神奈川県水産技術センター メルマガ265

掲載日:2014年1月28日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.265 2008-09-26

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.265 2008-09-26
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□研究員コラム

○見習うべきところが多い漁村社会 (企画経営部 鎌滝 裕文)

○冷蔵庫の中のエイリアン (資源環境部 加藤 充宏)

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○見習うべきところが多い漁村社会

 10年近く普及指導員として現場を見てきたものとしては、漁村の中にも見習うべきことが多いと思っています。漁村には、現代社会のように窮屈ではない、人情味溢れた懐かしい昭和の下町の感じがあります。それだけではありません。私が担当している漁村地区には高校野球の全国大会に出場した、つまり、甲子園へ行ったひとたちがいます。神奈川といえば全国一の激戦区で、そこでレギュラーを獲得するということは大変なことです。何か理由があるのではと思いました。

 まず、漁村の子供たちはのびのびとしていて、過剰なまでに個人情報保護になった現代社会と違って、大人・子供の区別を問わず近所のみんなが漁村のひとたちの名前を知っています。悪いことをすれば他人の子供だろうが大人が注意をしています。

 そして漁村の子供たちが何よりすごいのは多少のプレッシャーには強いと感じることです。近所の人から怒られようが、自分の親から怒られようが、平気な顔をしています。怒られた子供と話すと悪い部分はしっかり認めていて、怒られてもしょうがいないと思っていたのです。

 子供たちが素直なのにはそれなりの理由がありました。近所の人たちや親も含めてその子供のよいところはきちんと認めていて褒めているということでした。こうしたことが子供の才能を伸ばすひとつのきっかけになっていると感じました。

 まだ、漁村社会は閉鎖的だと言われますが、私は漁村社会が子供のころからプレッシャーに強く精神力の強い人たちをつくりあげ、そうした背景があって自然とスポーツに強い人間が育っていると感じました。そういえば北京オリンピックで金メダルを獲得したソフトボールの西山選手も横須賀の漁村育ちです。才能や努力もあるかもしれません。それでも、わたしは漁村社会に見習うべきことがあるのではないかと思っています。

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○冷蔵庫の中のエイリアン

 前回の記事(VOL.246)では言うのを忘れてましたが、私は今年の春、7年ぶりに水産技術センター(以前は水産総合研究所という名称)に戻ってきました。復帰当初はすっかり浦島太郎状態で、周りに新しい調査の内容を聞きまわったりしてましたが、その中で興味を惹かれたのが相模湾のマアナゴ資源調査です。

 これは大型のマアナゴを採集するために、相模湾の水深250m付近にカゴ網を沈める調査なのですが(詳細はVOL.013参照)、その時に“あるもの”がいくらでも取れると聞いた私は「生かしたまま持って帰ってきて!」と調査担当者に無理やりお願いしたのです(はた迷惑な話です)。

 そして8月下旬のある日、アナゴ調査から帰港した調査船を迎えに行った私は、みんなから「こんなもん、どうするんだ!」と言われつつ、クーラーに入った“あるもの”を受け取りました。その“あるもの”とは・・・日本最大の等脚類(ダンゴムシやフナムシの仲間)、オオグソクムシです。

 このオオグソクムシ(漢字で書くと「大具足虫」。具足とは鎧や甲冑のことです)、カゴ網に入った魚を食い荒らすので漁業者からは嫌われていますが、キモカワブーム?の昨今では水族館等でも展示されているようです。私自身、生きているものを見るのは初めてだったのですが、まるでSF映画に出てきそうなフォルムは、この手のモノが好きなヒトにはたまらないのではないでしょうか?(嫌いなヒトには別の意味でたまらない?)

 個人的には、(1)最大15センチに達するカブトムシより大きな体、(2)サングラスをかけたような顔つき、(3)カギ爪のついた歩脚、などがチャームポイント(?)だと思ってます。

 本種が採集された水深250m付近の水温は8-10℃前後、溶存酸素量は3ml/l以下と、ともに浅海域に比べればかなり低めです。観賞魚用クーラーを持ち合わせていない私は現在、たまたま空いていた家庭用冷蔵庫にプラケースを入れ、その中で彼らを飼育しています(この方法ではフィルターが設置できないため、頻繁な水換えが必要)。餌はアジの切り身などを与えていますが、貪欲そうなイメージと異なり、今のところ割と小食です。

 考えてみれば、広くて静かな深海から急に引き上げられ、狭いところに閉じ込められたのですから、小食になるのも無理はないかもしれません。ただでさえ不機嫌そうな彼らの目が、冷蔵庫の扉を開けるたびににらみつけてくるように見えるのは、はたして気のせいでしょうか・・・?

 写真はこちらから(※虫などが苦手な方は少し注意!)

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