神奈川県水産技術センター メルマガ313

掲載日:2014年1月23日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.313 2009-09-18

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.313 2009-09-18
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□研究員コラム

○-寄生虫の話-          (企画経営部 臼井 一茂)

○米海軍横須賀基地でのアマモ移植・稚魚放流イベントを実施して (栽培技術部 武富 正和)  

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○-寄生虫の話- 

 水産食品加工の担当をしていますと、様々な質問について電話がかかってきます。最近、特に一般の方から水産関係の方などから多く質問をされるのが、水産物の寄生虫についてなのです。
 自分の専門分野としては、食品化学や加工学などの水産加工品づくりに関することなんですが、この寄生虫については詳しくは分からずとも、必要とされる知識になっています。
 だいぶ前のことですが、イナダのお刺身を食べたとのことですが、その後になって心配になられたとのことでお電話がかかってきました。話しでは、イナダを頂いて三枚におろしたところ、内臓を包んでいた腹の部分の筋肉に、白っぽい米粒程の大きさの異物があったので、それがある部分は切り落として捨て、残った身を刺身やソテーして家族で頂いたとのことでした。
 しかし、気になってしまい、病院に行ってみましたが、痛いとかの症状は表れておらず、お医者さんからも特に治療を必要とする症状はないとのことでした。でも、やっぱり気になって眠れなくなってしまい、相談所などにも電話で聞いたとのことですが、心配が晴れず当所に電話がかかってきました。
 話しを聞き始めた直後、すぐにピンっときました。それはテンタクラリア属の仲間ですね、カツオの腹身などによく見られますよ。そう言った途端に相手の方は、他のところでももしかしたらそれかもと言われましたが、大丈夫でしょうか?との率直な質問が続いたので、人には寄生しません、食べてしまってなんかしらの症状があったとの報告も私は知らないないですよと言いますと、あぁ-そうですか、何回目かの電話でお医者さんからたぶんそのテンタクラリアですから、まぁ、大丈夫といわれていましたが、最初にその名前を言って頂いて、やっと安心しました。とのことでした。

 他にも、カジキの切り身に植物の根っこがはえていますって電話もありました。よくよく聞いてみますと、エンピツ程の太さで切り身にされて全体は分かりませんが、外側には硬い殻のようなもので中身が無いのです。先端部分は植物の根っこのように何本かに分かれています。とのことでした。
 以前、マグロやカジキの加工場で、電動鋸(バンドソー)で大きなカジキを細割しているところを見学していた際ですが、頭(内臓も)と尾びれが切り取られた状態(ドレス)のカジキで、船から吊して持ち上げるために尾びれの付け根あたりに通してあるロープ跡以外に、胴体に2カ所の刹跡がありました。その一つには、二本のヒゲの様なものが伸びていて、表皮から突き刺さっているようでした。
 電動鋸でフィレ(2つ割)、ロイン(4つ割)にされて、当該部位の刺さっているところを見てみると、筋肉内に深々と刺さって、その先端には十数本にも分かれた根っこのようなモノがありました。それを取り出して見ると、昆虫のように外皮が殻状で茶色く、20センチも刺さっていました。

 ロープとかナイロン製のものではないんですよね、それならばペンネラという寄生虫ですね。そうなんです、この植物の根っこのようなところが錨のような働きをして、抜けないようになっている寄生虫だったんです。特にかじき類やサンマなどにはよく見られますよ。そういえば、子供の頃に飼っていた金魚にも、イカリムシといった銛のような寄生虫が表皮に刺さって寄生したことを思い出しました。

 今回は2例の紹介ですが、その他にもマグロによく見られる筋肉部分に白色の脂肪の塊のようなモノ、黒色のゴムのようなモノ、目に見えない大きさの粘液胞子虫によって筋肉が液状化してしまうジェリーミートなど、色々な生き物が寄生しているんですね。
 寄生虫に関しては色々な本がでており、有名な目白寄生虫博物館の研究員の方が書かれている本など、大変興味を注がれるのですが、これではないかと大体で判別できるカラー写真のものは少ないのです。私はそれらを調べるバイブルとして利用しているのが東京都が出版しています「魚介類の寄生虫ハンドブック 1、2巻」です。また、東京都福祉保健局のHPもとても参考になりますよ。

 そうそう、一部の寄生虫には人に(危害を加えるもの)がありますから、皆さんもちゃんと調べて自衛してくださいね。

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○米海軍横須賀基地でのアマモ移植・稚魚放流イベントを実施して 

--今回は、今年の5月14日に、米海軍横須賀基地内の小学生約150名を対象としたアマモ移植・稚魚放流イベントを開催しましたので、その時の様子をお知らせします。
 このイベントは、当水産技術センターと米海軍横須賀基地指令部環境課が協力し、横須賀湾奥部のアマモ生育状況にかかる知見を得るとともに、同基地周辺水域の環境改善と環境改善市民活動の啓発を図る目的で実施しました。
 当日のプログラムは次の様な流れでした。

1 オープニングセレモニー
 (1) 基地主催者代表挨拶
  ・ イベント主旨説明(写真1
  ・ イベント協力者への感謝の言葉と記念品の手渡し(写真2,3,4
 (2) 基地内小学校校長挨拶 
2 アマモ植え付け準備(写真5
  水産技術センター職員が、基地内小学生にアマモ苗への紙粘土の巻きつけ方を指導
3 基地ダイビングクラブ員によるアマモ苗の移植
4 基地内小学生によるマコガレイ稚魚の放流(写真6

 日頃、私達は、県内各地でアマモのイベントや稚魚放流イベントを数多く経験していますが、今回のイベントを経験してみて「日本と違うな-」と感じたのは、上記「1(1) イベント協力者への感謝の言葉と記念品の手渡し」の部分です。
 私達が通常経験するイベントでは、まず、主催者、来賓の挨拶があって、後は放流のイベントに入ってしまいます。 ところが、今回は違ったのです。なんと、イベントに入る前に基地側の代表者から感謝の言葉と参加者の大きな拍手を受け、また、代表者から記念品(地球儀の付いたボールペンと米軍横須賀基地マークの入ったクリアホルダー)をいただいたのです。確かに、このようにしていただくと、参加者との一体感が増すような気がしますし、「また次も頑張ろう。」という気にさせられます。
 今回のイベントは、準備期間にほぼ1年を要し、言葉の壁もあって結構大変でしたが、私にとってはとても楽しい経験となりました。 ところで、いつもこのようなことの後に思うことですが、最後に一言。

「もっと英会話を勉強しておけばよかった!!」  

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電話:046(882)2311

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