神奈川県水産技術センター メルマガ317

掲載日:2014年1月23日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.317 2009-10-16

-- Fish-mag >゜)))< ------------------------
/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.317 2009-10-16
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□研究員コラム

○あなご学うんちく(11)      (資源環境部 清水 詢道)

○(独)海洋研究開発機構にて      (水産技術センター所長 長谷川 保)

----------------------------------------------------------------

○あなご学うんちく(11)

 これまでお話してきたように、東京湾のマアナゴ資源は、春に葉形仔魚が黒潮系の暖水によって運ばれて来遊し、変態・成長して翌年春に漁獲の対象となるのですが、来遊した年の9月くらい、全長にして20cmくらいから、筒漁業によって混獲されるようになってしまいます。
 筒漁業というのはマアナゴにとってとても効率的な漁業で、漁期(4月-10月と考えてよいのです)の間にはじめの資源量の80%以上を漁獲してしまいます。
 つまり、毎年の資源は、前の年に葉形仔魚として来遊した群が成長したもの、なのです。
 ということは、9月から始まってしまう混獲は、次の年に漁獲するべき資源を先取りしてしまうことになり、資源保護・確保・管理のためには極力避けるべきこと、なのです。

 あなご筒は、海中に沈めて用いるため、船上に引き上げるときには筒の中には海水が入っています。筒の長さ80cm、直径10cmなので、海水がいっぱいはいっているとすると約6kg、これを何百本も引き上げるのは重労働なので、筒には海水を抜くための穴(水抜穴と呼びます)がたくさんあけてあります。
 漁業者の皆さんが使っていた筒の水抜穴の直径は9mmでしたが、この水抜穴を大きくすれば、そこから小型のアナゴが逃げられるのではないか、と考えました。
 どのくらいの穴にすれば、水揚げできるアナゴは筒の中に残り、小型のアナゴは逃げられるのか、兵庫県の水産試験場の研究結果を利用して、直径17mmくらいにすれば、効果がありそう、と考えられましたので、水抜穴の直径17mmの筒を作成し、調査することにしました。
 比較のために、すべての大きさのアナゴを捕まえるために、直径3mmの筒も作り、両方の筒を使った試験を調査船「さがみ」によって実施しました。
調査の結果は予想通り、水抜穴を大きくすれば、小型のアナゴは筒から逃げることができ、資源保護につながることがわかりました。
 この結果を漁業者の皆さんに説明し、また自分たちの船を使って同じ調査を実施してもらったことで、調査結果がよく理解され、神奈川県のあなご筒漁業者全体が、資源管理のために筒の水抜穴を大きくするという実践に取り組むようになりました

 神奈川県の実践は、同じ東京湾を漁場としている千葉県、東京都の漁業者にも受け入れられ、現在では東京湾中のあなご筒漁業者が水抜穴を拡大して資源管理に取り組んでいます。

----------------------------------------------------------------

○(独)海洋研究開発機構にて

 神奈川県には数多くの研究機関が設置されておりますが、先日、会議の関係で横須賀市夏島町にある(独)海洋研究開発機構の本部(以下「本部」)の施設を見る機会がありましたので、簡単にご紹介いたします。

 当日、本部内で業務概要のビデオを見せていただいた後、屋外に出て、調査研究船の専用岸壁を見学しました。ただし、その日は既に深海潜水調査船「しんかい6500」の支援母船「よこすか」(全長約100m、4千トンレベル)などの調査研究船は全て出港しており、最新の機器等は見ることができませんでした。
 しかし、近くにある潜水調査船の整備場では、潜水調査船「しんかい2000」の実物や、深海での高い圧力を機械で再現する高圧実験水槽などを見ることができました。この高圧実験水槽には耐圧試験のサンプルがあり、強靱な合金の球体も、高圧で飴のように曲がり、裂けたような状態となっていました。
 その他、本部の中にある海洋科学技術館には「しんかい6500」の実物大コックピットがあり、中に入って潜水艇の中の様子を実感することができますし、深海生物に関する資料なども見学できます。

 この施設の見学は、一般の方も可能で、10名以上の団体については、事前予約が必要となります。その他、日が指定されますが、1人でも見学ができるようです。
 関心のある方は、本部に足を運んでいただき、海から地球を学んでいただければと思います。
 なお、インターネットでは、次のURLの中の「見学のご案内 」を見ると、申込方法などが分かります。

-------------------------------------------------------------------

■水技Cメールマガジン(毎週金曜日発行)
■メルマガの配信の変更、解除、ご意見やお問い合わせはこちらのメルマガお問い合わせフォームからお願いいたします。

発行:神奈川県水産技術センター 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311

-----------------------------------------------------------------

メルマガTOPへ

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター です。