神奈川県水産技術センター メルマガ347

掲載日:2014年1月21日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.347 2010-07-09

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.347 2010-07-09
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□研究員コラム

○ この時期の昼休みの楽しみ    (企画経営部・資源環境部 川原 浩)

○ 小さなエビの大きな脅威     (内水面試験場 勝呂 尚之)

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○この時期の昼休みの楽しみ

 当センターでは、海や漁業を学ぶ場として、学校単位で年間7000人の小学生の施設見学を受け入れています。

 毎年6ー7月はこの見学のピークで、毎日のように観光バスで小学生が訪れ、賑やかな声が聞こえてきます。

 この時期の人気はタッチングプールです。子ども達の腰くらいの高さに合せたFRP製の水槽に磯や沿岸で見られる魚やヒトデ、ナマコ、ウニなどを入れており、自由に触って観察出来るようにしています。

 このタッチングプールは緊縮予算で、中に入れる魚を購入出来ずに中止された年もありましたが、学校側の強い要望もあって再開されました。

 本来は磯遊びに中で触れたり学んだりすることが理想と思いますが、現実的にはなかなか対応しきれない事情もあるようです。

 見学の担当者からも、生き物に触れている子ども達は実に生き生きと楽しそうで、出来る限り中の生き物の種類を充実したいと聞いていました。

 私の執務場のある3階の窓からタッチングプールの一部を望め、子ども達が取り囲んで思い思いに生き物達に手を伸ばしはしゃいでいる光景を見ることが出来、時に子ども達が寄せてくれる施設見学の感想や謝辞を読むとしっかり学んで帰ってくれたと感じさせられる中で、タッチングプールの体験が印象的だったことも伺われました。

 私は前から昼休みに当センターの裏の岸壁や貯水槽の中に入り込んだ様々な生き物たちを眺めて過ごすのが好きだったのですが、最近は子ども達が喜びそうな生き物を見つけると、タモ網で掬いこのタッチングプールに補充するようになりました。

 岸からタモ網で獲れるものは限られ、なかなか思い通りにはいきませんが、何か子ども達が喜びそうなものはいないか、夢中で探しています。透明度が高く、潮が引いている日はチャンスであり、特にワクワクしてしまいます。

 

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○小さなエビの大きな脅威

 先日、藤沢市内のため池で毎年恒例の生物観察会が開催されました。藤沢メダカが昔すんでいた公園内のため池です。

 子どもたちは「キャーキャー」大騒ぎしながら池に入り、楽しそうに魚やエビを網ですくいます。結果は、大漁、大漁・・・・、バケツの中は生き物でいっぱいです。

 その中で最も多い生き物は、ダントツで「ミナミヌマエビ」でした(写真1)。3cmほどの小さなエビですが、1,000個体以上も採集されました。ところが、なんとこのエビ、国内外来種で静岡県より西に分布しています。コケを食べて水槽を掃除してくれる便利なエビなので、ペットショップの人気種となり、困ったことに神奈川県の川や池にも出現するようになったのです。

 「そんなに小さなエビが何か悪いことするの?」・・・小学校でよく出る質問です。外来種と言うと外国から来たブラックバスのように、大きな口で他の魚をパクリ・・・そんな強面がイメージされます。この小さなエビは他のエビをかじるようなことはしません。しかし、本種が侵入して分布を拡大した結果、本種とよく似た在来のヌカエビ(写真2)が減少しています。場所によってはヌカエビがすべてミナミヌマエビに置き換わった水域もあります。

 この2種は大きさも、すむ場所も、食べるものも全く同じです。当然、エサやすみかの奪い合いなど、お互いに競合します。ミナミヌマエビの卵と赤ちゃんはヌカエビよりも大きく、生存上有利と考えられており、競合の結果、ヌカエビを負かしたのです。

 どんなに小さな生物でも、もともといなかった場所に侵入すれば、そこにいた生物は何らかの影響を受けます。昔から問題になっている哺乳類、鳥、魚などの他にも、最近では、貝やヨコエビ、ウズムシと言った小さな生物の分類群にまで、外来種が出現しています。その陰で在来の生物達は悲鳴を上げ、地域固有の生態系が底の方から崩壊しつつあるのかも知れませんね。

 

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