神奈川県水産技術センター メルマガ255

掲載日:2014年1月30日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.255 2008-07-18

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.255 2008-07-18
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□研究員コラム

○丹沢湖におけるワカサギ仔魚の初期飼育と標識放流について (内水面試験場 櫻井 繁)

○-イイダコの2世、誕生- (企画経営部  臼井 一茂)

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○丹沢湖におけるワカサギ仔魚の初期飼育と標識放流について

 丹沢湖におけるワカサギ釣りは、秋から冬の観光資源として重要な位置を占めており、山北町環境整備公社では、ワカサギ資源を増やすためふ化放流を行っています。諏訪湖や北海道、芦之湖漁業協同組合等から購入した約1億粒の発眼卵をふ化させ、毎年、放流をしています。ただ、年によって資源量や釣果が安定しないことが問題となっていました。

 そこで、公社では、平成15年、放流後の生残率を高めるために、諏訪湖から購入した発眼卵を水槽でふ化させ、ふ化仔魚にシオミズツボワムシを30日間与えて飼育しました。約100万尾の稚魚が順調に成長し湖に放流しました。そのおかげかどうか分かりませんが、その年の冬のワカサギ釣りは例年になく好調でした。

写真1はこちらから 

 また、放流効果を把握するため、ふ化器で発眼卵を管理している時にALC(アリザリンコンプレキソン)で標識付けを行っています。この標識は、カルシウムに沈着するので、耳石に付きますが、稚魚や成魚でも耳石を取り出して観察することができるので、現在、調査を継続中です。このような先進的な取り組みは、他県でもあまり取り組まれていないので、是非とも継続して行ってもらいたいものです。 

写真2はこちらから 

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○-イイダコの2世、誕生- 

 前にイイダコを紹介したおり、11月の中頃に湯飲みの中で産卵していて楽しみにしていました。文献などではひと月半程で孵化すると記載されており、クリスマスにはと期待していました。ですが、クリスマスを過ぎて、年が明けても、バレンタインデーになっても全く孵化してくる様子が無く、透明感のある乳白色の米粒状の卵は湯飲みの中にぶら下がったままでした。

 上手く受精ができていなかったのかな?と、餌も食べずに酸素の豊富な海水を卵に吹きかけて頑張っているイイダコママが、だいぶ痩せたような感じがしたので、エビやアサリあげてみるのですが、食べるどころか拒絶するだけなので、とにかく45センチの小さな水槽にほっておきました。

 ワカメも枯れ始め、海水もぬるくなってきた4月の中旬、いつものように湯飲みの中にいるイイダコママを見ると、なにやらモゾモゾと8本の腕を震わしたり絡め合わせたりと、まるでパイレーツオブカリビアンのタコの腕をヒゲに持つデビヴイ・ジョーンズみたいにしてると思ったら、おもむろに卵をちぎって湯飲みからはずしだしました。

 ああっ、もう終わりなんだね。と、言おうとしたところ、よくよく見ると、小さな小さなイイダコの赤ちゃんが白い卵嚢をもって細くて透き通った腕を伸ばしてあちらこちらで歩き回っていました。そう、産卵してからなんと半年もかかって誕生したのです。

 海水も温む春まで、腕と腕の間の膜が透けるて、繊維がよく見える程痩せほそった体になりながらも、我が子供達のため、卵にいつでも酸素供給のために海水を送り続け、更にカニなどに食べられないように、慈しんで世話をしてきた結果なんですね。

 最初は28杯も居たのですが、GWを挟んで12杯だけが順調に生長し、カイワレやアミなどの小型の生きものを捕まえて食べ、見る間に大きくなってきました。現在では、隠れ家用に入れたダンベイキサゴの貝殻に入って、双葉のような感じに見える両目を潜望鏡のようにして外を見渡し、周りを良く観察しながら、体を隠しています。

 夕方にもなると、全てのオチビちゃんがのそっと出てきて、あちらこちらとはい回り、動くモノには長い腕を伸ばし、抱きついて捕食します。そう、小さなカラスガイも捕まえて、きれいに割って食べていますよ。

 先日、ママイイダコを捕まえたところに、2杯だけ放流してきました。1杯はスイッと泳いで海の底に、もう一杯はダンベイキサゴの殻から出てこないので、そのまま沈めました。残りのちびちゃん達は、様子を見ながら半分は放流し、半分は育ててみようと思います。

 

写真はこちらから 

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