神奈川県水産技術センター メルマガ279

掲載日:2014年1月27日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.279 2009-01-09

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.279 2009-01-09
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□研究員コラム

○謹賀新年  (所長 長谷川 保)

○これ、なーんだ?  (栽培技術部 照井 方舟)

○あなご学うんちく(9) (資源環境部 清水 詢道)

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○謹賀新年

 メールマガジンの読者の皆様、「新年、あけましておめでとうございます。」昨年、2008年の世相を表す漢字として「変」が発表されました。まさに激動の一年であったと思います。

 水産関係でも、原油の高騰を受けて漁業者がその窮状を訴えるため、昨年7月に全国で約20万隻の漁船が操業を休む「全国一斉休漁」が日本で初めて実施されました。また、この原油高騰などの変動は、直ちに世界全体に影響することを、身を持って知らされた一年でした。

 県においても景気の煽りから財政状況が大変厳しくなり、経費削減の取り組みが強く求められており、当センターでも年度途中も含めて業務の見直しを行っています。試験研究としてベースとなる海の観測や各種調査については何とか確保しつつ、新たな試験研究にも工夫しながら取り組んでいきたいと考えております。

 本年も厳しい状況が続くとともに新たな変化があると思いますが、水産に関わる新しい課題を解決していくためには、内部の議論だけでなくより幅広い分野の方々のご意見を頂きながら対応していくことが必要と考えており、そのための仕組みづくりにも取り組んでまいります。

 このメールマガジンは水産技術センターを身近に感じていただけるよう仕事の裏舞台や日頃職員が感じたことなどを紹介させていただいております。これまでも関心を持っていただいた内容に関する質問やご意見を寄せていただいております。

 このような皆様から様々なご意見をいただくことは当センターが皆様にどのように映っているかを知る良い機会であり、有難いことと考えております。今年も、今まで以上のご愛読、並びにご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 今年、一年が皆様にとりましてよい年でありますように

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○これ、なーんだ?

 この倉庫に積まれている物体は何でしょう?[写真1]

 実は寒天の原料「テングサ」を出荷用に束ねたものです。「テングサ」と「寒天」については過去のメルマガでも紹介されてますので、細かい説明は省略します。

 No.39「トコロテンのもと

 No.168「城ケ島の裸もぐりについて

 No.263「てんぐさでトコロテンを作ってみませんか

 このテングサの束はどのように作るのでしょう。城ケ島漁協で見せていただきました。テングサ(マクサなど寒天原料になる海藻の総称)は紅藻の一種で、漁師さんが船上から掻き取ったり、海岸に打ち寄せられたものを拾ったりして集め、天日で乾かします。[写真2] (テングサは漁業権の対象となっており、一般の方が採ることはできません。念のため。)

 乾燥したテングサは漁協に集められ、この機械を使って大きな塊になります。[写真3]

 まず、この機械にテングサを目一杯詰め込みます。[写真4]

 次にプレスします。[写真5]

 蓋を開けるとほらきれいに塊ができました。[写真6]

 後は、紐を掛けてできあがりです。[写真7]

 大きなトラックに積み込んで出荷です。[写真8]

 こんな赤黒い塊から、白く透明な寒天やトコロテンができるなんて想像できませんよね。このテングサ、漁協の直売所でも小売りしています。機会がありましたら、ご家庭でテングサから寒天・トコロテン作りに挑戦してみてください。

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○あなご学うんちく(9)

 メソの情報は、前にも書いたように、9月になると増加しますが、東京湾の中でどのように分布しているのか、どのような移動をするのか、まではなかなかわかりません。そこで、メソの標識放流調査を行うことにしました。

 横浜市漁業協同組合柴支所のあなご筒漁業を営む若手漁業者の協力で、柴漁港にメソを集めてもらい、氷で麻酔して体長を測定、アンカ-タグと呼ばれる標識を取り付けて、漁獲された場所まで船で運んで放流しました。

 1991年から1993年にかけて4回、計4413個体を放流し、再捕されたのは147個体(3.3%になります)でした。再捕された場所は、放流した場所のごく近く、という例がほとんどでしたが、北へあるいは東へ、という移動もみられました。全部が東京湾の中で、東京湾から外へ出て再捕された例はありませんでした。

 このほかにも、東京湾内で標識放流調査は行われていますが、東京湾から外へ出て再捕された例はありません。葉形仔魚が東京湾に来遊し、成長してメソからアナゴになり、謎の産卵場にもどるまでは、東京湾で生息する、といえるでしょう。

 しかし、2000年2月に瀬戸内海(香川県)で放流された全長30cmのマアナゴが、翌年10月に福島県相馬沖で全長47cmで再捕された、という例もあるので、東京湾から外に出ない、と言い切れるわけではありません。

 メソの分布と量を把握することは、翌年のアナゴの資源量を判断する上にとても重要です。そこで、神奈川県のあなご筒漁業の人たちは、毎年秋-冬に東京湾内に14の調査点を設けてメソの分布調査を実施しています。

 あなご筒漁業の人たちは、1999年に神奈川県あなご漁業者協議会を設立して、資源管理と操業秩序維持の活動に励んでいますが、メソの分布調査は重要な活動になっています。14の調査点は川崎沖、横須賀沖、千葉県富津沖など東京湾全域に及んでいて、協議会を構成している各組合単位に2-3点ずつ分担して、調査用のあなご筒を各点50本ずつ、夕方海に入れて、翌日朝早く引き上げます。

 私たちはメソの測定と調査記録の整理という形のお手伝い。メソ分布調査のデ-タと翌年のアナゴの資源量との関係が明らかになってきています。

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□広報部会からのお知らせ

 新年あけましておめでとうございます。今年も水産技術センター・メールマガジンをよろしくお願いします。

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