神奈川県水産技術センター メルマガ308

掲載日:2014年1月23日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.308 2009-08-14

-- Fish-mag >゜)))< ------------------------
/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.308 2009-08-14
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□研究員コラム

○“塩分" -海の水のしょっぱさ-【その10】     (資源環境部 山田 佳昭)

○ワムシ培養手法         (内水面試験場 山本 裕康)  

----------------------------------------------------------------

○“塩分” -海の水のしょっぱさ-【その10】 

  海水に溶けている物質の量であった塩分が、電気的に測られるようになり、ついには単位の付かない無名数になってしまいました。「塩分は?」と聞かれたら、「34.525」とか数値だけを言うことになります。「塩分濃度」という言い回しも厳密には正しくないのかもしれません。

 さて、塩分は海水そして海の状態を知る上で、水温などとともに重要な要素の一つです。 場所によって、また同じ場所でも季節によっても、さらに深さによっても異なることはこの連載の最初のころに述べました。ただ、全地球的には、地中海や紅海のように40程度あるところもありますが、外洋の大半は33-36の範囲(平均して34.7ぐらい)にあります。そして、全海水の70%は34-35の範囲にあり、さらに50%は34.6-34.8の範囲にあります。

 実は塩分の違いは、数値の上ではきわめて小さいと言えるでしょう。小さな違いを明らかにするため、精度の高い測定が必要になります。そのための先人たちの試みについては先に述べましたが、今もなお観測者の努力は続いています。(あと1回ぐらい続く)。

----------------------------------------------------------------

○ワムシ培養手法

  ワムシ(餌料生物:動物プランクトン)ネタの3回目です。今回は、前回に紹介ができなかった培養手法についてお話をしたいと思います。当試験場では、S型ワムシ(B.rotundiformis)をアユやワカサギの仔魚へ給餌するために培養をしています。培養手法としては、通常は2tのFRP水槽を利用した間引き培養(ワムシを一定密度で維持しながら培養して、その中から一定量を回収して給餌。)で培養しています。この手法はかなり安定した培養ができますので、仔魚への給餌計画がはっきりとしていれば、この手法のみで行ないます。なお、本来の間引き培養は、培養環境(水質など)の安定を図るために、ワムシ回収時に一定量の培養水ごと抜き取り、抜き取った分の新しい培養水を注水します。

 しかし、当試験場では作業軽減のため、培養水の交換を省いています。すなわち、培養水槽内に回収ネットを設置し、このネットを通過するように培養水をポンプで循環させます。これによりワムシはネットに回収され、培養水は再び水槽に戻るというわけです。これで、注水の作業は軽減できますが、一定期間(2-4週間ほど)培養を行うと水が汚れてくるので、水槽全体をリセットする必要があります。この作業は懸濁物がかなり溜まった懸濁物除去用樹脂濾材の洗浄も行なうので非常に大変です。

 もう一つ採用している手法があります。それは、植え継ぎ培養(回収したワムシの一部を再度、種付けします。)を改良した高密度培養です。手法名が表すようにワムシ培養を、高い密度(2000-5000個体/ml程度)で開始して短期間(2-4日)で全て回収します。この手法は、間引き培養と比較して密度が高いので、水槽は小規模なもので沢山のワムシを培養できます。高密度培養は、間引き培養では追いつかないワムシの増産が必要な時などに併用して行なっています。50L程度の水槽で2t水槽の間引き培養と同じか、それ以上の培養ができます。ただ、クロレラなどのワムシ用のエサや、酸素量、温度などの培養環境の管理を上手にしないと全滅してしまうことがあります。ワムシ培養に携わって数年が経ち、滅多な事では全滅するようなことはありませんが、未だにハイリスク、ハイリターンな印象が強い手法です。

-------------------------------------------------------------------

■水技Cメールマガジン(毎週金曜日発行)
■メルマガの配信の変更、解除、ご意見やお問い合わせはこちらのメルマガお問い合わせフォームからお願いいたします。

発行:神奈川県水産技術センター 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311

-----------------------------------------------------------------

メルマガTOPへ

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター です。