神奈川県水産技術センター メルマガ260

掲載日:2014年1月28日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.260 2008-08-22

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.260 2008-08-22
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□研究員コラム

○あなご学うんちく(8) (資源環境部  清水 詢道)

○魚の飼育に要の水  (所長  長谷川 保)

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○あなご学うんちく(8)

 2月から3月にかけて、東京湾に来遊した葉形仔魚は4月にはほぼ変態を終了して姿形ともにマアナゴとなり、活発に餌を食べてどんどん成長します。平均的にみると、9月で全長20cm、12月で30cm、翌年4月で36cm、東京湾では36cm以上が水揚げできる大きさなので、葉形仔魚として東京湾に来遊してから1年かかることになります。

 東京湾ではまだ小さくて水揚げできないものをメソ、水揚げできる大きさをアナゴと呼んでいます。水揚げできる大きさは地方によってかなり異なり、大阪湾では28cm以上が水揚げできる大きさです。ちなみに、もっと大型になると東京湾ではボク、大阪湾ではデンスケ、ベエスケなどと呼ばれるようです。

 食べるのにちょうどよいおいしい大きさ、というのは個人差がありますが、値段的には40cm位が全国どこでも最も高いようです。

 メソは毎年9月ころからアナゴに混じって漁獲されるようになりますが、それより前にはどこに生息しているかよくわかりませんでした。この時期をメソ1、9月以降をメソ2と呼んで区別し、メソ1はアナゴと異なる場所に生息しているが、メソ2になると分布が重なるようになる、と考えていました。でも、成長するのに伴って食べる餌が変化する、という生物一般の原理からみて、メソがアナゴと同じ餌を食べるようになるのが全長20cmくらいで、それまで一緒には漁獲されなかったメソとアナゴが同時に漁獲されるようになった、という側面も大きいのではないかと思います。

 できるだけ小さいメソを集めるために、筒漁業者の皆さんに見つかり次第とってちょうだい、とお願いしたことがあります。集まった標本のほとんどが千葉県側で獲れたものでした。

 メソのおもな分布域は、浅い海域の広い千葉県側にあると考えていますが、そこにはアナゴも分布している、ということなのでしょうか。2001年8月に千葉県の木更津沖で行った筒を用いた調査で、全長30-50cmのアナゴ224尾と全長11-22cmのメソ106尾が同時に採集されました。実は、これ以前にもメソを採集するための調査をかなり行っていたのですが、メソをしっかり採集できたのはこれが初めてだったので、かなり嬉しかったのを覚えています。 

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○魚の飼育に要の水 

 先日、東京都の奥多摩にある養殖センターに行く機会がありました。このとき感じたことを少しご紹介します。

 この養殖センターでは、ニジマス、ヤマメ、イワナの種苗生産をして、周辺の内水面漁協や養殖場に配布する仕事を行っています。 「養殖、種苗生産」となれば、生産する者にとって気になるのは、「まず、水の確保はできているか」ということになります。

 このセンターは、多摩川の支流(川幅5メートル程度)のすぐそばにあり、7月の始めでしたが、その支流の川水は勢いよく流れており、種苗生産などに必要な水は十分にあるように見えました。しかし、養殖センターの職員の方に聞いてみると、夏場はまだよいが、冬場は水量が少なく、また、多い年、少ない年など変化があるため、毎年、苦労をしているとの話でした。

 確かに、この養殖センターで取水した水の使用状況を見ると、取水された水は、紫外線装置で殺菌した後、(1)まず、最初に卵のふ化施設で使われ、(2)次に稚魚池で使われ、その後、(3)さらに飼育池(魚を大きく成長させる池)へ流れていきます。このように取水した水を最大限に利用していました。なお、その排水を(4)さらに別の養殖事業などに使うという話もありました。私は、水産でも栽培や養殖の専門ではありませんが、その水の使い方を見て、やはり、水で苦労しているのだと感じた次第です。

 三浦市城ヶ島の当水産技術センターでも、海水を揚水して種苗生産などに使っていますが、魚や貝類などの生き物を順調に生産するには、基本となる海水(生育環境)の確保が大切な仕事の一つとなっています。 

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