神奈川県水産技術センター メルマガ269

掲載日:2014年1月28日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.269 2008-10-24

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.269 2008-10-24
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□研究員コラム

○漁獲物の鮮度保持  (相模湾試験場 山本 章太郎)

○海の厄介者 ガンガゼ  (企画経営部 荻野 隆太)

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○漁獲物の鮮度保持

 前回は漁獲物の鮮度保持に「殺菌冷水製造貯蔵装置」が大活躍しているということをお話しました。今回は「殺菌冷水製造貯蔵装置」とともに鮮度保持にとても役立っている「魚体選別装置」についてお話をしたいと思います。

 「魚体選別装置」は、その名のとおり「魚を魚体の大きさごとに選別してくれる機械」で、魚の選別作業を迅速に効率よく行うための設備です。どのような装置かと言いますと、隙間の開いた金属のスリットが、隙間の幅の狭い順に3段階に並んでいて、その一番上の段から魚を流すと、体幅の細い魚から順にスリットの隙間から落ちて選別されるという仕組みです。

 つまり、小さいサイズの魚から順にスリットの隙間から落ちて、3段階のサイズに選別され、最後に一番大きなサイズの魚が残ることで、最終的に4段階のサイズに選別されるという仕組みです。さらに、「魚体選別装置」を通過している間、魚には「殺菌冷海水」のシャワーをかけているので、魚は低温を保たれるとともに、余計な汚れが洗い流される仕組みになっています。

 この「魚体選別装置」ですが、残念ながら選別できるのは「魚体の大きさ」だけで「魚種」までは選別してくれません。つまり、サイズが同じくらいだと「アジ」も「サバ」も一緒になってしまいます。そのため、魚種については最後に人間が手作業で選別しています。それでも選別作業に要する時間は大幅に短縮されました。

 以前はこの選別作業を全て手作業で行っていたので、水揚げが多いときはかなり時間がかかってしまい、魚の鮮度が低下してしまうことがありました。こうなると漁業者にとって嬉しいはずの「大漁」が、厄介な「大漁」でもあったわけです。

 相模湾沿岸の定置網漁業の主な漁獲対象はアジ、サバ、イワシ類、ソウダガツオなどです。これらの魚種は俗に「青魚」とよばれ、鮮度低下が早い魚種です。そのため、鮮度を保持するには、漁獲後は短時間で冷却し、暖かい空気や人の手に触れる時間を最小限に抑え、低温を保つことがより重要になります。「殺菌冷海水製造貯蔵装置」や「魚体選別装置」は漁獲物の鮮度保持にとても役立っています。

 写真はこちらから

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○海の厄介者 ガンガゼ

 今日は、諸磯地区で大量発生しているガンガゼについてです。ガンガゼは南方系のウニで、長く伸びた棘に毒があるウニです。サザエやアワビ狙いの素潜り漁で、知らずに海底の穴蔵に手を差し伸べてガンガゼに刺されたり、イセエビ等を対象とする刺網に絡まってきたり、漁業者泣かせの厄介者です。

 また、ガンガゼは鋭い牙で海藻だけでなく岩場の石灰質までかじる、磯焼けの原因生物としても知られています。「憎まれっ子世に憚る・・」格言どおり、浜値の付かないガンガゼは漁師も獲らず、加えて上昇傾向にある海水温もガンガゼに味方して増加傾向にあります。

 諸磯地先では5年ほど前から大量発生しているそうで、諸磯漁協所属指導漁業士より要請を受けて、9月6日に調査しました。当センター栽培技術部と共に諸磯地先海域に潜った所、人工的に海底地形を造成した築磯海域、天然礁海域共にガンガゼの高い生息密度が確認されました。また、アワビやサザエ等の棲家として好適な穴蔵や窪んだ地形もほとんどガンガゼに占有され、サザエが居候のように切立った壁面に僅かに確認されたのみでした。

 一方、鹿児島県や長崎県ではガンガゼを食用としており、三重県では磯焼け対象生物として有効活用にも取り組まれています。棘に毒はあっても、実(卵巣)は一般のウニと同様に食せます。諸磯地先のガンガゼは、全く獲っていないので殻長10cm前後の大きな物ばかりでしたが、残念ながら夏場が産卵期に当るため、実入りはよくありませんでした。

 実入りが良いとされる冬場に、実入りと味覚を再度調査してみようと思っています。味覚次第ですが、ガンガゼを格安ウニ丼で味わえる日が来るかも知れませんね-。

 写真はこちらから

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