神奈川県水産技術センター メルマガ247

掲載日:2014年1月30日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.247 2008-05-23

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.247 2008-05-23
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□研究員コラム

○「よもやま話 7」  (栽培技術部  村上 哲士)

○山立てはGPSに勝る  (相模湾試験場 木下 淳司)

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○「よもやま話 7」

 よもやま話も7回目となりましたが、今回も現在の話となります。

 実はこの4月で異動となりました!前回と同じく所内での異動、ただし部は変わって栽培技術部となり、8年ぶりの生産現場復帰となりました。 魚類の生産担当となり、4月からヒラメ・ホシガレイ・トラフグのチビさん達の飼育の真っ最中です。

 魚の生産は手伝いではしたことがありますが、担当として行うのは初めてであり、日々これ勉強の状態となりました。「人間いくつになっても勉強」を身に染みて感じている今日この頃です。それでも嫌いな仕事ではないので楽しんでやっています。

 何よりも経験豊富な技能員さん達がいてくれるのは心強い限りです。研究員は何年か経つと異動してしまう場合もありますが、技能員さん達は特別なことでもなければ異動はありません。

 種苗生産の現場で安定した生産が継続してできるのは、彼らの存在があるからこそです。お陰様で4月からいきなり現場に入っても何とかこなせている訳です。技能員さんにしても何人かは定年退職されましたが、以前私が居た頃の方もまだまだ在籍しておられます。

 一番の問題点は、想像はしていたのですが、私の体力でした。8年間の怠惰な生活のツケは大きく、万年運動不足がたたって、一ヶ月余りが過ぎた現在、体中が筋肉痛の状態はいつになったら解消されることやら・・・。暖かくなってくる頃ですから、少しずつ運動でも始めようかと考える今日この頃です。

 生産などの話については、「よもやま話 8」以降でお伝えしていこうと思っております。まずは、ご挨拶まで。

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○山立てはGPSに勝る

 何の目印もない海上で、漁師は魚が獲れるポイントを山立てという技で記憶してきた。山立てとは、船上から陸を見て、陸に複数の目印を定め、目印の交わる点で位置を知ることである。

 今は漁船にもGPSプロッターが装備され、山立ての技術は失われつつある、と一般には思われているだろう。しかし船外機船などの小船を使い刺網や潜りの漁をする人達の中に、山立ての技は今も生きている。

 その日は漁船を借りて試験場から近い小田原沖の潜水調査であった。晴天で凪、透明度も高かった。しかし気持ちよく調査を終え浮上すると、状況は一変していた。いつの間にか南西の風が強まり、白波の向こうに船が見えたり隠れたり。私たちに気づいた船頭はすばやく船を寄せてくれた。

 しかしその時、あろうことか同僚のボンベがするりとハーネスから抜け落ち、水深20メートル近い海底に沈んでしまったのである。高価なボンベだから何とか回収したい。しかし私のボンベの残圧も少なかったので、一度港へ戻り新しいボンベを取りに走った。

 再び出航したが風はさらに強まり白波が激しく立っていた。普段は温厚な船頭が、鬼の形相で(私にはそう見えた)“ここだから早く潜れ!”と怒鳴った。私たちは慌てて飛び込んだ。ボンベは直下の海底に鎮座していた。

 三浦半島で漁船を借りて魚礁を調査した時、そこは沖の浅場で陸地は遠かった。私には山立ての目印など見当たらない。しかし漁師は何の迷いもなく船を止めアンカーを打った。 “ちょっと通り過ぎた。アンカー沿いに潜って、船が来た方向へ戻れ”と言われたのでそのとおりに進むと、魚礁が現れた。

 そして今は、とても広い範囲の暗礁の位置を全部記憶している船頭の助けを借りて、藻場の調査を続けている。

 私たち研究員はGPSを使ってポイントの位置を知り海に潜る。しかしポイントを外して海底をさまよい、残圧がみるみる減って行くという事態が時々ある。人間の中に現代の測位技術を凌ぐ技が宿っていることに、私は畏敬の念を持つ。そして自分にそんなセンスがないのがとても悲しい。

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