神奈川県水産技術センター メルマガ319

掲載日:2014年1月22日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.319 2009-10-30

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.319 2009-10-30
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□研究員コラム

○サラサエビ        (資源環境部 清水 顕太郎)

○細菌の数はどうやって数えるのか      (内水面試験場 原 日出夫)

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○サラサエビ 

 水産技術センターでは、当センターの地先海面である三崎瀬戸(三浦半島と城ヶ島の間の水路)の水温・塩分・クロロフィル量などの観測を行っており、観測結果はホームページ でも公開しています。

 この水温・塩分等の観測は三崎瀬戸の海水を水中ポンプで汲み上げて、風呂桶くらいの水槽にためて行っています。この水槽は雨水が入ったり、日光があたって植物プランクトンが発生したりしないように小さな小屋の中に設置してあります。また、水槽壁面上部には排水管が取り付けられており、一定の水深が常に保たれるようになっています。水槽内には水温・塩分等のセンサーが設置してあり、所定の時間間隔で水温・塩分などが自動観測されます。

 さて、水槽の内壁やその中の各種センサーですが、しばらく放っておくと様々な生物が付着します。これは、付着生物の幼生が汲み上げられた海水とともに水槽内に入り込み、そのまま居座ってしまうためなのですが、センサーに生物が付着すると観測に支障がありますので、ひと月に1回くらい清掃しなければなりません。余談ですが、ホームページで公開しているデータのグラフにときどき異常値が出ることがありますが、これはこの清掃を行っているためであることもあります。

 前置きが長くなりましたが、先日、定例の水槽・センサーの清掃を行った時のことです。センサーを歯ブラシで掃除し、水槽の壁面の付着生物をスクレイパーで取り除いた後、水槽の底の水栓を抜いて水槽の底に沈殿した泥や付着生物の残骸などを排出したところ、排出しきれず残っていた泥の中で何かが動きました。「ン?」と思い捕まえてみると、5cmくらいのエビでした。泥にまみれていたので、きれいな海水の中に入れてやると、赤くてなかなかきれいなエビちゃんでした(写真)。図鑑で調べてもらったところ、サラサエビというエビだろうということでした。

 水中ポンプで木っ端微塵になってしまうでしょうから、このサラサエビが発見した時のサイズで水槽に入ったとは到底考えられません。また、誰かがいたずらしたとも考えにくいですね。だとすれば、このサラサエビはおそらくセンサーや水槽壁面にくっついている付着生物同様、海中を漂っている幼生の時この水槽に入り込んだのでしょう。そして排水とともに水槽外に排出されることなく、ほぼ真っ暗な水槽の中で大きくなったのでしょう。付着生物の生命力の強さはある意味辟易するほどですが、サラサエビのような一見華奢な生き物も意外と逞しいのだなぁ・・・と感心したのでした。

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○細菌の数はどうやって数えるのか

 目に見ない細菌は、どうやって数えるのでしょう。顕微鏡で数えることも一つの方法ですが、1ミリリットルあたり数万個以上もある場合、とても数え切れません。
 では、細菌の数はどのように把握するのか?細菌数の測定法は幾つかありますが、今回はミスラ法という測定法をご紹介します。

 まず、細菌を培養した液の一部をサンプリングし、これを10倍ずつ希釈して行き、100万倍から場合によっては1億倍までの希釈細菌液を作ります。これらを培地に接種し、発育したコロニーの数から逆算して、培養原液の細菌数を算定します。
 ちなみに、コロニーは、元は1個の細菌が分裂を繰り返して目で見える大きさまで増殖したものなので、1個のコロニーが発育すれば、そこには1個の細菌があったと判断されます。
 例えば、細菌を培養した液の10倍から100万倍希釈液を0.025ミリリットルずつ培地に接種した後、100万倍希釈液の接種から4個のコロニーが発育した場合は、4×1,000/25×1,000,000=160,000,000となり、培養原液には1ミリリットルあたり1億6千万個の細菌が存在していることになります(写真)。

 なお、本法はコロニーを作ることができる生きた菌を測定することから、CFU/mlという単位で表します。CFUとはColony Forming Unit (コロニー フォーミング ユニット)の略です。

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