神奈川県水産技術センター メルマガ297

掲載日:2014年1月23日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.297 2009-05-29

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.297 2009-05-29
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□研究員コラム

○走り回る赤い虫      (企画経営部 原田 穣)

○こんなものまで標識に          (栽培技術部 旭 隆)

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○走り回る赤い虫

  日中は汗ばむほどの陽気となり、ハエだのカだのが気になりだす季節になってきました。

 この時期、当センターでは、ヒラメやトラフグなど放流用の種苗生産のまっただ中で、担当職員は日々魚たちの世話に追われています。さて、私が昨年3月まで担当していた当センターの種苗生産施設は、屋内施設も屋外施設とも鉄筋コンクリート製で、特に屋外施設は、晴天だと当然のことながらコンクリートの表面が高温になります。ですから、炎天下の作業時にうっかり手をついたりすると、その熱さに思わず跳び上がってしまうほどです。そんなかんかん照りのなか、コンクリートの上を元気に走り回っている虫がいました。最初は気付かなかったのですが、よくよくみると、全長1mmくらいの小さな赤い虫があちらこちらでせわしなくうごめ(うごめい)いています。しかも、日向の熱くなったコンクリート上にしかいないようです。そして、走り回る姿は初夏にしか見られず、真夏になると忽然と姿を消してしまいます。調べてみると、この虫はハマベアナタカラダニというダニの一種のようです。ダニというと害虫のイメージですが、このダニは人間には全く関心がないみたいで、血を吸ったりたかったりすることはありません。他のタカラダニの仲間はクモやセミなどに寄生しますが、ハマベアナタカラダニは生態に謎の部分が多く、何を食料にしているかもわかっていないようです。何が目的なのか、熱いコンクリート上を絶えず走り回っているこのダニ。唯一困ることといえば、うっかり潰してしまったときにこびり付く、洗ってもなかなか落ちない真っ赤な体液ぐらいでしょうか。

 (写真(走り回る赤い虫))

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○こんなものまで標識に

  研究機関、漁業者、遊漁団体など、さまざまな団体が魚介類に標識を付けて放流しています。標識を付ける目的は、「放流されてからどこまで移動したか?」、「どのくらいの期間でどれほど成長したか?」、といったことを調べるためです。魚介類に付ける標識には、付けやすいこと、脱落しにくいこと、生体にできるだけ負担をかけないこと、再捕したときに標識が付いているのがすぐわかること、などの性能が求められます。実際にどんな標識があるかというと、ステンレスの鞘に入れて刺す「ダートタグ」(VOL. 278の写真参照)、衣服の商品に付いているような形の「アンカータグ」(VOL. 268の写真参照)、ダートタグとアンカータグの中間のような「スパゲッティータグ」、移動の履歴を記録できる「アーカイバルタグ」など、さまざまな標識が開発されています。さて、本題の「こんなものまで」についてですが、「こんなもの」の正体はなんと瞬間接着剤(!)です。接着剤で標識を付けるのではありません。瞬間接着剤そのものが標識なのです。業者に特注して作った、「色付き瞬間接着剤」を使います。アワビやサザエの種苗の標識で使われており、放流年度や場所によって色を替えれば効果絶大です。どのように付けるかというと、まず、貝を海水から取り出したら、殻頂部にエアーを吹きつけ、水分を飛ばします。次に、殻頂部にこの色付き瞬間接着剤を少量たらします。そして、接着剤が早く固まるように固定剤を吹き付け、海水中に戻します。これで標識付けは完了です。流れ作業で行えば、1個あたり10秒とかかりません。

 作業は簡単ですが、もともと標識でないものを標識にしてしまうアイデア・・・・・最初に考え出した人はすごいなあ。(拍手)

 (写真(こんなものまで標識に))

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