がそのまま散らばった状態になっています。そこで電気の流れ方に差が出るわけです。

 電気の流れ具合によって、電荷を帯びやすい物質については、その溶けている量は当たりが付く、これが電気を用いた塩分測定の原理です。電気の流れやすさの指標を電気伝導度と呼びます。電気伝導度は、電気の流れにくさである抵抗の逆数です。

 水は、電荷を帯びやすい物質が多ければ電気抵抗が小さくなり電流を通しやすく、反対に少なければ電流を通しにくい性質があります。すなわち、含有する物質の多少に応じて、水の電気伝導度が異なってきます。

 溶液の電気伝導度を測定するには、ホィートストン・ブリッジとかコールラウシュ・ブリッジという回路が用いられますが、海水を測る場合にもこれらを改良した回路を組み込んだ装置が使われます。この装置を、塩分計とかサリノメーターと呼びます。この装置は、滴定法よりも数倍早い、精度が極めて高い、簡単、個人差が少ない、といいことずくめです。値段は高いですけど。

 言い忘れましたが、電気の流れ方は温度に大きく左右されます。よって、この塩分計には恒温機能で温度を一定に保ったり、温度補償機能で温度の違いを調整したりしています。

 さてさて、塩分の話もようやく大詰めを迎えてきました(もう2,3回続く)。

  

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