神奈川県水産技術センター メルマガ267

掲載日:2014年1月28日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.267 2008-10-10

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.267 2008-10-10
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□研究員コラム

○アンデスの旅とチチカカ湖のマス鍋  (相模湾試験場 木下 淳司)

○これ気になってるんです^^;  (企画経営・資源環境部長 川原 浩)

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○アンデスの旅とチチカカ湖のマス鍋

 旅が好きで休暇をもらうと、ひとりフラフラ海外へ出かけている。そして仕事柄、ついつい水産物に目が行ってしまう。今回は南米ペルーのチチカカ湖畔で食べたマス鍋の話をしよう。

 2004年8月下旬のことである。日程に余裕がないので、平地の首都リマからいきなりアンデス高原の標高3400mに位置するクスコ市へ空路入った。自分が高地に弱いことは以前の富士登山で自覚していたが、この時も到着の翌日から高山病の症状が現れた。僕の場合は頭痛、悪寒、吐き気、息切れである。平地に戻るとすぐ治る。これは船酔いが上陸とともに治まるのと同じ感覚である。

 さてチチカカ湖への道は標高4000mの峠を越えるバスの旅であり、信じられないことに雪景色であった。頭痛と寒さに負けそうな僕にとって、ガイドブックに書かれた“チチカカ湖ではマスのスープが食べられる”との一文はとても魅力的であり、大げさでなく心の支えとなった。海外で体調の優れない時、うまい一皿の料理で生き返ることがあるのだ。

 チチカカ湖畔の町プーノに到着してその日の宿を定め、暖かいシャワーを浴びた僕は、マスのスープを探しに夜の町へ出た。ストーブが店の真ん中で赤々と燃える雰囲気のよい食堂を見つけ、火に一番近い席に陣取ってから一杯のマスのスープを所望した。ほどなく出てきたそれは、鉄の深鍋にほんのり色づいたマスの切り身と野菜が煮込まれていて実に美味しそう。何とアワビまで入っているではないか。さすが水産大国ペルー。うつわの形からしてスープというよりマス鍋であった。

 さて早速一口食べてみた。最初に感じたのは“ぬるい・・・・・”熱々を期待していたのだが。アンデスでは熱い料理を好まないのか(熱帯地方ではよくある)。それとも気圧が低くて熱くならないのか。そういえば富士山9合目の山小屋で食べたカップヌードルもぬるくてがっかりしたなあ。

 気を取り直して二口目“うむむ・・・・・”ドロくさいのである。厚切りのマスもアワビも台無し。僕は何となく危険な香りを感じて珍しく食べ残した。しかし向かいの席に目をやると、日本人の学生風2人組みがマス鍋を“うまいうまい”と食べている。こいつらの胃袋はよほど頑丈に出来ているのだろう。

 さて翌朝プーノの町を歩いていたら日本人学生風2人組みと再会した。彼らは昨日の夜中おう吐と腹下しに何度も見舞われたそうで、見るからにボロボロであった。食べ残したのは正解だったようだ。ところで別の旅行者から、チチカカ湖畔で食べたマスはまずかったが、首都リマで食べたものは良かったとの話を後で聞いた。産地からの距離よりも調理の仕方によるのだろう。

 僕がペルーで一番うまいと思ったのはホタテと小エビとイカが山盛りの焼き飯であった。ただし残念ながらペルーの味付けは完全に欧風であり、どれもいつかどこかで食べた味なのだった。

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○これ気になってるんです^^;

 小田原の相模湾試験場在勤中にアンコウの刺し網試験を実施した時に奇妙な魚が大量に掛かった。(写真参照

 紡錘型で後方に向かい細くなり、尾は糸状になって長くのび、体表は鱗に覆われないツルツルしたメタリックボディ。異様に大きな胸鰭、大きな頭にはエメラルド色の目が光り、下についた口から板状の歯が下向きに飛び出してネズミのようだ。

 固体によってはオデコには先がギザギザとなったピンク色の突起と腹ビレの付け根にも似たような器官が出ている。(メスを引っ掛けるためのフックや交接器)

 この魚はギンザメと言い、サメと同じ軟骨魚であるが、約3億万年前にギンザメ類として出現し、サメとは枝分かれして進化をしてきたと言われている。 北海道から太平洋岸、さらに黄海にかけて数百メートルの深海に生息し、海底にすむエビやカニなどを食べている。

 このギンザメの学名はキメラ・ファンタスマ(Chimaera phantasma)と言うが、キメラは頭は獅子、後ろは大蛇、まん中は山羊の姿をしたギリシャ神話の混成怪獣キマイラからきているらしく、そういえば冒頭の奇怪な姿を思うにナイスネーミングとうなづくと共に、創造主のアイデア切れか合体メカの趣味が高じたものかと思わなくもない。

 タイトルの気になっているのは、この姿のことではない。

 この魚、当然ながら神奈川のお魚屋さんの店頭で見ることはないし、市場に水揚げされているのも見たことはない。調べてみたら長崎魚市ではギンブカと呼ばれ東シナ海で操業する底曳網および底延縄でとれたものが普通に入荷しており、肉は不味のため、かまぼこ材料として用いられているとあった。

 一方で、肉は美味だといわれており、中国やニュージーランドでは食用にされるそうだが、日本では練り製品の原料程度という記述も目にした。

 また、以前書いたアンコウの韓国料理での利用に際し、韓国料理店に聞いたら韓国でもこのギンザメは食べているとのことであり、インターネットで香港の会社がギンザメのヒレ(フカヒレのような使い方があるのだろうか?)を買いたいとのページもあった。

 わずか離岸1Km程度の海にこのような魚が少なからずおり、漁業者が営むヒラメの刺し網にも相当掛かり沖で捨てられているようである。 当部では未利用低利用の有効活用のテーマをかかえているが、我々がこれまで目にしない素材がまだあるかも知れない。

 なんとか利用できないものか、ほかにも見落としている魚はないのだろうか・・・ウ-ン 気になるな-ww

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