神奈川県水産技術センター メルマガ340
神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.340 2010-04-02
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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン VOL.340 2010-04-02
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□研究員コラム
○ 内水面試験場にやってくる鳥達 (内水面試験場 相澤 康)
○ タルマワシ (資源環境部 加藤 充弘)
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○内水面試験場にやってくる鳥達
相模川のほとりにある内水面試験場の周辺は、河岸段丘の森、田んぼや畑もあって、里のような自然があるところです。このようにバラエティー豊かな環境だと、色々な野鳥を見ることができます。
パッと思いつく種類を並べてみると、アオサギ、アカハラ、アトリ、ウグイス、エナガ、オナガ、ガビチョウ、カワセミ、カワラヒワ、キジバト、コガラ、コゲラ、シジュウカラ、シメ、ジョウビタキ、スズメ、ツグミ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、モズ、ヤマガラ、そして未だ区別できていませんがセキレイの仲間、キツツキの仲間等々。
詳しい方が観れば、もっと多くの野鳥達が来ているのだと思います。
内水面試験場周辺は公園もあって、これからの季節は散策が気持ちよいと思います。花見も結構ですが、バードウォッチングも楽しいですよ。
そうそう、上に書いた鳥達には外来生物もいますよ、お分かりになりますか?
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○タルマワシ
1月のある日のこと、調査船がプランクトンネットで採集してきたサンプルを処理していると、不思議な物体が目に入ってきました。
形は長さ3センチ、直径2センチほどの円柱形。透きとおっていて、触ると多少の弾力はあるものの比較的硬く、最初はビニールかプラスチックのゴミかと思いました。
しかしよく観察すると、全体のフォルムは微妙な曲線で構成されていて、どうやら自然物っぽい。さらに内壁には、なにか小さなものがたくさん・・・どうも節足動物の幼生のようですが・・・?
「いったい何だこりゃ???」 頭の中を「?」マークでいっぱいにしつつ、その物体をピンセットで小突きまわしたりしているうち、ある生物の名前を急に思い出しました・・・「タルマワシ!」
タルマワシというのは最大で4センチほどの浮遊性甲殻類です。以前このメルマガでオオグソクムシのことを「エイリアン」と表現しましたが(VOL.265参照)、こちらはさらにエイリアンっぽい奇怪な姿をしています(残念ながら成体の写真はありませんので、気になる人はネットで検索してみてください)。
タルマワシの仲間はその姿だけでなく、生態もまた不可思議です。ものの本によると、彼らはサルパという動物プランクトン(ホヤに近い仲間)の体をくりぬいたタルのような形の殻(専門的には被嚢というそうです)の中で生活し、そこで子育てまでするとのこと・・・そう、私が見つけた物体は、タルマワシがくりぬいたサルパの体と、その中で発生したタルマワシの子供たちだったのです。
正体が判明したあと、再びサンプルビンの中を見てみたのですが、タルマワシの成体の姿はどこにもありませんでした。
ネットで採集する際に離れ離れになってしまったのか・・・そう考えると、偶然とはいえちょっと可哀想なことをしてしまったのかもしれません。
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