神奈川県水産技術センター メルマガ325

掲載日:2014年1月22日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.325 2009-12-11

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.325 2009-12-11
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□研究員コラム

○栽培漁業と資源回復 その2     (栽培技術部 一色 竜也)

○カツオ漁         (相模湾試験場 石黒 雄一)

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○栽培漁業と資源回復 その2   

 前回は水産資源を預貯金に擬えて、資源回復に対する効果を述べてみました。減少した資源を効率的に増やすためには、その資源の利用を抑制するだけでなく、ある程度の量を補充することによって元の状態に戻す必要があり、そのために栽培漁業が必要であるとしました。

 しかし、今のところ栽培漁業の全ての対象種に放流効果が認められ、資源が回復しているかというと、そうではないようです。
 親魚資源と加入資源の間の繋がりが断ち切られている場合、いくら種苗を放流しても資源の回復は望めないからです。
 例えば、生まれたばかりの稚魚の育つ環境が著しく悪化している場合、その原因を取り除かずに放流を繰り返しても、その放流そのものが無駄になってしまったり、放流魚は採れるが天然資源が増えないといったことが想定されます。
 その改善ポイントを見つけて的確な対処を行うことが望まれますが、そういった要因が見つかるのは稀で、ほとんどの場合は良く分からないのが実態です。
 また、資源が一時的に極端に悪くなって、そのままにしてしまったときなどは、それ以降資源の減少が止まらない場合があります。
 海の生物は陸上の生物より多種多様な種類で構成され、生態系は複雑に絡み合っています。個体間のみならず、生物種間も厳しい競争にさらされているといえます。

 一般に漁業対象資源は社会的経済活動に耐えうるだけの量をもつ、いわば優占種といえますが、その優先種だけが減少すれば、厳しい種間の競争に敗れ、その地位は別の種に移り代わってしまうことが考えられます。
 そうなった場合、その代替種が優占種となるだけでなく、周りの生態系もその状況を肯定するかのようにシフトし、先の優占種は自分の地位を支えてきた生態系的な基盤を失って、回復するチャンスを失ってしまうかもしれません。
 もし、漁業対象資源が減少傾向に移行したとき、タイミングよく種苗放流を行ってその資源を増強し、資源の減少傾向に歯止めをかければ、その危機を脱することができるかもしれません。

 本県におけるマダイやヒラメはまさにその事例といえ、マダイは今から30年ほど前、ヒラメは20年ほど前に、漁獲の減少は著しい様相を呈しておりましたが、その時、タイミング良く人工種苗の大量放流が開始され、その後も種苗放流を継続して行った結果、見事にV字復活を成し遂げました。

 漁業は原則的に野生生物を捕獲して食料として供給する産業です。その土台となる野生生物資源、そしてそれを支える生態系は、まだまだ未解明な部分が多いといえます。
 こうした状況を踏まえて水産資源を持続的に食料として利用するには、資源の状況をモニターし、枯渇に至った場合に対処できる方策や技術を手元に用意しておく必要があります。
 特に技術的には栽培漁業の増殖技術、種苗放流技術や資源管理技術、環境改善及び保全技術の開発は重要といえ、中でも種苗生産技術は、わが国が開発した資源回復に非常に有効な手立てといえます。
 今後とも本県が持つ種苗放流技術を維持、タイムリーに活用することによって、末永く多彩な魚介類を利用していきたいものです。

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○カツオ漁

 秋に南下するカツオを戻りカツオと言いますが、今年の戻りカツオ漁は不漁などと漁期始めに報道されていました。
 それでも、相模湾沿岸の浜を回って漁業者の話を聞いていると、今年は結構多く釣れたのではないかといった感じでした。そんな中、たまたま、ある漁業者2名から昔のカツオ漁の話を聞いたので、ちょっとご紹介を。
 1人の方は、昭和40年頃父親がカツオ漁をやっていて、たまたまその頃の航海日誌が出てきたということで、見せてもらいました(現在、当場の調査船でも航海日誌をつけていますが、表紙がまったく今と同じでした)。
 当時も伊豆や千葉勝浦あたりまでカツオを追っかけていたようで、500kg以上/日漁獲していたとか、そして魚価も良かったのでしょうか、乗組員に純金の盃が配られたといったことが書いてあったそうです。
 もう一人の方は、昭和初期のカツオ漁の話を聞かせてもらいました。当時は海が豊であったのか、地引網や手漕ぎの船で行けるくらいの岸近くでカツオが大量に獲れたとか。
 マグロも1尾100kgくらいの大きなものが岸近くで獲れたそうで、今では考えられない状況だったようです。
 カツオやマグロといった大型の回遊魚が岸から目と鼻の先に群れで泳いでいたとは、昔と今、海の様子は何が違っていたんでしょうかね?

(写真)

         

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