神奈川県水産技術センター メルマガ354

掲載日:2014年1月21日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.354 2010-10-15

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.354 2010-10-15
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□研究員コラム

○ あなご学うんちく(13)    (資源環境部 清水 詢道)

○ ナマコ    (企画経営部 原田 穣)

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○あなご学うんちく(13)

 水産資源管理の基本的な考え方は、資源管理研究の第一人者だった故松宮義晴東大教授によれば、第一に「次世代を維持するために十分な再生産可能な親魚個体を残す」という制約条件の下で、第二に「漁獲から得られる総利益(所得金額)を最大化する」という目標に整理することができる、とされています。

 マアナゴは、これまで何度もお話してきたように、産卵場が日本からかなり離れていて、そこから主に黒潮系の暖かい海流によって葉形仔魚が輸送されて日本の沿岸各地にたどりつき、そこで着底・変態・成長して漁業の資源になる、と考えられています。このような資源では、親魚を漁獲しないようにとか、産卵場を禁漁にしよう、などの再生産可能な親魚個体を残すための資源管理の手段は採用できません。葉形仔魚の来遊してくる量は、それこそ自然まかせで、人間ができるのは「来遊量あたりの漁獲量をいかに最大にするか」ということだけです。

 これはつまり、商品にまだならない小さいマアナゴの死亡をできる限り抑える必要がある、ということです。

 東京湾では、あなご筒漁業者の全て(千葉県、東京都、神奈川県の漁業者全部!)が、筒の水抜穴を大きくして小型魚を漁獲しないようにしていますし、東京湾とならぶ筒漁業地帯である仙台湾では、漁船のいけすの底に網を張って、小型の魚はそこから海中に逃げることができるようにしています。また、かご網による漁獲が主体の大阪湾では、網目を大きくして小型魚の漁獲を抑制しています。底びき網による漁獲が主体となっている地域(たとえば瀬戸内海沿岸域)では、他の魚やエビ類なども同時に漁獲されるために、マアナゴのことだけ考えて網目を大きくするわけにもいかず、主に漁獲されてしまった小型のマアナゴはできるだけ再放流する、という方法が多くなっています。

 いずれにしても、資源管理の方向はほぼ決まっているので、そのための方法についての模索が全国のアナゴ研究者の共通の課題となっています。

 

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○ナマコ

 「ナマコが食べられるとわかったのは大学生になってから。」 職場のとある内陸県出身の先輩の発言です。 ナマコの名産地である石川県能登半島出身の父親を持つ私にとっては十分衝撃的な言葉でした。

 幼少の頃から食品としてのナマコに慣れ親しんできた私にとって、「ナマコって食べられるの?」という質問ほど不思議に感じることはありません。 酢ナマコはもちろん、ナマコの内臓の塩辛である「このわた」や「くずわた」、そして、卵巣の「くちこ」など、どれも大好物です。特に滅多に口に入らない干したくちこは、三角形をした形から「ばちこ」ともよばれ、非常に高価で、つまみ食いしてよく怒られたものでした。

 神奈川県でも、以前からナマコは漁獲されていましたが、中核的な漁業資源ではありませんでした。それが、近年の中国などの干しナマコ需要の増大により、全国的に引きあいが増加し、本県でも今まで見向きもされなかったクロナマコ(ここではマナマコの黒いタイプを指す。南日本には同名の別種がいる。)を含め、東京湾を中心に盛んに漁獲されるようになりました。 ただ、あまりにも急に漁獲圧力が高まったため、漁業者の間にナマコ資源への影響を懸念する声がではじめています。

 ちなみに、国内で出回っているナマコはほとんどマナマコという種類ですが、色によってアカ、アオ、クロに分けられています(たまに白化個体もいますがこれは例外)。生鮮品ではアカが一番高価で取引されますが、干しナマコ原料としてはクロが好まれます(戻したときに柔らかく仕上がるためだそうです。また体表のトゲトゲが顕著な方が高価です)。

 ただ、最近の研究によると、アカだけ別種であるという可能性が出てきました。確かに、生息場所などアオ・クロと異なるところがあります。いずれ、「アカナマコ」として独立した種類になるかもしれません。

 

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