神奈川県水産技術センター メルマガ363

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.363 2011-02-18

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.363 2011-02-18
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□研究員コラム

○ 身近な自然の美しさ     (資源環境部 山田 佳昭)

○ 「山から川へ、川は海へ」   (相模湾試験場 山本 章太郎)

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○身近な自然の美しさ

 明日は二十四節気の一つ雨水に当たります。雪が雨に変わり、水も温んで、草木の芽が出始めるころだそうです。当所があります城ヶ島も、先週まで「水仙まつり」が催されるなど、県立城ヶ島公園を始め島内に約60万株が咲く八重水仙をご覧に多くの方が訪れました。

 春の水仙、夏の紫陽花、秋の八丈ススキ、冬の鵜などで有名な城ヶ島ですが、他にも見所の多い場所です。その中からご紹介したいのが、「地層」です。唯の岩かとおっしゃるなかれ、自然が作り出した形にはなかなか興味深いものがあります。

 これから何回かに分けまして、城ヶ島の地層巡りをしていきたいと思います。しかし、何分この分野に素人の見聞ですので、その旨ご容赦下さい。観察に当たりましては、三浦市教育委員会作成の中学校理科副読本「三浦の自然」を始め、地学関係の諸書を参考にさせていただいています。

 では、島の西側から歩いてまいりましょう。路線バスの折り返し場から西方向を見ると、お料理屋さんの背後に小さな山が見えます(写真1)。これが楫(かじ)の三郎山で、対岸三崎の海南神社のご祭神、藤原資盈(ふじわらのすけみつ)公が貞観6(864)年にご到来の折、船の舵を操っていた三郎命が山頂に祭られています。かつてはこの山に大蛇が棲むとされ、祟りを恐れて登る人はいなかったとも伝えられています。

 お店の左手を抜けると駐車場になっていますが、右側に三郎山の南側の崖が見えます(写真2)。穴がたくさん開いていますが、これは風食、すなわち風や風で動かされた石によって削られてできたのだそうです。

 反対の北側の崖にも抉られたような窪みが見られますが(写真3)、同じく風の作用でできたものなのでしょうか、こちらは差し渡し1m以上あります。

 山の西側には頂上へ至る小道がついていましたが、蛇が怖いので登るのはよしておきました。

 

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○「山から川へ、川は海へ」

 昨年9月の台風9号の豪雨により、酒匂川の上流部で山崩れが発生し、大量の土砂や樹木等が大増水した鮎沢川、そして酒匂川を通して、相模湾に流れ込みました。同時に増水した河川の濁流は河川敷の枯れ木やごみ、雑草までも根こそぎにして海に流し込みました。(昨年のメルマガ VOL.356 2010-11-12で紹介)今回はその続編をお伝えします。

 さて、海に流れ込んだ大量の土砂や樹木、枯れ木、ごみ、雑草等はその後どうなったのでしょう。海を漂流して海岸や漁港、あるいは定置網に漂着したものは海岸管理者や漁業者など関係者により回収、処分されましたが、それが全てではありません。

 土砂崩れと増水による酒匂川の濁流は、台風の到来から12月の中ごろまでおおよそ3ヶ月以上も続きました。その後、泥水のような濁流は治まったものの、いまだに薄濁りは続いています。これだけ濁流が続くと、大量の「泥」が海に流れ込みます。泥は海を漂いやがて海底に堆積します。昨年11月に採泥器を使って小田原地先の海底の泥を採集したところ、酒匂川から流れ込んだと思われる「茶色い泥」が堆積していました。(写真1)

 また、同じ時期に河口から8kmも離れている小田原市江之浦地先の岩礁域を潜水調査したところ、岩礁の上に泥が多量に堆積しているのが確認されました。(写真2)こうした現象が魚類や海藻という海の生物の生活に影響を及ぼしてしまうことが心配されます。

 一方、台風の直後から酒匂川の河口付近を漁場としている漁業者から「いつもの漁場に刺網をかけると、網にゴミが大量に掛かってしまう。」、「刺網が海底の何かに引っかかってしまってあがってこない。」、「魚がぜんぜん獲れない。」といった声が多数聞かれました。ある漁業者は「網を入れてもゴミがかかるばかりで魚がぜんぜん獲れない。だから今あの漁場は使えなくなってしまった。」と嘆いていました。昨年11月から継続して水中カメラROV(メルマガ VOL.307 2009-08-07で紹介)を使って海底の様子を調査していますが、広い範囲で草や木の葉、枝、大木等がたくさん沈んでいるのを確認しました。(写真3、4、5)

 これでは刺網が引っかかってあがらなくなったり、ビリビリに破けてしまうのも当然です。この辺りはヒラメ刺網の良い漁場でしたが、台風9号以降、今現在も利用されていません。このままでは漁場として使うことが出来なくなってしまいます。

 山から川へ、川は海へと、水の流れにおいて海はその最後に辿り着く場所です。「全てを水に流す。」という言葉がありますが、流れた先はどうなるのかということも、もうすこし考えなくてはならないのではないでしょうか。

 

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