神奈川県水産技術センター メルマガ274

掲載日:2014年1月27日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.274 2008-11-28

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.274 2008-11-28
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□研究員コラム

○シラスの耳石で成長を調べる (資源環境部  仲手川 恒)

○津久井湖遊船協会によるワカサギ受精卵の自家採卵とふ化放流の取り組み(内水面試験場 櫻井 繁)

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○シラスの耳石で成長を調べる

 シラスがどのように移動して漁獲されるか、シラスの漁場形成機構を解明するために、シラスの成長の様子について調べています。シラスは主にカタクチイワシの仔魚(子ども)で、ふ化後1-2ヶ月ほどが経過したものです。

 成長を調べるためには、まず体長を測りますが、同じ長さの場合はふ化日(誕生日)を知る必要があります。木の切り株に年輪があるように、魚の鱗(ウロコ)にも年輪があります。さらに耳の中には「耳石」という、平衡感覚を支えるための小さい塊があります。

 耳石の主成分は炭酸カルシウムで、これまでの研究により、1日に1本ずつ輪紋(日輪)が形成され、成長が速いときは輪紋の間隔が広くなることがわかっています。つまり、耳石の輪紋数から誕生日がわかり、輪紋の間隔から成長の速い時期を知ることができます。採集場所や季節の異なる多数の耳石を観察することで、違いが見えてきます。

 ただし、この研究には根気が必要です。小さいシラスから直径0.1mmほどの耳石を取り出すのにまず一苦労です。さらに取り出した耳石を顕微鏡で観察しモニターに映し出して輪紋を読みますが、これが必ずしも明瞭でないため、また一苦労です。100個ほど観察すると、しばらくは目をつぶっても縞模様が浮かんできます。

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○津久井湖遊船協会によるワカサギ受精卵の自家採卵とふ化放流の取り組み 

 津久井湖では、釣り用ボートを経営している業者が遊船協会という組織を作り、ワカサギ資源を増やすため、受精卵を購入して放流を行っています。

 ワカサギの受精卵は、供給元の湖沼の資源状況に大きく左右され、必要量を確保できない年もあり、ワカサギ資源の不安定化の要因になっていました。そこで、ワカサギ親魚を採捕して、自家採卵・ふ化放流を行っている芦之湖漁業協同組合を視察して、親魚の捕獲・ふ化放流の技術導入を図りました。

 まず、親魚の採捕を行わなければいけないのですが、毎年、神奈川県環境農政部水産課に採捕の申請を行い、3月1日から4月15日まで、道志川において採捕しています。ワカサギは夜間に川を遡上するため、特別に制作した漁具(許可済み)を使用して採捕しますが、3月の夜中作業のため、寒さが厳しい重労働です。

 捕獲した親魚は、芦之湖漁業協同組合で開発した自然産卵法により採卵します。自然産卵法とは、ワカサギ親魚を水槽内に収容するとき、1リットルあたり6-8尾にしておくと、翌朝には放卵するという方法で、発眼率は90%以上になり、ふ化は良好に行われます。以前は、人為的に搾出法によって行っていましたが、この方法では、発眼率が40-60%と極端に悪い状況でした。

 今年は、自然産卵方法により、津久井湖産を1億7千万粒採卵し、他に北海道網走産3千万粒を併せた合計2億粒の受精卵をふ化させて放流しました。今シーズンのワカサギ釣りは多い人で1日500尾を釣っておりとても良好です。

写真はこちらから 

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