神奈川県水産技術センター メルマガ318

掲載日:2014年1月22日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.318 2009-10-23

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.318 2009-10-23
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□研究員コラム

○海から見た二宮の浜      (相模湾試験場 石戸谷 博範)

○公募ダイバーによる放流マダイの観察会     (栽培技術部 工藤 孝浩)

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○海から見た二宮の浜 

 最近、相模湾に台風が接近する度に、海岸の砂が削られて、地域住民の皆さんが困ることが多くなっています。下の(写真)は、西湘バイパスが出来る前の昭和35年頃と本年4月29日の二宮の浜の姿です。

 昭和35年頃は、相模湾では、ブリが沢山獲れましたし、浜では、地引網も多数行われていました。写真の木造和船(伝馬船)は、地引網に引っかかる海底の石を送気式潜水機により取り除いている作業中で、海を大事に使う漁業者の姿がここにあります。

 この頃は、広い砂浜が波を消す働きをしていましたので、台風の大きな波が来ても地域の人たちは安心して暮らしていました。しかし、西湘バイパスの設置や河川にダム、取水堰、砂防堰堤等が整備され、浜まで砂が流れて来れなくなった現在では、本来、砂浜が持っている波を消す力も無くなり、とうとう西湘バイパス道路そのものが波で壊れる時代になりました。

 コンクリートの波消しブロック、鉄板での護岸等いろいろな工事をしますが、白砂青松の浜に秘められた天与の機能には、とても太刀打ちできないのではないでしょうか。 

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○公募ダイバーによる放流マダイの観察会

 市民とともに再生させた横浜市金沢湾のアマモ場を栽培漁業の場として活用しようと、2年前からマダイの人工種苗を放流しています。それはただの放流ではなく、アマモ場再生などの漁場整備事業と栽培漁業とを連携させた市民参加型の「海づくり事業」の一部として、(社)全国豊かな海づくり推進協会とともに実施しているものです。

 我々が取り組んでいる「海づくり事業」とは、次のようなものです。当地のアマモ場再生活動に取り組んできた小学生を対象として、まず夏休み中に「栽培漁業教室」を開催し、当センターの種苗生産施設の見学や、三浦市小網代湾内に浮かぶ(財)神奈川県栽培漁業協会のイケスへ漁船で行って育成中のマダイに餌を与える体験をしてもらいます。
 夏休み明けには、海の公園の砂浜からアマモ場に向けてマダイを放流するイベントを行います。これには栽培漁業教室に参加した児童だけではなく、その家族や一般来園者も参加できます。
 そして放流の1週間後には、海の公園の岸壁からROV(自走式水中ビデオカメラ)を降ろして、放流マダイの観察会を開催します。 ROVは県立海洋科学高校が所有しているもので、同校の学生もスタッフとして大活躍です。
 その一方で、私はこの海域を熟知したNPOのダイバーとともに、潜水して放流マダイの追跡調査を行っていました。今年は、この潜水調査に一般のレジャーダイバーが参画できるかどうかを検討するため、「放流マダイの観察会」と銘打ってダイビング雑誌誌上でダイバーを募集したところ、遠く岡山県在住の方を含めて9名の応募がありました。

 おそらく全国初となる公募ダイバーによる放流マダイの観察会は、9月13日に実施されました。当日見られたマダイは1尾だけでしたが、この時期としては珍しい透明度に恵まれて様々な生物を観察することができました。
 参加者一同は、普段潜る事ができない東京湾のアマモ場の豊かさを体感して大感激していました。参加されたダイバーは、我々専門家が舌を巻くほどの潜水経験を持つダイビングスキルが高い方ばかりでした。しかも、水産資源の維持増大や海の環境保全に対する意識が高く、「自分たちの経験や技術を活かして社会に貢献したい」と考えていました。
 今回の「公募ダイバーによる放流マダイの観察会」は、一般レジャーダイバーが水産試験研究に参画する途を開く、大きな成果が得られたイベントであったと思います。

  キャプション

写真1 ROV に興味津々の子供たち(2009年9月5日)
写真2 意識が高い公募ダイバーとスタッフ(2009年9月13日)
写真3 各自が撮影機材を持って海中へ(同上)

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