神奈川県水産技術センター メルマガ311

掲載日:2014年1月23日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.311 2009-09-04

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.311 2009-09-04
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□研究員コラム

○出世魚の代表格「ブリ」           (栽培技術部 沼田 武)

○天気               (相模湾 高田 啓一郎)  

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○出世魚の代表格「ブリ」 

 相模の海には多種多様な魚介類が生息し、これら海の恵みによって多彩な漁業が営まれているとともに、多くの人たちが四季を通じて遊漁を楽しんでいる。 今年も、南方生まれのモジャコが黒潮に乗って北上し、相模湾の沿岸一帯に大挙して押し寄せ住み着いた。梅雨時には水面下でシラスを追いかける魚影を度々見かけたが、生育は順調なようで遊漁船のワカシ釣りは例年のとおり8月1日から解禁になった。

 一月近く経った今でも、遊漁船の竿頭は一束を超え、イナダサイズも混じりだしたので釣り客のクーラーはすぐに満杯となり、早揚がりする船も多い。また、例年であれば秋も深まってから顔を出すワラサが、早や7月から城ヶ島沖から剣崎沖に居ついており、休日にはワラサ狙いの大船団が出現している。

 関東地方では、出世魚の代表であるブリを流れ藻に付く幼魚から産卵する成魚まで、成長に応じてモジャコ、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと呼ぶ。ワカシやイナダ、ワラサは、夏から冬にかけて毎年相模湾を賑わせてくれているが、湾内に張りたてられた定置網にとって肝心なブリはほとんど姿を見せなくなった。

 ブリは、日本の太平洋岸と日本海側を東シナ海から北海道まで南北に大回遊する回遊魚であり、かつて相模湾は日本海の富山湾と並ぶほどの寒ブリの産地であった。秋から冬にかけて南下回遊する途中で湾内に来遊したブリが、定置網を破らんばかりに入網したこともあったようで、一網で数万ものブリを漁獲したとの記録も残っているが、現在は見る影もないほどの漁模様である。

 不漁の原因としては、西湘バイパスの開通により道路照明が沖から見れば不夜城のごとき景観となって、ブリが沿岸に寄り付かなくなったとか、これを含めた都市化による環境悪化、養殖用モジャコの乱獲や回遊生態の変化など諸説あるものの、幼少期を過ごした育ての海に足を向けなくなった訳を聞いてみたいものである。

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○天気

 本メルマガを書いているのは、折りしも台風11号が関東に再接近している8月31日である。朝、横須賀の自宅を出たときは、強烈な風雨でズホンはびしょ濡れ、傘も吹き飛ばされそうになった

 足に張り付くズボンを気にしながら情けない格好で電車に乗り小田原の早川駅を降りると、雨は降っているものの風はそれほどではなく、台風接近が嘘のような天気である。県の東西とはいえこんなにも天気が違うのかと驚くやら、感心するやら。

 漁業者は海が相手の仕事であり、気象判断の適否が船の安全・自身の生命を左右する。それだけに地域の気象の特性を熟知しており、その観天望気による気象予測は実に正確である。かつて先輩研究員がこんなエピソードを語ってくれた。

=ある穏やかな日、水産技術センターから航程20分ほどの漁場へ船外機付きのボートでアワビの潜水調査に出かけた。順調に調査が進みボートに上がったところ、知り合いの漁業者が遠くの陸(おか)で手振り身振りで早く帰れと合図している。特に波もないのに何故そのようなことを合図してくるのか不思議に思ったが、ともかく調査を中止して急いで帰り仕度をし帰港し始めたところ、急に猛烈な西風が吹き始め、大波の中やっとの思いで帰ってきた。=

 この漁業者が天候の急変を教えてくれなければ大変な事態になったかも知れず、先輩研究員は、漁業者の気象予測の正確さを実感するとともに、漁業者と懇意にしていて良かったとしみじみと思ったそうである。

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