神奈川県水産技術センター メルマガ239

掲載日:2014年1月30日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.239 2008-03-28

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.239 2008-03-28
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□研究員コラム

○ホシガレイの話2  (栽培技術部  原田 穣)

○ケータイ海況図ものがたり  (資源環境部  樋田 史郎)

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○ホシガレイの話2

 以前、何回か取り上げたホシガレイですが、当センターでは種苗生産・放流のほかに、自家採卵をするための親魚の養成も行っています。

 当センターで生産しているホシガレイの種苗は、ほとんど他の種苗生産機関から受精卵を分けてもらって作っています。全国的にみても、ホシガレイの種苗生産はまだまだ不安定で、特に100%人工的に養成した親魚から採卵し、安定的に大量生産できている機関はあまりありません。

 また、自然界で成熟・抱卵している親魚から採卵して、安定的に種苗生産することは可能になりましたが、海で漁獲した魚を使うということで、毎年必要な数を調達できなかったり、病気を持ち込んだりする心配もあります。特に、本県では周辺海域でホシガレイがほとんど漁獲されなくなってしまい、人工養成の親魚から採卵する技術の開発が求められています。

 ただ、当センターでは、親魚養成に関して次のような大きな2つの問題があり、これまでなかなか思うような成果を出せませんでした。第1に、施設上の制約です。当センターには、種苗生産を前提とした親魚養成施設がありません。第2に、当センターの地先の水温が、特に夏期に高温になりすぎ、ホシガレイがダメージを受けて斃死しやすいことです。

 第1の問題点については簡単に解決できる方法はありませんので、第2の問題点について技術的に対処できるかを探りました。まず、ストックできる親魚の数が少ないので、とにかく死なせないことを考えました。死なせないためには、クーラーを入れて、飼育水を冷却すればいいのですが、それだと電気代がかかりすぎてしまいます。

 また、斃死の原因は高水温だけとはどうも考えられなかったので、視点を変えて、飼育環境を改変するのではなく、魚自身を丈夫にすることとしました。

 そこで、栄養強化のために与える餌の工夫などをしたところ、効果はてき面に現れ、2006年に45%だった夏期の成魚の生残率が、2007年には91%にまで改善されました。

 また、「夏の激ヤセ」を体質強化で防止できたおかげで、体力が温存され、今年の採卵シーズン(2-3月)には、当センターでは初めて、養成親魚から何回も採卵することが可能になりました。採卵の詳細については、また次の機会にお伝えします。

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○ケータイ海況図ものがたり

 海況情報をご利用くださりありがとうございます。

 当所ではホームページを通じて海況情報を皆様にお知らせしていますが、神奈川の沿岸漁船は、洋上でインターネットを閲覧できず、また、泊まりがけで出漁する漁船もあることから、携帯電話での情報提供に力を入れてきました。

 ケータイ海況図を開発した当初(2003年)には、携帯電話は表示能力が小さい機種が多数だったものの、大きい画面の機種が普及しはじめた時期で、使い物になる画像の大きさを模索する必要がありました。大手の携帯電話通信事業者の公式見解は、非常に小さな画像しか保証しないということであり、実用的な仕様の決定には参考になりませんでした。

結局、先に公開していた「リアルタイム海況データ」の利用状況から、画像の大きさを検討しました。

 ほとんどの利用者が閲覧可能な大きさは、シェア第2位以下の会社の携帯電話への対応で「共通のページを作って電話会社の機能で変換してもらう」という普通の方法では、変換の際に処理してくれないという問題が発生する大きさでした。

 そこで、各社に合わせて全く違う技術のページを用意することにしました。それで当初に目処が立ってすぐに公開するつもりでしたが、互換性の確認してから公開せよという判断が下されました。現実には、複数の電話会社と多数の機種があり確認できず、試行と言う形で漁業者に閲覧いただいて互換性の確認をすることにしました。

 互換性に関するクレームが無かったため2005年に正式公開となりましたが、開発した本人としてはあまりに遅きに失した感で一杯でプレス発表等は行ないませんでした。

 また、この辺の開発の顛末は論文にまとめましたが、実はその時点で時代遅れの情報でした。開発してから年月を経て、携帯機種の事情はだいぶ変わってきました。

 そこで、先日、2007年の1年間のデータを対象に利用状況の解析をしました。結果は、横方向で230画素表示できる機種が96%を占めており、 160以上であれば99%を超えていました。これまで表示能力の限られた機種への対応で画像が大きくできなかった足かせが1段外せることとなりました。

 そこで、今までの冒険的な大画像を標準サイズとし、新たな大画像は現行多数の機種の画面の横幅に合わせて改めました。縦形の画像で画面一杯にする選択肢もありますが、大きくすると電話代が嵩むので今後の課題としました。

 また、HDMLと言う技術が必要な端末の利用は、1年間に4件あるだけでした。予想はしていましたが、複雑な技術が必要で開発に苦労した HDMLはもう完全に想い出の世界に行っておりました(来年度にはHDML版の正式な廃止も要検討か)。

 海況図は、手描きの図なので、スキャナで取り込んで縮小します。そのため自由な伸び縮みができない画像にせざるを得ませんでした。

 図の作成過程をすべてコンピュータを使えばどんな端末に対しても伸縮可能なサービスを提供できる可能性があります。 4月から公開する新しい海況図は、平成17-19年度の3年間に6都県と大学の共同の研究プロジェクトで開発し、コンピュータで清書するようになりました。

 伸縮可能な画像については強く主張したものの、対応不可能な技術開発が決定されてしまい、理想には手が届きませんでした。しかし、カラーの図が出せるようになったので、以前より使い易くなったのではないでしょうか。

 ※ケータイ海況図

  http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/k/k.asp

 ※ケータイ海況図のご案内(PC向け)

  http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/k/Guide.asp

 ※参考論文:携帯電話対応の海況図生成システムの開発(pdf,2MB)

  http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/pdf/SUIGIKN/suigiken2-11.pdf

□お知らせ

○新しい海況図の公開!

 四国沖合から房総半島沖合までをカバーする広域の海況図作成システムを開発しました。

 新しい海況図は4月1日から正式公開します。

  http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/kaikyozu/KantoTokai.asp

 従来の伊豆諸島海域もカラー版で閲覧できます。

  http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/kaikyozu/KantoTokaiIZ.asp

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<お知らせ> メルマガが本になりました。

 ご愛読ありがとうございます。

 メルマガNo.237(リンク)でもお知らせしましたが、足掛け6年、400編を超える当メルマガの中から、三浦半島の海とおさかなに関する記事65編を選りすぐり、1冊の本にしました。

 三浦半島の主な書店においてありますので、是非一度お手にとってみてください。

 『三浦半島のおさかな雑学』

  東宣出版 四六版 140ペ-ジ 定価1,050円(税込)

  並製本 カラーカバー 本文単色

 (企画)神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター

 (編集)神奈川県水産技術センター

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住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311

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