神奈川県水産技術センター メルマガ364

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.364 2011-03-04

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.364 2011-03-04
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□研究員コラム

○ 標本写真     (資源環境部 田島 良博)

○ 水の流れ(その3)   (内水面試験場 山本 裕康)

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○標本写真

 何度かお伝えしてきた東京湾の生物相モニタリング調査の話題、前回(No.309)は種類を調べる難しさについてお話ししましたが、今回はその続きのようなお話をします。

 生き物の色彩は実に多彩で鮮やかです。調査現場ではこれらの色彩を目の当たりにしますが、実験室でその色に再会することはほとんどありません。それは、標本を保存するためホルマリン溶液に浸けてしまうからです。色の変化は、魚類やえび類、かに類などグループ毎に経過が異なり、魚類では1週間程度であれば比較的採集時に近い色彩に再会できます。かに類は、種類にもよりますが数ヶ月以上元の色に近い色彩を保つものもあります。

 しかし、えび類は固定直後から変色や退色が始まり、概ね1週間程度でほとんど真っ白になってしまいます。したがって、模様や色彩で種類を調べることはほとんどできません。一般的な図鑑は、生時や新鮮な状態の写真、生時の色彩を元に描かれた絵などが掲載されていることが多く、絵合わせで種類を調べる難しさの所以もこんなところにあります。

 そこで、種類を調べる参考にするため、数年前からホルマリン固定した標本の写真を撮影しています。たまにしかお目にかかれない種類などは、この写真が結構参考になりますが、最近その枚数がかなり増えてきました。標本写真は、デジタルカメラで撮影しているため現像やプリントの必要がなく、1種類について何枚も撮ることから、かなりの勢いで増殖を続けています。また、はじめは全身を納めたカットが中心でしたが、種類を調べるためには部品のアップも必要になるため、最近では体の一部分をアップで撮った写真も増え、まさに無限増殖状態です。ちなみに、現在モニタリング調査の標本だけで1700枚以上有ります。撮影した種類数は数十種類だと思いますが、他の調査の分も加えると3000枚を超えました。

 これらの写真を活用するためにも、できるだけ早く整理して「モニタリング調査の標本図鑑」を作成したいところですが、今のところ採集直後の良好な状態のうちに撮影するのが精一杯です。一般の方がホルマリン固定した標本を調べる機会はあまりないでしょうからこれらの写真が印刷物になることはないと思いますが、調査データの精度維持のためにも、使える状態で(遠い?)将来の後任に引き継ぎたいと思っています。

 

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○水の流れ(その3)

 内水面試験場の水の流れの3回目です。(今回、最終回。)相模川の伏流水をポンプで汲み上げたのち、各飼育施設で利用された水は、各々の排水路により最終的に場内の沈殿水槽に集められます。この沈殿水槽は場内の緑化区域の地下に埋設されており、内部が幾つかに仕切られています。この仕切り毎に流れ込んで来る排水の懸濁物を沈下、上水を次の仕切り水槽へ流し込むことを繰り返すことにより、順次浄化する仕組みです。最終的に浄化された排水は試験場に隣接する、相模川自然の村公園の地下を経由して相模川へと戻されます。ちなみに試験場敷地から出る手前で、沈殿浄化水は相模原市の水質検査を月一ぐらいで受けています。(現在までは、特に問題があったことはありません。)

 また、試験場の排水は自然の村公園の下流にある、漁協が運営するファミリー釣堀の水源の一部にもなっているようです。なぜかと言いますと、試験場の排水量によっては水位変動が起こるという話があるからです。このような形で、試験場で汲み上げて使用された伏流水は排水処理を行ったのちも再利用(?)されているようです。

 試験場内でも、生態試験池(人工河川)の水源として屋内の流水飼育水槽の排水を利用しています。通常、生態試験池では、ある程度の水の流れを確保するために、下流から上流にポンプで汲み上げ(じゅんかん)をしています。これにより、水源としての排水の量はさほど必要はありませんが、電気点検等で停電の時には、上流部は渇水(水が足りない。)状態になってしまうため、意図的に屋内水槽の水量を増やす必要があります。生息している生き物にとっては、きれい(?)な水がいっぱい流れてくるけど、いきなり水温が上がったり、下がったりするのは良いのか?悪いのか?たまには、魚の身になって考えてみるのも面白いかも?

 

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