神奈川県水産技術センター メルマガ287

掲載日:2014年1月27日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.287 2009-03-06

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.287 2009-03-06
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□研究員コラム

○食べてみるとこれが意外に・・・  (企画経営部長 川原 浩)

○海にいるアユ  (内水面試験場 高村 正造)

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○食べてみるとこれが意外に・・・ 

 これまで未利用・低利用の魚について思うところを書いてきた。水産振興を仕事としている立場から資源の利用のあり方と漁業経営の視点から何とかならないかの思いであるが、実は食べ物に関して保守的な方である。料理や材料にかなり強い固定観念があり、お店に置いていないものやアレンジした変り種のようなモノは敬遠しがちである。

 魚は骨が多く食べにくいとの消費者のニーズから骨のない魚が話題になった時も魚に骨があって当たり前で、そのような魚食の進め方には大いに疑問を持っていた。ところが昨年末に足を怪我して病院で過ごす羽目になり、病院食のお世話になった。本来骨が多いタチウオやタイ等が切り身や姿焼きでメニューに出されたのだが、それは骨なしであった。

 普段の生活に取り入れようとまでは思わないが、足とはいえ多少動きが不自由な中で食べた骨なし魚は、味は遜色ないし、むしろ食べ易く有難いとさえ思った。いろんな立場の方に安全で手軽に魚を食べる機会を作っていることに骨なし魚の存在を感じ入り、自分よがりの中で考えていたことを思い知った。最近これと似たようなことがもう一つあった。

 アカモクである。当所職員がこれを広めようと熱心に取り組んでおり、このメルマガのなかでも何度か紹介している。活動自身は意義あるものと応援していたが、実は味見した程度で食材としての魅力については、そんなに強く感じていなかったというのが正直なところであった。日本海側では普通に食べられているこの海藻は、神奈川では海の雑草のような扱いであり、漁業関係者のそんな草みたいなものを敢えて食べなくてもという声が頭に染み着いていた。

 ある日、ワカメのメカブの時期でもあり、アカモクがこれと似た食べ方であることを思い出し、少し家に持ち帰り我が家のメカブを食べる時の定番であるキムチの元で和えて食卓に乗せたところ、ネバネバとチャキチャキの食感にはまってしまった。私のマイブームである。

 今ではスーパーにも普通に並び完全に市民権を得ているメカブも神奈川では、昭和50年頃ワカメの葉の部分を取った後のゴミだったものを小田原の生産者達が熱心に食べ方を紹介しPRに取り組んで広まった。インターネットでみると既にかなりアカモクの販売や体に良い機能成分の紹介があったほか私と同じようにシャキシャキ感にはまり、何とか手に入れたいと思われている方も見受けられた。同じ思いの方がいたことが妙に嬉しくなった。

 私は、たまに釣りをするがカワハギ釣りの外道で釣れるベラは関西では普通に惣菜魚として流通しているが関東であまり食べない。私も普段はリリースしているのをボーズの時だけ持ち帰って食べるが、「エーそれ食べるの?」という反応に躊躇がある。人と思いを共有できないと何か落ち着かないものである。

 食べ物の好き嫌いは嗜好の問題ではあるが、共感ということが大きな要素と感じる。人気店の行列もこれに近い心理があると思う。このアカモクは果たしてどこまで共感が広がるかな・・・ 

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○海にいるアユ

 前回は川のアユの話でしたが、今回は海にいるアユの話です。アユは秋に川の中流から下流で産卵します。2週間前後で卵はふ化して仔魚は川を下り、海に出ます。そして翌年の春までは海で生活します。この時期のアユを調べるために定期的に海に行って調査をしています。

 河口や砂浜の水深1-1.5mくらいの場所で網を曳いてアユを採りますが、この時期のアユはまだ見た目にもアユっぽくはなくまるでシラスのような感じです。調査中に釣り人などが曳き網の中をのぞきにきますが、まだ小さいアユの姿を見て「へ-、子供のアユはこんな姿をしてるんだね-」と驚いている人もいます。

 アユに混じってイワシ類の稚魚も網に入りますが、小さいうちはその場では判別出来ません。試験場に持ち帰り、顕微鏡でよく見て分類するのですが、その際にアユの脂ビレが判別に大変役立ちます。「アユに脂ビレがあって助かるな-」と思いながらアユを分けています。

 体長が10-20mmくらいのアユは波打ち際近くにいることが多いですが、体長30mm以上になると泳ぐ力が強くなり、沖の方に移動することもあるようです。アユの資源は毎年変動が大きく、この要因は幼少期を過ごす海の環境にかなり左右されるということが近年の研究で報告されています。内水面の漁協の方々にも「海のアユの様子はどうなんだ?」とよく聞かれます。

 しかし、アユが海にいる時期の分布や行動はまだ詳しくは解明されていないので、他の生物との関係(餌生物、捕食圧etc)、物理的環境(海流、水温etc)など色々な観点から海洋生活期のアユの生態について考えていこうと思っています。(※写真は上がアユで、下がマイワシです。エタノール固定してあるため白くなっています)

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