神奈川県水産技術センター メルマガ235

掲載日:2014年2月3日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.235 2008-02-29

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.235 2008-02-29
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□研究員コラム

○事故   (資源環境部長  高田 啓一郎)

○健気に生きる「イワシ」  (栽培技術部  沼田 武)

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○事故

 2月19日未明、野島埼沖で千葉県の漁船と海上自衛隊の護衛艦が衝突、漁船は沈没、乗組員2名の方が行方不明という大きな海難事故が起きました。

 事故発生時、当所の調査指導船「江の島丸」は伊豆大島近くでの漁場調査を終了して三崎漁港へ向け帰港中でしたが、事故の報告を受けるや直ちに反転、捜索活動に加わりました。残念ながら乗組員の方は発見できませんでしたが、遭難漁船のものと思われる防舷材を回収し僚船に引き渡しました。

 伊豆諸島周辺はサバやキンメダイの好漁場であり、大小の船舶が行き交う事故発生海域は本県漁業者にとって漁場への通り道、また「江の島丸」にとっても調査のたびに通過する海域です。今回の事故で、海の上ではちょっとした不注意が大変な結果を招くことを改めて認識するとともに、二度とこのような事故が起きないようにと祈らずにはいられません。

写真 漁業調査指導船「江の島丸」

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○健気に生きる「イワシ」

 相模の海には多種多様な魚介類が生息し、これら海の恵みによって多彩な漁業が営まれているとともに、多くの人たちが四季を通じて遊漁を楽しんでいる。

 相模湾や東京湾に来遊するイワシには、マイワシ、カタクチイワシ及びウルメイワシの3種があり、定置網やイワシまき網、シラス船びき網などにより幼魚から成魚までを漁獲対象とする沿岸漁業の重要な魚種である。

 イワシは、数十年周期で豊凶を繰り返すといわれており、そのなかでもマイワシは、昭和40年には1万トンにも満たなかった全国の漁獲量が、昭和63年には450万トン以上の豊漁となり、その後は急激に減少して現在では10万トンを大幅に割り込んでいるように資源変動の極めて激しい魚種である。

 本県においても、昭和59年には定置網を主体に2万トンもの漁獲があったが、近年は200トンから1,000トンで推移している。

 このような資源変動は、地球規模の長期的な気候変動に伴う海洋環境の変化によって、マイワシの餌となるプランクトンの発生量が増減し資源量に影響を及ぼすのである。さらには、サバやアジ、サンマなどとの魚種間相互が関連した優占種の魚種交代が変動を促すなどと考えられ、海洋汚染や乱獲などの人為的な要因ではないとしている。

 しかし、国では、現在の若令魚を主体とした低水準の資源状態において、無秩序なマイワシ漁業の継続のもとでは資源の回復は期待し得ないとして、平成8年に批准した国連海洋法条約に基づき、毎年の全国での漁獲可能量を決めて資源管理を行っている。にもかかわらず、資源状態はさらに悪化しており、平成20年の漁獲可能量は5.2万トンに削減した。

 海の生物は、食うか食われるかの食物連鎖によってピラミッド型の生態系を形成し、イワシは、植物プランクトン、動物プランクトンとともに食物連鎖の底辺にあってこれを支えている。自然の生態系において、マイワシの資源変動は普遍的な生物特性であろうが、一度、これに人間が関与するとこの限りでなくなる。

 大型の魚やイカに、海鳥に、イルカやクジラに食われるという宿命を背負い、さらに人間のハイテク化した漁獲圧にもかかわらず、種を絶やさないようにと健気に生きるマイワシは不憫な魚である。

 当のマイワシは、いつの間にか仲間が少なくなった、親も兄弟もいなくなっちまった。これじゃあ、そのうち希少魚だの絶滅危惧種だのの肩書きが付いてしまいそうだと、憤り嘆き悲しんでいることであろう。

 しかしながら所詮はイワシの仲間、「ごまめの歯軋り」としか聞こえてこない。 

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