神奈川県水産技術センター メルマガ374

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.374 2011-07-22

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.374 2011-07-22
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□研究員コラム

○ 東北地方太平洋沖地震による小田原漁港における津波 (相模湾試験場 石戸谷博範)

○ アマモ神事の80年ぶりの復活 (栽培技術部 工藤孝浩)

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○東北地方太平洋沖地震による小田原漁港における津波 (相模湾試験場 石戸谷博範)

 東日本大震災で被災された多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。さて、この大震災による津波の影響は、相模湾にもおよび、横須賀市の小田和湾を中心に養殖施設等に大きな損害を与えました。日頃より、当試験場とともに仕事を進めています県西部漁港事務所より、3月11日の小田原漁港の潮位記録を提供していただき、東北地方太平洋沖地震発生時における小田原漁港の津波の到達時刻等を見てみました。図に示したように、2011年3月11日 14:46 東北地方太平洋沖地震発生後10分で小田原漁港内の潮位低下が見られています。(潮位変化図)そして、地震発生後約40分から潮位が上昇を始め、62分後に津波の第一波のピークが到達しています。その高さは午前中の満潮時を凌ぐ高さとなりました。震源からの距離を考えると、時速300-400kmで伝わって来たと言えます。また、第一波の到達時は干潮時と重なっていたため、水揚げ施設等への浸水は幸い回避できたのではないでしょうか。第二波は、第一波のほぼ1時間後の16:53分にピークが到達し、それ以後、徐々に津波の影響が減少して行きました。

 このように、震源が間近でなくても、津波には十分な注意が必要といえます。

 大正12年9月1日の関東大震災では、震源が相模灘であったため、津波の来襲はあっという間で、真鶴では激震後に著しく退潮し、5-6分後から大津波が2-3回到来し2回目が最大で20尺(0.303m×20=6m)に達しています。また、鎌倉や秋谷では地震後13分で6mの津波に襲われています(神奈川県水産試験場調査、神奈川県水産震災調査報告書 大正13年4月より)。

 日頃から、高台への避難経路等を確認して、まずは生命を守りたいと思います。

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○アマモ神事の80年ぶりの復活 (栽培技術部 工藤孝浩)

 金沢八景・平潟湾の奥にある瀬戸神社には、戦前まで地元漁村の人々によってアマモと潮水で神輿を清める神事が伝わっていました。アマモは「モク」とも呼ばれ、「無垢(むく)」に通じることから、これを禊(みそぎ)に用いたり、お祓(はら)いの用具とする神事が各地に伝わっているのです。

 しかし、戦時色が濃くなる中で祭事が簡略化されたことと、軍都横須賀に隣接する平潟湾の環境が悪化してアマモが激減したことで、アマモを用いた神事はすたれてしまいました。

 一方、10年前から金沢八景周辺ではアマモ場の再生活動が活発化し、金沢湾のアマモ場は順調な拡大を遂げました。その様子を見聞きしていた瀬戸神社の佐野宮司が、アマモの神事を復活させるために、アマモ場再生に取り組む市民団体の輪に加わったのです

 宮司は、古老からの聞き取りや社殿に残る古い記録から、神事の詳細を書き起こしていました。まず、所役の3人が、神社の前にある島の先端からふんどし一丁で飛び込み、アマモを刈り、潮水を汲んで神社に駆け込みます。神社内で四隅の蕨手(わらびて)にアマモを縛り付けた神輿は、アマモをつけた祓い串で清められ、町内へと繰り出すのです。

 この神事復活には、かつての美しく豊かな平潟湾の環境と、人と海とのつながりを取り戻したいとの、宮司や氏子さんたちをはじめ、地元の多くの方々の願いが込められています。未だ平潟湾にアマモは生えていませんが、砂を入れるなど簡単な手を加えれば、アマモが定着する目処が立っています。

 今回は金沢湾から移植したアマモを用いましたが、次回は自生のアマモで神事が行えるように、知恵を出し合ってアマモ場の再生を進めていきたいものです。

 7月3日に「無垢塩祓い」として執り行われたこの神事の様子は、瀬戸神社のホームページに写真入りで紹介されており、YouTubeには動画もアップされています。「瀬戸」と「アマモ」で検索すればヒットしますよ。

(アマモ神事の様子)

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